私は夢遊病?
夢の中で誰かに包まれている夢を見た。
それは優しい香りも良い…幸せな気分。
ん? 誰かが話をしている。
誰だろう…?
朝になり日の光で目が覚めた。
…此処は私の部屋じゃないと思い横を見ると雅さんが寝ている!
―― ッヒ ――
驚いて反対を向くと幸喜さんが寝ているではないか!
―― キャッ ――
状況が把握出来ずにその場に固まっていた。
綺麗な肌…と思わず顔を触ってみた。
『ツルツルしている…』
幸喜さんが目を覚ましていた。気づかずに唇を指でなぞっている私を見つめていた。
急に指を噛まれた。
―― ワッ! ――
凄く驚き目を合わせる。
『おっおはようございます…』
すると後ろから雅さんに抱き締めらる。
って…
『あの、此処どこですか!!!私はなんで此処にいるんですか!!!!』
幸樹さんはあれー?というような顔をしている。
『一緒に寝たいっていうから部屋に招いたら、雅が嗅ぎつけて三人で寝たんだよ?』
…へ?
私が自分で言ったの…?
『え? 私がですか? まさかそんなはずは…』
二人は私が固まっている間に二人はケラケラ笑っている。
『まるで幽霊事件の再犯だな』
『ハニーが枕抱えて来て一緒に寝るっていうから~!』
…そんなギャル系の喋り方しなくていいのに。
自分の行動が信じられずに部屋を出て階段を降りる。
―― マズイ ――
一輝さんと鉢合わせ…
『あ、昨日はすいませんでした。枕お返しします…』
枕を渡して部屋に入り一呼吸…
そんなわけないよ~…
絶対ないってー… はぁ…
繰り返し自分に言い聞かせてキッチンに降りる。
まだ、仁美さんと一輝さんだけだった。
『一輝さん?昨日は眠れました…?』
『お前、何処まで覚えている?』
『一輝さんに抱きついてたくらい…?』
ふーんみたいな冷静な視線で私を見る。
『っていうか、なんで朝上から降りてきたんだ?』
戸惑いながらとがっくりして一輝さんの肩に寄りかかる。
いつも邪魔とか重いとか言うのに何も言わない…
『幽霊事件再犯…?』
そう言いながら一輝さんに泣きついた。
『お前…また何かやらかしたな?』
頭をガクリと落としリビングのソファーに座る…
テレビで今日は大雨らしい。
確かにかなり降っている…
―― ドタドタドタ ――
雅さんが笑いながら降りてきて騒いでいる。
『ハニーが幽霊事件の再犯で僕に捕まりまーす』
それを聞くと一輝さんは不機嫌そうにしている。
そんな…
自分から一緒にって…
そんな事あるの…?
『ちょっと待って下さい!本当の事を教えて下さいよー!!』
水を飲みながら笑われるだけ…
あれは事実なのか…
落ち込んでソファーに横になる。
幸喜さんが降りてきて
『幽霊事件再犯は冗談だよ。気を落とすな』
驚いて体を起こした。
『え?!』
『リビングで枕抱えて寝ていたから、寒そうで俺の部屋に連れて行ったら…雅も一緒にってうるさいからあんな状況に』
私は溜め息をつき
『私の部屋に置いておけばいいじゃないですかー…』
『でも、なんでリビングで寝ていたの?』
『夢遊病かな?』
一輝さんがふと呟いた。
『…何時にもなってもお前は危険人物だ』
あははは…苦笑いするしかなかった。