この気落ち…分かりますか?
お台場までのドライブが始まった。
車の中で流れる洋楽を聞きながら流れる風景を楽しんだ。
ふと一輝さんの運転姿を横目に見る。
ギアを変える左手も…運転する表情も真剣だった。
雑貨屋で楽しく話していた時の姿とは裏腹な表情で胸が余計締め付けられる想いになった。
そんな胸に手を当てていると、視線に気づいていたのか一輝さんが問いかけてきた。
――柚姫ちゃん、どうして俺とデートをしてくれるって決めたの?――
その問いに悩んでしまった。
心の中で自分に問いかけてもどうしてだろうという心の返事しかない。
本当は家でぬいぐるみと過ごす予定だったんだよね・・・
こんな感情は初めてだからよく分からない。
私は逆に一輝さんに聞いてみた。
――一輝さんと話していたら、毎日が楽しいんです。
逢えた日は寝るまで胸がドキドキしていて、逢えなかった時は何故か胸が苦しくて
私の心の中では晴れのひもあれば雨の日もあるようです。
ただ、一輝さんの姿を見ていると幸せな気分になるんです――
そう言うと一輝さんは横目にニコリと笑った。
――こうゆう感情が初めてなので…よく分からないんです。一輝さんはわかりますか?――
それを聞いた一輝さんは私を横目に微笑んでいる。
なんだか、経験の差があるからなのか?
馬鹿にされているみたい・・・
私は少し頬を膨らませて一輝さんを横目に見た。
運転しながら一輝さんは口を開いた。
――答えは知っているけれど、教えられないな――
ふざけた感じの一輝さんはどこか照れている感じがした。
そこからは何故か自然に会話が出来るようになった。
お店にいる時より楽しくそして無邪気な会話だ。
今日の私の心は晴れの様子だ。
一輝さんは色んな話をしてくれ私も話をした。
お台場までに一時間の間、私と一輝さんの距離が少し近くなったように感じた。