【幕間】フルー
胸糞、凌辱が含まれますので苦手な方はご注意下さい。
直接的な言葉ではなく、比喩表現を用いていますが下手するとR18に抵触するかも…?
該当部分は段落をかなり下げますのでご注意下さい。
皆さまこんにちわ、私の名前はフルーと言います。
もちろん皆さまは私の事はご存知ですよね?
…えぇ…ご存じない?
ハリエ村で一番の才女にしてアダム様の敬虔な信徒の私を!?
おほん…取り乱してしまいましたね。
よろしい、では私とアダム様の出会いから始めましょう。
自分の悲惨な過去を語るのは気持ちの良いものではありませんがこれも信徒の務めです。
一字一句漏らさずに脳裏に刻んでくださいね。
まずはハリエ村の事からにしましょうか、それほど語ることもありませんしね。
ハリエ村はオースから歩いて半日かからない距離にある40人程度が住む農村です。
特産品と呼べるものも特になく、主に野菜を売って生活していました。
村に関してはこれでおしまいです。
次に登場人物ですが私、フルーの他にレッタ、イロエ、マルダ…そしてアダム様が出てきますがアダム様以外はモブと考えて貰って良いでしょう。
私とアダム様が最重要です。よろしいですね?
では運命の日を語りましょうか。
私ことフルーと幼馴染でもあるレッタ、イロエと一緒に村のそばにある森に薪と木の実、野草などを取る日課に出かけました。
季節はようやく雪が消え、花が芽吹きつつある頃でしたがまだまだ厚着が恋しい頃でした。
雪が消えたことで早出の山菜をちらほらと見かけては収穫して、木々を抜け陽が当たって乾いている木々を拾い…日課ですからね、順調でした。
もう背負った籠は7割ほど埋まり「これなら明日は森に来なくていいな」と思っていたころ奴らを見かけました。
そう、ゴブリンです。
冒頭の悲惨な過去とゴブリンというだけで大体先が読めるでしょうが、とりあえず黙って最後まで聞きなさい。
…はい、よろしい。
ゴブリンはモンスターで言えば最低レベルとされ、主に冒険者になり立ての白ランクの初任務や1つ上の青ランクの依頼によく選ばれます。
村の畑を荒らしては村人に退治される事も良くあります。
しかし、侮ってはいけません。
幾ら雑魚とはいえ、侮っているとどんな強者でも足元を掬われるでしょう。
私は戦ったことはありませんが…。
1体のはぐれゴブリンに対し農具や武器持った村人…これならば村人の方が圧倒的に有利と言われています。
武器を持った『普通』のゴブリンであれば良くて五分五分、悪ければ劣勢もあり得ると教わりました。
幾ら小さな体躯で知能が低かろうが奴らとてそれなりの力があります。
子供だってナイフを力いっぱい突き立てれば大人を害する事も可能でしょう。
武器を持ち、徒党を組み、最終的には戦術も用いる者までいると聞きます。
そうなったゴブリン達はもはや素人やヒヨッコの手に負えるものでは無い…と。
私たちは見つかる前に逃げようと来た道を戻ろうとするとそこにも数匹のゴブリンが居ました。
前にもゴブリン、後ろにもゴブリン…そう私たちは既に囲まれていたのです。
あいつらは見かけによらず鼻が利きます。
少なくとも森に入った獲物を追えるくらいには…
それからは何が出来るはずも無くゴブリンに捕らえられました。
巣に連れていかれた先で見たのはかなりの数のゴブリンでした。
数体ではありません。
20体は下らないし、体格の大きいリーダー格らしき奴もいました。
そうです。
私たちは前述した徒党を組んだゴブリン達に捕まったのです。
巣に連れ込まれた女性の運命は語るもおぞましいものです。
男は殺され、女性は最終的に悲惨な最後迎えるだけ。
私も、一緒に捕まった幼馴染も悲惨な末路を辿るはずでした。
ここから先は刺激の強い内容になりますので読み飛ばせるように段落を開けておきますね。
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最初の1日目がとても辛かっように感じます。
巣に連れて来られた初日、私たちは大きな空洞の部屋に入れられました。
私たちを見つめる幾つもの目…怖気が走るより前に「私、死んだな」と思いましたね。
涎を垂らしたゴブリンに両腕を抑えられ、服を裂かれ…まだ誰も受け入れたことのない所へ汚らしいモノを突っ込まれました。
いくら田舎育ちとはいえ、年を重ねれば性知識も自ずと身に付きます。
だから濡らすという行為もなしに突っ込まれたソレはまるで焼けた火かき棒でした…火かき棒を突っ込んだ事はありませんよ?
