ラディカルロック! ~関所と幻想種とリヤカー~
ラディカルロック! ~女盗賊と男の娘と全裸~の続編です
御年500歳という『賢帝』黄泉子=カウフマン。
ロリポップを常用する見た目12.3歳の少女が、九重錠太郎の依頼人だった。
錠太郎が身を投じた復讐も、元を正せばこの胡散臭いロリBBAが原因だが、それを言ったところで何も始まらない。
過去よりも現在、未来のための現在なのである。
だから、黄泉子の依頼と称する実験の数々を錠太郎は二つ返事で受けなければならないのだ。
***
「そして俺は黄泉子の実験の結果、この世界に飛ばされ、こうしてご主人と出逢ったというわけだ」
「はぁ……」
――なにが、というわけだ。思わず生返事をしてしまったじゃないか。
キサラギ=ザナドゥは、九重錠太郎ことロックの身の上話を、冗談半分に聞いていた。
魔鉄国家『ミストラル』の住人であったザナドゥに魔力が一般的ではない異世界など御伽噺である。いや、御伽噺ですらない。
魔力が無いなんて地獄もいいところだ。
その割りに魔術云々といった概念だけはあるというのだから、ロックの話は恐らく与太話の類なのだろうとザナドゥは推察する。
キサラギ=ザナドゥは実家を飛び出したハーフエルフだ。
そして行商の途中で女盗賊に強姦されそうになったところを、全裸だったロックに助けられた。
ロックは、線の細いザナドゥとは正反対のような男だ。
少年から青年への過渡期のような顔立ちはともかく、190セルジュ(1cm=1セルジュ)はあろうかという長身に鍛え上げられた体躯、武器を持った相手を無手で制圧する体術など。
異世界から来たという話は別にしても只者ではないことは一目瞭然だ。
しかも苗字と名乗りがミストラル風で、名前と顔立ちはミストラルでもやんごとない血筋のヤマトの民の特徴を持っている。
――まさか、ミストラルから来た監視役か何かなのかな?
やんごとないといえば、ザナドゥ自身も半分はそうだった。
ミストラルの貴族の中でも建国の時代から存在した十二宗家と呼ばれる高位の貴族。ザナドゥは十二宗家の序列二位、キサラギ家の人間だ。
ハーフゆえに継承権は無いが並の貴族よりは遥かに地位は高い。そんなザナドゥがミストラルを離れているというのは、実は許されることではなく、彼は家出同然で出奔している立場だった。
そんな彼を間一髪のところで救ったのがロックだが、そのロックは明らかにミストラル縁の人間だ。
であれば、ミストラルから自分を監視、あるいは連れ戻しに来た人物と考えるのが自然だ。
とすれば窮地になって現れたのは、ザナドゥの信頼を得るため機をうかがっていたためなのだろうとか。
ほんの僅かな報酬のみで半ば押し切る形で護衛を請け負うとか。
ロックのそれらの行動にはどうも裏があるようにザナドゥには思えて仕方が無い。
絵画草子の読みすぎといわれればそれまでだが、ニンジャマスター・ハヤテだのカラテウォーリアー・コンゴウだの、ミストラルには一騎当千と称される使い手は実在し、一概に癖のある人材であるらしいこともロックがそれらと同類なのではないかと示唆している。
ザナドゥがそんな風に考え込みながら歩いていると、ロックが立ち止まり、ザナドゥの前進を制した。
「なに、どうしたのロック?」
「ご主人、気をつけろ。かすかだが、血のにおいがする」
「ええっ?」
ザナドゥはくんくんと鼻を動かしてみるが、そんな匂いはしない。
「そんな匂いはしないよ。それにこの先は関所だよ?」
「だったら、その関所で何かあったのだろう。何があろうとご主人に怪我をさせるつもりは無いが、ご主人も一応気を配ってくれ」
「う、うん」
***
二人は関所に着いた。
ザナドゥは目の前の光景にあんぐりと口を開けてしまった。
「な、なっ……」
「酷いものだな」
ロックの感情を殺した端的なセリフが、関所の惨状を物語っていた。
門扉は破壊され、詰めていた衛士は控えも含めて殺されていた。
死体は無理矢理引きちぎられたような、食い散らかしたような、酷い有様だった。
「うわぁ……うぷ」
ザナドゥはその光景に血の気が引いていた。
