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私を取り巻く天使達  作者: mint
夢に向かって
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ドッキリ緊張空回り!

車が地下に入り会社に到着したのだと分かった。

車が止まると皆が降りだし私も一緒に降りると…よく見るレコード会社のマークが所々に着いている。


―― ホォ…誰かに逢えるかも?! ――


そんな期待をしながら三人の後に続く…エレベーターで何となく何階になにがあるのかと見てみる。

レコーディング室以外にダンスレッスンルームやボーカルレッスンやミキシングコンソールという意味が分からない事がズラズラと書き出されている。


エレベーターを出て歩く三人には視線が熱い。

しかし後ろを金魚のフンの様に着いていく私には怪しい視線しか送られていない事に気づく。

前からみたら三人に隠れた小人の様で気づかれる事もないだろう。

とりあえず…言われたままにすればいいよね…?

もう直人さんは来ているのかな…?

色んな所をキョロキョロ見ながら歩いていると、前を歩く壁にぶつかった。


―― イタっ ――


その壁は…一輝さんだった。

一輝さんは背中を抑えながら、お前の目は何処に付いているんだ?と小声で言われた。


『す…しゅみません…』とある部屋の前に着いた様だった。

一輝さんは私に今から挨拶をするからと告げる。


『どなたに挨拶を…?』


またギロっと見られた…毎回そんな目で見ないでよ…


『社長に挨拶だ。とりあえず、俺らの歌詞書いたわけだし。今後の活動にも挨拶は必要だ』


―― はぅ… ――


雅さんは笑顔でいれば良いんだよと教えてくれたのでカチンコチンに緊張しながらも頷いた。


―― コンッコンッ ――


部屋に入った私は三人の後ろに立って隠れていた。

前の三人は普通に会話をしている…どう会話に入ればいいの…?

すると一輝さんが私を前に引っ張り出した。


―― ッヒャ! ――


そこには明らか実年齢より若く見える人が居る。

私の緊張に気づいたのか笑顔で接してくれている。

何か挨拶をしなければ…


『初めまして坂上柚姫です。よろしくお願いします』


社長は私とCrystal Roseとの関係を聞いてきた。

雅さんと幸樹さんは一輝さんを見つめ…社長はその視線を追って一輝さんを見た。

社長さんは私を見るとふと笑顔になった。


『あ~!もしかして前に話してくれた彼女か?』

一輝さんは返事をしている。社長はまだ笑っていた。


『まさか君が作曲とはね…とりあえず頑張れ』

社長とぎこちない握手をした。

心の中で笑顔を絶やすな!そんな事を自分に言い聞かせていた。


すると一輝さんが変な事を言い出した。

『社長、後で坂上に唄わせてみたいのですが…聞いて貰えますか?』



―― …!! 何を言っているのこの人は!!!!! ――



流石に社長も驚いた様子で困惑している。


『…推薦か?』

その問いに一輝さんはスラっと答えた。

『さっき車の中で唄わせたら面白かったんですよ。是非、社長に聞いて頂けたら光栄なのですが…』



っはぁ~?! 面白いて何ですか!!!!!

頭の中が煮えくり返りそうだ。今にも一輝さんを殴りたい。あ~~~~~~~殴りたい。

社長は笑いながら頷いていた。


ちょっと社長さん!?

頷いたらダメでしょう!!

そんなやり取りが続きながらも部屋を出た。


レコーディング室に向かう。

前に居る奴に殴りかかりたい思いを押しつぶして我慢する。

その後ろ姿に声を掛けた。


『ちょっと一輝さん。面白いって何ですか?!そんなに馬鹿にするくらい下手でしたか?!』

振り返る彼はフと笑った。


嫌味な奴だ!!!!!!!!!

他の二人も笑ってる…どうゆう事なのよ!!!!!!



レコーディングスタジオに入ると既に直人さんが来ていた。

その他にも色んな人自分の仕事である事をしていた。


『うわ~… 機材が沢山… いじったら怖い… いじれない!』

雅さんに言われた様に笑顔で挨拶した。



『今回、作詞をさせていただいた坂上です。見学させていただきますよろしくお願いします』

スタッフさんは皆笑顔だった。

スタッフの方とソファーに腰掛けるとテーブルに私の書いた歌詞が置かれていた。


こないだの曲か。…ん?…これは?


私はその紙を見て愕然とした。

そこに書かれていた物は私が幸せに満ちて書いた詩だ…

恐る恐る横のスタッフさんに聞くと目を丸くされた。



『え?君が作詞でカズさんが作曲でしょ?二枚同時に作詞とかすごいね~』



…。



四人を目で探すとガラス越しに準備をしている姿を見つけた。

硝子越しに紙を貼り付けどうゆう事?!と文句を言った。

ガラスの向こうでは笑っている…知らなかったのは私だけの様子だ。


すると何処からか声がした。ガラス越しのマイクからだ。


『お前、うるさい。黙って見てろよ』


もう今更しょうがない…文句は後で十分言ってやろう。

脱力しながらソファーに座る。



……しばらくすると音楽が聞こえてきた。



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