焼けるような熱さと傷口を抉られるような痛み、わざとでしょう、やつらは私が痛がり、泣き、喚くようにしているようでした。
耐え難い痛みを我慢していると動きが止まり、お腹の中に違和感を感じました…ゴブリンがにやにやと笑っています。
もしかしなくてもそうでしょう…私はゴブリンに中まで穢されたと分かりました。
1匹終わるともう1匹、暇を持て余した奴は私の口まで使い始めました。
臭い苦い渋いしょっぱいえぐい…とあらゆる「不味い」という言葉の集大成のような、使い古しの雑巾を何日か放置した物を口に入れられたのかと思うほどでした。
最終的には生臭さに私はその場で吐いてしまいました。
その反応でまたゴブリン達は笑っていました。
まだこの時は周りを気にする気持ちもありました。
幼馴染たちも似たような状況にあっていたようですし。
体感ですが、2日、3日と過ぎるうちに段々と何も感じなくなりました…幼馴染の声すらほとんど聞こえません。
反応するだけゴブリンが楽しむ…ならば何もしないのが一番楽です。
時折、反応しないことがつまらないのか殴られたり、ナイフで刺されたりしました。
体は痛みに反応してゴブリン達を楽しませたようでした。
この時点で私は壊れていたのでしょう。
その間に新入りが1人入って来ました。
これがマルダさんです。
ちなみに、私の回想ではもうほぼ出番なしなのでご了承下さい。
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ここからは普通の内容なのでご安心を。
ですが私たちはこの地獄から助け出されました。
あのゴブリンは『試練』だったのでは……私たちがアダム様に『信仰』を捧げるに足りる者であるかの選定だったのです!
人間からすればゴブリンに汚された娘ですがアダム様はそんな事は気にせず「祈りを欠かさぬように」と仰いました。
ああ、私はこの御方に使えるために生まれてきたのでしょう。
ですが…いくら助けていただいて傷も癒してもらいましたがマント1枚で放り出されては野垂れ死ねと言われているのと変わりません。
面倒を見るならば最後まで…傲慢でしょうか?
いえ、面倒も見れない子供を養う親は居ません。
少なくとも私の周りは口減らし…または現金の為に子供を売る親が多数いました。
私は可能な限り『悲惨な目にあった娘』を演じながら助けを願います。
お願いの仕方は、知る限りの最上級の姿勢です。
無理を承知で同行…護衛でもしてもらえれば最高ですが…ダメですか…。
同行は無理でしたが少なくとも路銀か食料は貰えるようです。
荷袋などは持っているように見えませんが…
何でしょう…腕が消えて…?
袋が出てきました…。
あ、あれはジャガイモが現れては袋に消え、現れては消え…今度はキャベツに玉ねぎ、にんじん…大根…肉!?
遠目では何の肉かはわかりませんがお肉がありました。
どうやら魔法の荷袋らしいです…。
今度は手が消えたと思ったらテーブルが出てきました、何度も…同じことで驚いたりは…
新品の服!!
しかも麻じゃない!?すべすべ!
どれでも好きなのを選べ?
ありがとうございます!
「レッタさん、イロエさん、こんな機会はもうありません。詰めるだけ詰めましょう!」
下着…?と思われるもの見たことのないものばかり…とりあえず詰めましょう。
二人は似合う似合わないでキャッキャしているがそんなものは後でもいい。
一通り服を確保した後は私たちにも身を守る装備を下さるそうです。
しかも、どれも魔法の効果が付いたものという…本当になんという御方でしょう。
少し、演技して媚びた事を反省します。
代わりと言っては足りないかもしれないが心から貴方様の為に祈らせて頂きます。
当然、私だけでなく家族全員も、可能なら隣近所も…
この杖に外套…これだけでも金貨何十枚もしくは100枚も届くかも…
いえ、いけない!