そして、内側からせり上がってくるものを感じ、吐き出した。
「うぷ、おおおうっ、ううっ、ぁえええええ……」
「ご主人!」
ロックは、吐いているザナドゥに急いで駆け寄り、吐き出し終えて、えづいているザナドゥの背中をさすった。
「無理をするな、ご主人。水は持ってないのか」
「ううっ……」
ザナドゥは弱りながらも背負った鞄を降ろして、中身を虚ろな目で漁った。
「貸せ、俺が探す」
ロックが手を差し伸べたが、ザナドゥは首を横に振った。
「所有者登録してあるから……僕、じゃないと、中身を出せないんだ」
「所有者登録?」
ロックは所有者登録に聞き覚えがないらしく言葉を反芻した。
ミストラル謹製もそうだが、魔道具に分類される一部の道具は、所有者の魔力の波長を覚えこむことが出来るものがある。
これを所有者登録といい、登録者以外の使用を禁止に出来る一種の防犯機能である。
例えばロックがザナドゥの鞄の口は開けようとしても開くことは無い。破損を覚悟すればまた別だが。
所有者登録は一般的ではないが、常識の範疇ではある。それを知らないロックに疑いを向けながらも、ザナドゥはザナドゥ特製鞄、超空間ボックスから水筒を取り出し、水を口に含んでゆすいだ。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「さて、これはどこぞの役所にでも報告の必要があるだろうな」
「……」
「どうした、ご主人?」
ロックは、黙り込んで思案しているザナドゥに声をかけた。
「うん、こんな滅茶苦茶に破壊しているからには、多分、犯人は魔物の類だと思う」
「――ほう、魔物か。この世界には魔物が居るのか」
ザナドゥは、この世界の常識にうんうんと唸るロックにつっこむことをせず、持論を展開する。
「けど、関所には魔物避けの結界があるのが普通なんだ。よほど高位の魔物なら結界も意味無いけど、そんな高位の存在が、この地方の関所に現れるとは考えにくい。何よりこんな場所を襲うメリットが――」
「うわあああああああっ」
「ぐるるるがああああっ」
遠くに聞こえた悲鳴が、空を裂く咆哮が、思考の深みに没入する直前のザナドゥの意識を現実に引き戻した。
悲鳴と咆哮は関所を越えた先から聞こえてきた。
「触らぬ神にたたりなしとも言うが……どうする? ご主人。俺の脚ならば、ご主人を連れて逃げることも出来るが」
ロックは、恐らく関所を襲った魔物がいるだろうとあたりをつけてザナドゥに判断を仰いだ。
「……これを」
ザナドゥは、しばし逡巡した後、超空間ボックスから一振りの刀を取り出し、ロックに差し出した。
「これは、刀か?」
「……そう。一応売り物なんだけどね。こんなときに出し惜しみは出来ない」
それは、刀の形をした超兵器。ニンジャマスター・ハヤテやカラテウォーリア・コンゴウといった一騎当千の強者の使用に耐えうる性能を持つ刀だった。
そしてロックにそれら一騎当千の強者と同じ風格を見たザナドゥは、この一点ものを託すことにした。
「禍断・雪走り。魔を払い、邪を滅する、その刀の銘だよ。僕が作った。ロック、君ならこの刀を十全に扱えるはずだ」
「……まだ、どうするか聞いていないが?」
ロックの問いに、ザナドゥは真剣な眼差しで受けた。
「僕一人なら逃げていた。けど、君が居るなら話は別だ。ロック、僕の護衛として、降りかかる火の粉を払って欲しい」
「攻撃は最大の防御とも言う……俺の使い方としては悪くないぞ、ご主人」
ロックは、不敵に笑みを浮かべた。
「しかし、この刀は不要だ」
「えっ」
ロックは、差し出された刀をやんわりと押し返した。
「売り物に手を出すわけにいかんだろう」
「でも、それじゃあ君は武器もなしに魔物と――」
「昔の偉い人は言った……男なら拳一つで勝負せんかい、と」
ロックはザナドゥの眼前に拳を突き出した。
「うわ……」
ロックの突きで起こった風圧がザナドゥの前髪を上げた。
「ご主人、俺が護衛に相応しいだけの力があることを、今から証明してやる」
***
――ぐるるるああああああっ!!
