直人のお見合い
さっきから真剣に話をしている二人が気になる。
私たちは二人を見つめていると視線に気づいたのか手招きしている。
そそくさと二人の元に行くと椅子に座り、幸樹さんが事情を説明してくれた。
『直人の親が、そろそろ身を固めろってお見合いの写真を持ってきたらしいんだ。彼女が居ればどうにか乗り切れるだろうが、直人に彼女がいない…』
みんな困惑している…。
『今の時代にお見合いとか…直人の親はやっぱり硬い人なんだなー』
雅さんは困った感じで話している。私は4人の事を深くはしらない…聞いてもいいものか悩んだけど、誰もその事には触れないので一緒に聞いていた。
直人さんは溜息ばかりついている。私はそんな彼の肩をポンポンと叩いていた。
『まぁ、適当に彼女変わりを連れて行けば納得してくれると思うんだけど…お願い出来る子も俺の周りに居ないしな…』
何処からか一輝さんの声が聞こえた。
『柚姫を連れて行けば納得してくれるんじゃないか?一緒に住んでる事だし』
皆は一斉に私を見た。
…ちょ
『私ですか?!』
困ってるんだもん仕方ないね…。
『仲間を助けれるなら、柚姫はお供しますよ!』
そう言うと直人さんは有難う、今夜は良く眠れそうだと笑顔に戻った。
…うん、断りにいくだけだもん。特に問題はないでしょう。
雅さんは馴れ初めから考えないといけないと話しだした。こうゆう時の男って何だか言い訳をつくるのが楽しそうだ。女からすると見ていられない。一輝さんは笑っている…私は彼に向かって頬を膨らませると、口パクで馬鹿と言っている。何だか仲間を助ける事に関しては良い事だと思えるが、一輝さんの態度にはイライラする。
お手洗いにいってきますと部屋を出た。
トイレに向かいながら考えていた。
あの人は他の男に彼女って言われても良い訳?ちょっとは嫉妬とか何か励ます言葉とか口からだけでも出ないのかしら…!
丁度角を曲がった所で社長と出くわした。
『お、坂上君!さっき皆が居たから言わなかったけど、カズとは上手くいっているのか?俺だけに彼女って教えてくれたからさ』
あー…そういえば、あの時に社長だけには本当の事を話すと言っていた。
んでも、社長さんの思ってる様にそんな上手くいってませんよっ!
『あぁ…お恥ずかしながら…早々に破局ですかね?弄ばれてるみたいでよく分からないんです』
社長は笑っている、確かに若い子同士の恋愛は大人にとっては遊びみたいに思えるだろう。でも社長は考えながら話をしてくれた。
『大丈夫。あのメンバーは彼女が出来た事が無いから…どう接して良いのか分かってないんだとおもうよ。男だけにな!だから安心してアイツ等に着いていくといい』
っへ?!
『そ…それ本当ですか?!あのメンバー格好良いのに!!』
私の驚きにやはりという感じで笑っている。
ん…?てことは優子さんはただの友達?深い関係ってなんだろう?
『あの、優子さんは彼女じゃないんですか?』
そんな質問?の様に口がへの字になっているが、こっちは何もしらないから…
【あの二人は双子だから、付き合うも何もないよ】