アダム様から賜った神聖な装備を売るだなんて!
そんな考え方をしてしまういけない私ををお許しください!
「それではな」と言葉を残しあの御方は消えてしまった…。
結局、兜を外さなかったので顔を見る事は出来なかったが耳に心地よいハイトーンボイス、中性的に聞こえたがおそらくは男性…女性であればマルダさんの格好に口は出さないと思いますし。
まぁ、どのような姿でも構いません。
願わくばこの神像のような御姿であれば…。
アダム様、私の信仰をお受け取り下さい……ハァ…ハァ……
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「フルーちゃん、何書いてるの?」
「これは私がアダム様に出会うまでの話をまとめているのだけれども…やはり物語を綴るというのは日記とは勝手が違うわね。相手に自分の体験をどういう言葉で伝えるかが非常に難しいわ」
「へー…がんばってねー」
「言われなくても頑張るわよ…それよりもイロエ、あんたちゃんと祈ってるんでしょうね?」
「毎朝起きたときに祈ってますよーだ。レッタちゃんもそう言ってたよ」
「ならいいわ。祈ってなかったら代わりに私が罰を与えている所よ」
「それよりそれよりね、レッタちゃんが新しい依頼受けたから来てーって言ってたよ!」
「分かったわ…で? 今度はどこのゴブリン?」
「サミッツの村だって。何人か攫われたみたいだよ」
「…徒歩でここからざっと2日ね。急いで準備して向かいましょう。可能なら馬か馬車も手配して」
「あーい」
イロエが部屋から出て行くと、少しだけ執筆を再開する。
準備もあるので手短にまとめて置きましょう。
アダム様から助けられた私たちはあれから村を出て冒険者になりました。
女だけのパーティはそれなりに珍しかった事と貰った装備は駆け出しには過ぎた装備だったらしく装備目当てのガラの悪い先輩冒険者やおこぼれに預かろうとする愚物が群がってきましたが、そのたびに"丁重に"お帰り頂いております。
私たちは今でこそ青ランクに上がった冒険者のランクなどは飾りでしかありません。
ただ、アダム様の信仰のお手伝いが出来れば…ついでに同じ目に合っている被害者を助ける為にゴブリン専門の狩人となりました。
もはや倒したゴブリンの数は100を軽く越え、潰した巣は10以上…。
助けた人数も少しはいるが"まとも"でいられたのは片手でも余るくらい…そう思うと自分たちがいかに幸運だったかが分かります。
話は変わりますが、冒険者になって良かったことがあります。
それは情報収集が格段に良くなったことです。
アダム様の情報を集める上でこの上なく役立っています。
まだ噂の段階でしかありませんが、曰く…
・アダム村なるものが出来たらしい
・変わった全身鎧の御方が凶悪なモンスターを狩った
・アダムと名乗る人物が癒しの奇跡で死にかけていた旅人を救った…などなど。
こんな噂が出るという事はアダム様が今も人助けを続けているという証拠に他なりません。
そして、つい最近の噂でオースの街に"アダム"を名乗る見目麗しい凄腕の冒険者が現れたと聞きました。
これだけであれば同じ名前なだけ…で終わると思いましたが何故か私はビビッと感じたのです。
『この方はアダム様ご本人の可能性が非常に高い』と。
今はゴブリンに捕らえられた人の救出が最優先ですが、同じ冒険者という立場であればいずれ相まみえる事もあるでしょう。
それまでにアダム様のお役に立てるように誠心誠意動くだけが私のできることです。
「とりあえずこんなものかな…続きはゴブリン討伐の話をいくつかいれて…アダム様との邂逅編にして…」
「フルー!準備できたー!?」
いけない、ちょっとのつもりがのめり込んでいたようです。
宿屋の階下からレッタの声が聞こえてきました。
「すぐ降りるからちょっと待ってて!」
アダム様…いずれお会いできる日を楽しみにしています。
敬虔なアダム様の信徒、フルーより。
お待たせしております。
次は水曜日に上げれたらいいな




