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ゲームのGMと思った? 残念!異世界管理人でした!!  作者: 黒野されな
3章 より良い生活を目指して
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冒険者ってなーに?

なんやかんやあって私達…私ことアダムとハチ、おじさん…キルスティンさん。

自己紹介してもらったら何とこのオースの冒険者ギルドの支部長と言うじゃないか。

言うなれば支店長、一国一城の主だ。

まぁ、支部という下部組織では好き勝手出来る事はないんだけどね…。

それと私を調べていた経緯や内容を聞いたがはっきり言って「ファンタジー世界の情報収集なんて――」と思っていたら私が助けた事例の7割位を把握していた。

出来てなかったのは諜報員を送り込めない場所がほとんど…やっぱりどんな世界でも有能な人は侮れない。

私を調べた経緯は単純な警戒の為、という事も聞けて良かった。

まぁ、そうだよね…こっちの世界からすれば近所にいきなりスーパーマンが引っ越しして来たようなもの…かな?


それともう1人は数少ないトップランク…主に特色クラスと呼ばれるランクに属する"無色の"Dさんと言うそうだ。

無色というのは二つ名のようなもので、最高ランクになると自薦他薦問わずに色の名前で識別されるらしい。


ちなみに冒険者ランクは、

白…駆け出し、初心者(0~1、2年、個人差あり)

青…脱初心者一人前未満(2~4、個人差あり)

黄…一人前(5~10年、個人差あり)

緑…ベテラン、熟練(10~15年、終身)一般人の限界、8割はここで終了

赤…達人(緑ランクでの功績による。半指名性になっている。)

というようになっているとのことでこの赤の上が特色になるらしい。


今特色として認定されているのは、金、銀、灰、黒…そして無色らしい。

どの人物も一芸、特に戦闘に関しては他の追随を許さないほどの能力を持っているという話。


「ちなみにDさんは戦闘で他の特色の方に勝てますか?」


「…正面切っては無理だろうな。暗殺紛いなら1人か2人くらいは勝機があるかもしれん。」


そっか、さっきキルスティンさんが言うにはDさんは隠蔽の使い手――とか言ってたな。


「キルスティンさん、ものすごく初歩的な話なんですが…そもそも冒険者とは何を目的にする職なんですか?」


「そうですね…一言で表すなら"何でも屋"という所でしょうか。」


ほうほう、何でも屋とな。

続く説明として…冒険者は基本的に国、市政、ギルド問わずに依頼が来てそれを受け達成することで報酬を貰い生業とする。

モンスター討伐であったり、薬草を採取したり、庭掃除したり、ペット探しをしたり…軽いものは話し相手から酷いもの――は語弊があるが未知の成分の人体実験まで。

昔は本当に未知の探索や地図に無い場所の踏破など正に『冒険』だったのだが、ある程度世界の形が見えてくるともはや未踏の地というのは恐るべきモンスターが住まう地だったり、絶海の先だったりと限られた場所のみになってしまった。