咆哮による空気の震えが周囲に伝播して木々を揺らした。
「ふっ、コイツはなかなか骨が折れそうだ」
ザナドゥとロックの前に立つのは巨大な獅子だった。
豊かなたてがみに雄雄しく巨大な角が頭部に二つ。背には雄大な1対の鷲の翼。
数々の動物の特徴を兼ね備えたその魔物は俗に言えば合成獣。
しかし天然自然に発生したものは、合成獣とは一線を画する幻想種として個別の名が与えられる。
目の前に珍獣がまさにそれ。
他に人の姿が見当たらない――正確には隊商と見受けられる一団であったモノは幻想種の後ろで転がっていた。
「ご主人は下がっていろ」
「う、うん、気をつけて」
「ふん、心得た」
――ぐるるるがああああ!
先手を仕掛けたのは幻想種だ。
4つの足で瞬時に最高速へ、彼我の距離は一瞬で零になる。
――がああああっ!
巨大な顎が開かれ、ロックの身体の半ばまでを口の中に入れた。
「ロッ――」
――ぐおおおおおっ!?
ザナドゥが悲鳴を上げるよりも早く、低く、くぐもった悲鳴を上げたのは幻想種だった。
幻想種は、ロックから牙を離して後ずさる。
ロックは無傷だった。
しかし拳は朱に染まっていた。
「内側から殴った――!?」
咥内の軟いところを、殴りぬく。
一瞬遅ければ、ロックの身体の方が噛み砕かれていた。
「おおおおおっ」
幻想種の一瞬の狼狽えをロックは見逃さない。
幻想種の顎を剛脚で蹴り上げた。
――ァアアアアッ!?
「輪舞空弾!」
幻想種の側面に回り、飛び込むような打ち込みから、サマーソルトキックへの連携。
ロックの一撃一撃が人間なら絶命しかねないほどの豪打であることをザナドゥは悟る。
そしてそれらを受けても意識を保ち、反撃の爪を振り下ろす幻想種もまた尋常ではない。
「せいっ」
幻想種が振り下ろした前足を、ロックは、タイミングを合わせ迎撃する。
――ギャウウッ!?
一見して正面からの打ち合いは、ロックに分売が上がり幻想種が悲鳴を上げる。
今の一撃で前足の骨に異常をきたしたらしい。
幻想種の立ち姿が傾いていた。
――ぐるるるっ……!
幻想種がついに疲れを見せ始めた。
いやおびえてというほうが正しい。
命として、ロックの方が幻想種よりも上を行っている、そのことに本能で幻想種は気付いたのだ。
「ロック、畳み掛けて! そいつが逃げる前に!」
「承知したっ!」
ザナドゥがロックに声を張って指示を出した。
あんな魔物を野放しにしたら、今後どんな被害が生まれるかわからない。
可能ならば、ここで打倒するのが最善だった。
ザナドゥの声を受けたロックは、大地を強く踏み抜いた。震脚だ。
「こおおおおおおおっ!」
ロックが強く呼吸する。
「あれは……!?」
ザナドゥが瞠目した。
ロックの腕に紫色の雷を帯びたのが見えたのだ。
「はぁああああああ!」
ロックが幻想種へ飛び掛る。
――ぐがああああああ!
