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私を取り巻く天使達  作者: mint
出逢い
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イヴを楽しもう!

あれ?一輝さん何処かで…





一輝さんに聞こえてしまったのか・・・?

こちらをチラリを振り向いたがすぐに前を向き直した。


――今日は柚姫ちゃんの為に取ってあげよう――


そんなやる気のある言い方をする。

胸が痛むのは事実だけど、一輝さんのその言葉に私は素直に喜ぼうと決めた。


――ぬいぐるみがいいです!――


あちらこちらのUFOキャッチャーで沢山ぬいぐるみを取ってくれた。

私は両手に抱えてお礼を言った。

一輝さんは両手に抱えたぬいぐるみを受け取ると車に置いてくるからジュースでも飲んでなよと車に向かっていった。



飲み物屋さんに行くと、カップルや若い子達が大勢いる。

その中で一人で飲むのはなんだか居づらい・・・

ジュースを飲みながら会話を思い出していた。

ぬいぐるみをあげる相手が居るのに、どうして私をデートに誘ったんだろう・・・

まさか暇つぶし?

でも今日はイブだわ。

彼女は・・・?

考えて行くうちに私の頭の中はグチャグチャになる。

向かいの席には若い女の子達が座っている。

彼女たちの会話が聞こえてきて心が痛くなった。



――そこの女の人さ、一人でお台場来てるんじゃない?――



そんな冷ややかな声が聞こえてきて、内心一輝さんが居ない事が寂しく思えた。

しばらくすると一輝さんが戻り。



――お待たせ。一人で寂しかった?――



笑いながら言うそんな彼に、そっそんな事ないですから!と強めに言ってしまった。

少し驚いた様子の一輝さんは何かあったの?と聞いてきてくれた。

子供がいじける様な内容なのに・・・



――なんでもないんですよ。そこに居た子達が、私が一人できているって笑ってたから…――

少し下を向いた顔の前にクマのストラップが現れた。

驚いて一輝さんを見ると、ニコニコ笑って見せている。



――二つ、お揃いで取ったからあげるよ――


私は嬉しくなり、いつの間に取ったのか?とか色々話を聞いていた。

でも…脳裏にはまたさっきの話が浮かんだ。

お揃いにしたら彼女に申し訳ないじゃない・・・


すると一輝さんが観覧車の待ち時間が35分になっている事を教えてくれたので行くことにした。


ふと思った・・・ 

観覧車には二人っきり・・・? 

どうしよう、なんかされたら・・・

いやそんな事する人じゃないわ…



観覧車の行列は凄かった。35分といえどこんなに行列・・・



――わぁ・・・こんなに並んでる・・・――


一輝さんはこちらを向いてすぐだから安心しなと笑っている。

少なからず楽しみにしているんだなって思えた瞬間であった。

私はふと安心?と聞き返すと、何かされるかと思った?と笑っている。

あー・・・ また馬鹿にされちゃった…



―― 一輝さん? やっぱり馬鹿にしてるでしょう!――

そんな一輝さんの体を擽ろうとしたが中々出来なかった。


待ちながら海の夜景を見る。

思わず綺麗・・・と声がでる。

会話が中々進まない・・・

私はやっぱり緊張しているみたい・・・

すると自分たちが乗る観覧車がきた。

係の人が大きな声で話している


――今夜は混んでいるので、三組の6人で乗ってもらいます――


結局、最後に乗った私と一輝さんは向かい同士の椅子に。

他のカップルは夜景をみながらコソコソ楽しく会話している。

たまに目が合い微笑んで一緒に観覧車から観える夜景を楽しんだ。


向かい合って気づいたことがあった。

一輝さんは帽子を深くかぶり、メガネをかけている。

雑貨屋さんに来ていた時はそんな格好をしては居なかった。


・・・彼女にバレない為なのかしら・・・?

変装・・・? 

考えすぎかな・・・


気づくと15分間の観覧車は下に降りてしまった。

階段を降りていくと、係の人が訪ねて来た。



――記念写真はどうですか?――



どうしようか考えている最中に一輝さんが係の人にお願いしますと話していた。

写真なんか撮ったら彼女に怪しまれるんじゃ・・・?

そんな事を思いながら写真を撮る位置に移動した。

一輝さんは写真を撮る時に帽子とメガネを外した。


いつも通りの一輝さんだ・・・



観覧車に並んでいる人がこちらを見てヒソヒソ話をしている。

なんだろう?首をかしげていると一輝さんが耳元で笑ってと声をかけた。

私たちは記念の写真を撮った。

でも、貰った写真は一枚だけ。

一輝さんはあげるよと言ってくれたので部屋に飾ろうと騒いでいた。


写真を見ながらふと思う事があった。

何処かで似たような人を見たことがある。

一輝さんじゃないんだけど似た人。


・・・誰だろう・・?


―― 一輝さんって、何処かで見たことがあるんだけど…お店に来る前に何処かで逢いましたか?――


一輝さんは笑みを浮かべ、気のせいだよ。ありきたいの顔だからだよと帽子とメガネを掛けた。





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