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私を取り巻く天使達  作者: mint
出逢い
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12月24日

イルミネーションの中に君を見つけた。


今年のクリスマスイブが訪れた。


街のイルミネーションは一際輝きを見せている。

私の働くお店もそうだが、色んな所でクリスマスソングが流れている。

お店の中はカップルだらけ…女の子が男の子にこれが良い!

笑顔で会話をしていたり華やかな日だな…と思いながらも

梱包係でお昼前にはお店の裏で作業をしだした。

浮かれているカップルを目にしないだけましなのだろう…

こんなにプレゼント交換をしなくてもいいのに!と内心はウンザリしていた。

だが、仕事は別だ。

記念のプレゼントになるのだから丁寧にラッピングをしていく。

その忙しい中で私の手が止まった。



――あ… 彼に教えた私のお気に入りのぬいぐるみだ…この子も貰われていくのね…――


寂しい気分ではあるが、仕事だから仕方がない。

むしろ私が気に入っている物を他の人も同じ気持ちでいてくれる事が嬉しい。


――クマさんとはお別れだから、綺麗にラッピングしてあげないとね――


そんな小声でクマのぬいぐるみに話かけ作業を続けた。

お店の閉店は夜の19時。

店長さんが気を使ってくれ、私を含めた店員に早上がりしてもいいのよ?と声をかけている。

何人かは約束があるので…と帰っていったが、私は笑った。


――私は家でぬいぐるみが待ってるので急ぎませんよ――


私の笑顔に気を使ったのかわからないが店長は仲間ねといって笑ってくれた。

店長と二人で片付けをしていると、ふと声を掛けられた。


――柚姫ちゃん?女二人で綺麗なイルミネーションを観てさ…美味しいご飯でも食べにいかない?――


片付けながら考えていた。

今日はあの男性に会えていないから少し寂しい気分になっている。

こんな状態で楽しめないかな…。

店長のお誘いを断ってお店のシャッターを閉めた。

家路に急いだがふと足を止めた。


――どうせならカップルが居ても良い!!綺麗なイルミネーションを観に行こう――


なんとなく街に向けて足を逆方向に動かしだした。

街の中はカップルに友達同士など、ワイワイとしている。

一人だけどお店を眺めながら楽しんでいる。

そしていつものイルミネーションの前に着いた。


――1人で観るイルミネーションも中々良いわ…なんだか寂しくない――


そんな事を考えイルミネーションを眺めていると自然に自分の世界に入り込んでいた。


次第にどこからか声が聞こえてくる…。

あぁ、またカップルの待ち合わせの声か…

すると、私の肩に手が乗った。

私は驚いて後ろを振り向いた  …そこには私が一番逢いたかった男性が居た。


――柚姫ゆずきちゃん! 此処に居たんだね… 逢えないかと思った…――


ん?どうゆう事?  会う約束も何もしてないのに…

私の頭は全然整理がつかず、キョトンとした目をしているだろう。


――あの… 何故、私が此処に居るって分かったんですか?――


これは自然に口からでた言葉だった。

彼は笑みを浮かべ私の横に腰をかけた。

話し出すのを待っていたけど…中々話し出さない

…ふと彼を見ると目が合い、男性は笑っている。


――実はね? 前にこのイルミネーションを観ていたら、柚姫ちゃんを見つけたんだ。

お店にいる時とはイメージが違ってさ… 気づいたら余計あのお店に通うようになってたんだ。

今日はどうしても逢いたくて、でもお店に顔を出したけど柚姫ちゃんはいなかったから…

前に見かけた此処で待っていれば逢えるかなって思って待ってたんだ――


なんとなく納得・・・。

ん? 

待って待って? 

あの時に目が合った男性は彼だったの?!

驚きながらも笑顔で言われたセリフに心がドキドキが止まらない。

何を言いだしたらいいのかわからず…いつもの接客業スタイルで話しかけてしまった。


――今日はどうしたんですか?――


彼は笑いながら首を振り、降参したかのように私の前に物を差し出した。

その物を手に取った時にすぐに中身が分かった。


――あの… なんでこれを…――


その物は私が大事にラッピングをしてお別れをしたクマのぬいぐるみだったからである。

開ける事もなく、自分がまさか貰えるとは思っていなかった驚きで彼を見つめた。


――柚姫ちゃんが、前からお店にいるのは知っていたんだ。

初めは元気な子なんだなって思っていたんだけど気づいたら目で追ってたんだ――


その言葉に私は顔が火照っているに違いない。

こうゆう場合はなんて言ったら良いんだろう。

私も彼を気になっていました。そんなストレートな事なんて言えるわけがない…

困っているのを察したのか、彼がイルミネーションを眺めながら口を開いた。


――此処で見つけた時に話しかけようかと思ったんだけど

お店に通っても中々相手にされなかったから… 話しかけたら驚くと思ってやめたんだ――


男性は微笑みながら気づかなかったでしょ?と私に聞いてきた。

私は本当に気づかなかった。

もっと早く気づけば良かった…そう思ったがコクリと頷いた。


――イルミネーションの中に居る柚姫ちゃんはね、いつも素敵なのに余計素敵でね…――


えぇ・・・ 

私は人生でそんな言葉を言われたことが一度たりともない。

だから本音なのか建前なのかわからないが、気になる彼が私に向けて発した言葉に変わりがないという事実。

驚きの連続…

それに… それに… 

逢いたかった彼が横に居る。

放心状態で息が出来ない。

今の状態が現実なのか夢なのかわからない…

目のやり場も困ってしまい、きっと私の頬は真っ赤に染まっているだろう。


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