幻想種は意外にも退かず、逆に勇気をもって飛びかかった。
死中に活を見たのか、しかしその爪はロックには届かない。
ロックの拳が幻想種の顔面を捉えたのが先だった。
「終わりだ!」
ロックは吹っ飛ぶ幻想種を追撃した。中段突きから回し蹴りの連携からさらに幻想種の巨体を蹴り上げる。
――ぐがああ……
弱弱しく唸る幻想種は、巨体を空中へ跳ね上げられた。
その真下にロックはいた。
大地に根を張るよう腰を落としてどっしり構え、自然落下する幻想種を迎え撃つ。
「紫電掌・衝破っ!!」
天に向けて、ロックは両の掌を打ち出した。
――……っ!?
幻想種の胴体を二撃の掌底が打ち抜き、幻想種は声すらも上げられない。
ロックの両手の腕の上でぐったりと脱力した幻想種をロックは地面に下ろした。
「……ふう」
決着はついた。
ロックは、幻想種を素手で降すという偉業をザナドゥの目の前で成し遂げたのだ。
***
「すごい……凄いよ、ロック!」
ザナドゥはロックに駆け寄った。
ザナドゥがロックの身体に触れた瞬間、ピリッとした痛みがザナドゥを襲った。
「うわっ」
「悪いご主人、すぐに治まる」
ザナドゥはそこで先の雷を帯びたロックを思い出した。
「さっきの紫電掌……だっけ。雷は風の属性の延長……扱いの難しい属性だ。君は風の魔力の扱いに長けているのか」
「……うん? よくわからんが、俺は風なんぞ操れないぞ?」
「えっ? でも雷なら……」
「あれは静電気の延長だ。俺の体内のナノマシンで電力を過剰に増幅させているだけだ」
「……君が何を言っているか、良くわからないよ」
困惑するザナドゥに肩をすくめるロック。
「ま、異世界なんだからこういう齟齬はあって当然だ。それらはおいおい理解していくことにしよう、お互いにな」
「うん……そうだね」
ザナドゥとしてはあまり納得は行かなかったが、目の前の幻想種の処遇の方が先決ではあった。
「こういう魔物のお約束で、殺したら不味いかと思って気絶させるに止めたが……どうするご主人。こっちの常識を知ってるご主人に処分を決めてもらいたい」
「……そんな風に考えられる余裕があるなんて、君は本当に強いんだね」
「まあ、護衛を買って出るからには、これくらいは出来ないとな。それでどうする?」
「うん……」
ザナドゥは僅かにためらった。
幻想種とは、大概が一匹のみで子孫を残さないというのが定説だ。だが、こんな場所に幻想種が出てくるのはそもそもがありえないこと。
殺してしまうよりは捕らえておくほうが事態を究明するには都合がいいだろう。
しかし、人間にはこんな幻想種を御することは出来ない。
取り返しがつかないことになる前に、殺してしまうのがベターな選択かもしれない。
「ご主人、俺の後ろに」
思考の深みにまたも嵌りそうだったザナドゥをロックが引き戻した。
「なに、どうし……これは……!」
幻想種の身体が、僅かに光を帯びた。そして目の前でありえないことが起きた。
徐々に幻想種の身体が縮んでいくのだ。
ザナドゥとロックは固唾を呑んでその光景を見守った。
剛毅で毛深い体躯は、徐々に無毛でしなやかな丸みを帯びた人の姿へと変わっていく。
「ご主人、この世界じゃ、こんなことは起こりえるのか?」
「いやあ……僕も初めてみた……」
変化が終わったのか、光がやんだ。
一糸纏わぬ姿で地面に横たわるのは、背の半ばほどまで伸びた金髪の少女だった。
***
「随分面倒なことになったな、ご主人」
「うん、君の存在も含めてね、ロック」
どの口が言うんだこいつ、という気持ちでザナドゥはロックに言った。
最寄の集落に行くに当たって、ザナドゥたちは、簡易の人力車を作った。
隊商の馬車にに使われていた帆を流用したリヤカーである。無論、リヤカーの引き手はロックでザナドゥと少女は荷台に乗っていた。