しかし、冒険者はその戦闘技術、探索能力、状況判断の柔軟性を買われ今では何でも屋になっている…と。

報酬次第では『何でも』やるが、当然ご法度はある。

支部ごとに細かい決まりは違うらしいが大きく変わらないのがいくつか有るらしい。

1、同じ冒険者を手に掛けない。

2、無関係の人、家、財産に手を出さない。

3、ギルドからの指名依頼は絶対受けなければならない

これ…結構ガバガバなルールに感じるけどこれで成り立っているなら特に口には出すまい。


「こちらからもいくつか質問をよろしいでしょうか。」


キルスティンさんからの問いかけに頷きで返す。


「ありがとうございます……アダム様はどのような目的でオースに来られたのでしょうか。」


「有り体に言えばこの世界の常識を知るために…という所ですかね。」


「この世界? まるで別の世界から来たというような話ですね…」


あっちの世界とかこっちの世界とか説明するの難しいな…転移の魔法はあっても異世界転移というのは馴染みがないだろうし…。

あぁ!一番最初の設定でいけばいいか。


「語弊がありましたね、私は神に仕える身なのです。下界の者を救うことを生業にしているのですがどのような救いを求めているか…その調査の為です。」


「なんと…神ですか…。」


「どんな常識外と思ったら神と来たか…これは笑えないな…。」


思いの外すんなりと受け入れられたようだ。

やはり世界は違えど強大な力を見せつけられれば『神』という存在も受け入れやすくなるのだろう。


「…っと失礼しました。次ですがここオースの北部にアダム村なる村落があるのですが…何か関係があるのでは?」


うわー…別の人の口から聞くとなお恥ずかしい。

そうです、不本意ながら名前の元になってしまったのが私です。


「成り行きで最初は村人を…次は村そのものを助ける事になってな…その恩義からか名前を貰った、と村長には聞いたので無関係では無い…な。」


こういう事は念を入れて"私の意思で名前を付けた訳ではありません"というアピールが大事です。

ほら、議員とか会社の社長の会見でも見かけること無い?

「記憶にございません。」「それに関しては私の知るところではございません。」などなど…。


「そうですか…得心がいきました。あと1点だけ、神の仕える身とのことですが教会とはどのような関係でしょうか。」


そもそもこちらの教会という組織がどのような物か分かりません。

キルスティンさんの言動からして神を祀る組織であることは間違いないようだが…いや、確認は大事だ。

思い込みで行動して痛い目は見たくないしな。


「申し訳ない…教会という存在は知っているが下界ではどの神に対して祈っているのだ?」


あくまで私は神に仕える身という設定なのであくまでも神は複数いる…ゼウス然りキリスト然り…日本にすればそれこそ八百万の神だ。


「私も教会とは仕事上だけの付き合いですから正確に知っている訳ではないという事を前提にさせてください…まず神の正確な名は長すぎる歴史により失われてしまったと聞いています。その為、祈る際には"造物主"や"創造神"などこの世界を作ったとされる神に対して祈り善行を積む…というのが建前です。」


「建前とは…また別の面があると?」


「教会は癒しの奇跡を独占し私腹を肥やしている信仰とは程遠い金儲けの為の組織に成り下がっています…ある程度の肉体の損傷であればポーションで何とかなりますが呪いや重篤なケガでは悔しいながら教会に頼らざるを得ません…。」


癒しの奇跡という新しいワードが出てきたけどどんなもんかなーとヘルプを覗くと…。

うん、一言でいえば回復やバフ、解呪、解毒等々の神官とかに良くある後方支援が主の職業だ。

この技…というよりは魔法扱いなんだけど"癒し手"という職業に限定されている。

必ず需要があるという事は独占すればそれだけ利益を得られるという訳だ。

そして…独占すればそれだけ値段を吊り上げるのも自由…やりたい放題なっているのが現状ということだろうな。


「どうやら私が仕える方とは別の方のようだな…それにしても信仰を食い物にし、私腹を肥やすとは信者の風上にも置けんな…」


私も信仰をリアルに食い物にしている訳だがこれは世直しや管理者としての責任を果たすための必要経費だから問題ないな!うん!

といっても今すぐにどうこう出来るわけも無いのでしばらくは情報収集が必要だな。


「その教会とやらを物理的に潰すのは容易だろうが、それとて下界の機能の1つだ。無くなって本当に困る者達も多いだろう…それに本当に藁にも縋る思いを持った者はこちらで救えるしな。」


「ではマルダも助けを求められたから…助けたのですか?」


「…すまない。助けている全てを把握している訳ではないのだ、年齢や種族など特徴を教えてくれないか。」


こっちの世界には名刺がない。

正直名刺交換だけで忘れる人は案外多いと思う。

特に貴族など名前が非常に長い…今はまだ知り合いが少ないから何とかなっているが挨拶をしただけの貴族とか忘れてしまうのが容易に想像できる。

あれ、私だけ??


「今は部屋の外で警護をしておりますので呼んだほうが早いでしょう。」


パンパンを手を2回叩くとドアがノックと共に開かれた。

そこに立っていたのはブラウンのポニーテールにちょっと活発そうな印象を受けるパッチリとした目の女性だ。

歳は20そこそこぐらいで特徴的な槍を持っていた。

ああ、彼女は――


「はいはい、お呼びでしょうかー?」


「…客人の前ぐらいもうちょっとシャキッと出来んのか…」


「はいはい、すみませんね。性分なもんで…」


キルスティンさんがニヤリと笑った。

この人もサプライズ的なことが好きなんだな。


「お前の大恩人の"アダムさん"と知ってもか?」



「へ? え?」



「ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!」


2018/3/27 指名以来→指名依頼に修正 ご指摘感謝

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