死体の扱いは困ったものの最終的にはロックが働いて丁重に土葬した。
遺品については役所へ預けるべく回収した。
そして、幻想種から変化した少女は。
「ん……むぅ……?」
ロックによってリヤカーに乗せられていた。全裸のままというわけにも行かないので、適当な服を無理矢理着せている。
彼女の扱いについてはザナドゥたちも難儀したが、結局は連れて行くことにした。
理由は諸々あるが、一つには全裸の少女を放っておくわけにもいかんだろうという極々常識的な感覚。もう一つは、相反する放置しておくことの危険性である。
意識を取り戻して、また暴れたら事だ。しかし、だからといって見た目ただの少女を問答無用で殺すという選択肢を取れるほど、ザナドゥは冷酷にはなりきれなかったのだ。
ロックは未だこの世界については理解が足りないとして、ザナドゥに少女の処遇を一任してしまっていた。
ザナドゥは、ロックの武力については疑いようも無く信頼し始めていたので、何かあればロックにまた対応してもらおうと考えたため、少女の身柄を一時的に預かるという気になったのだった。
そもそもザナドゥにしてみればロック自身も得体の知れない輩なのである。
そんな男に信を置くのもどうかという話なのだが、ザナドゥの命令には基本的に従う従順さと時折見せる常識の無さに、ロックは少なくとも悪人の類ではないと見切りをつけたのだ。
もっとも目には目を歯には歯をを地で行く物騒な男でもあるため、不安もそれなりにあるにはあるのだが。
「あ、ロック! 女の子が目覚めるよ、準備して!」
「承知した」
リヤカーを引くのをやめ、ザナドゥを荷台から降ろし、ロックは身構えた。
「うん……ふみゅ、あれ、ここは?」
少女は寝ぼけ眼をこすりながら覚醒した。
キョロキョロと周囲を見回す様は愛らしいが、元は幻想種という怪物だった少女だ。
「ああっ! そうだ、私は……! 爺ィ! エルザ、皆は……!?」
「おい」
錯乱している少女にロックが声を掛けた。
「な、なんですか、お前は! もしやあの連中と同じ――痛っ」
「ちょっと黙れ」
ロックは弾いた指を少女の額に当てた。デコピンである。
「はううううううっ」
額を押さえてのた打ち回る少女。なんにしても騒がしい。
「ご主人、どうやらこの女、訳アリらしいぞ。しかもどうも嵌められた側の人間だ」
「うん、そのようだね、ロック」
このとき、この瞬間、ザナドゥとロックの心が始めてシンクロした。
――うわあ、超、面倒くせえ。
これが後にマイスターと呼ばれる魔道具職人と、鬼神と呼ばれる男の、最初の心の共鳴だった。
キャラクター紹介
・キサラギ=ザナドゥ
本編主人公。見目麗しい美少年。碧の髪で線が細い。着飾ればメイク無しで男の娘の出来上がりである。
ミストラルという国でも超偉い貴族の家系。ハーフエルフで純潔のハイエルフではないので、継承権は無いが特に迫害はされていないどころか、溺愛されており、それが故にミストラルを出奔する。
初回であっさり強姦されかかるとおり、微妙に世間知らず。
本人は道具職人兼商人を自称するが、超空間ボックス、禍断・雪走りといった超道具を有しており、どう考えても道具職人で治まるスケールではない。
後の伝説の職人、マイスターの若かりし頃。
・九重錠太朗
本編の主人公その2.異世界からやってきたと称する胡散臭い男。
190cmオーバーの野性味溢れる男性的な美しさを持つ男。
優れた身体能力に、高い再生能力を備え、生体電流を意図的に増幅できたりする。どう考えてもカタギの人間ではない。
行きがかりでザナドゥを助け、なぜか護衛として名乗りを上げ、そのまま強引に旅の供となる。何だコイツ。
筆者の別作品、まどろむ愚者のD世界に出てくるとあるバカと何らかの関わりがあるらしいが、物語を楽しむ上では一切関係ない。知っていてもニヤリともできない。