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私を取り巻く天使達  作者: mint
避難所は大きな家
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頭を撫でる理由



すると、雅さんが声をかけてきた。



『あいつの部屋で何してたの?』



ニコニコ笑う雅さんは私の顔を覗き込む。

胸のドキドキが収まらない・・・



『あっ! 作戦会議をしてたんですよ』

雅さんはなるほど!と頷いた。



『これからどうするか…家に泊まるでしょ?まさか、明日帰るとか言わないでよ!』



笑顔で一輝さんの部屋に入っていった。

私はその後ろ姿を見送りながらため息を付きながら部屋に戻った。

部屋を見渡すと部屋にシャワー室がある… トイレも… なんて豪華な家なんだろう…



とりあえず、シャワーに入りたいけど着替えがない…

お手伝いさんは女性の方だから、洋服を貸してもらえるかも…

私は部屋を出てリビングに降りた。



キッチンにはお手伝いさんが居た。



『あの…すいません』



お手伝いさんは優しい人だった。



『あ、一輝くんのお友達ね?宜しくね。どうしたの?』



私は自分は何も持ってきてないという恥ずかしさでモジモジしながらも同性として話をした。



『シャワーに入りたいんですけど、着替えを持ってきてなくて…』



キッチンに一緒に居た幸樹こうきさんが俺のパジャマ貸すよと部屋へ行った。

お手伝いさんは楽しそうに話しだした。



『此処のメンバーはみんな仲が良くて同級生なのよ。私は仁美ひとみって呼んでくれれば良いからね』



水を飲みながら驚いてしまった。

人気グループだし、みんな格好良いから色んなところから集まってきたのかと思っていた・・・



『同級生ですかー?!知らなかった…』



その後も仁美ひとみさんは色々教えてくれた。



『女の子が来るとしたら、優子ゆうこちゃんに美月みずきちゃんくらいかな』



優子…

美月…?




『優子ちゃんは一輝くんにくっついていてね…まあ詳しい事は言えないけど。家族みたいな感じかな?』



家族…? 余計ごちゃごちゃ… 親しいってことか…



『それで仁美さん。 美月って子はどんな方なんですか?』



ついつい聞き出そうとしてしまう

その時に幸樹こうきさんがパジャマを持って降りてきた。



『美月は中学の時からの同級生。クラブが一緒でね。てかあいつは男好き?まあ、目当ては雅だな。まったく27になって男を追っかける何て呆れるよ。女には冷たいから…』



忠告の様なものを受け?パジャマを貸してくれた。



『わざわざ有難うございます』



頭を下げてお礼をすると幸樹さんもまた頭を撫でた。


私は程々に呆れてしまった。

どうやら、この家の人たちは犬が好きらしい。



『もう!此処の人達は私を犬扱いですか!』



頬を膨らませた。

仁美さんは笑っていたが、幸樹さんは驚いていた。



『あいつら柚姫ちゃんの頭を撫でるの?』



『そうですよ。皆さんは犬がお好きな様子で』



すると、幸樹さんは考えながらまた私の頭を撫でた。



『頭を撫でるのは、犬…んー犬のように可愛いからかな?』



馬鹿笑いしている幸樹さんに向かって笑顔で返事をした。



『犬の私はシャワーに入りますよ』

頬を膨らませてにこりと階段を登った。



部屋に戻ろうとした時に仁美さんが呼んでいる。



『あ、柚姫ちゃん?着替えがないなら明日一緒に買いに行く?』



久しぶりの買い物かも…是非、ご一緒にお願いしますと部屋に戻った。

部屋の中を色々覗いて早速、シャワーを浴びる。



『今日は色々あったな…此処まで来ちゃって良かったのかな』




あれよこれよと小声で独り言を話していると部屋の開く音がした。

ん? 誰だろう…

でもシャワー浴びているから覗けない。

シャワーを出ると誰も居なかった。

部屋を見渡すとベットの横のテーブルにくまの置物が置いてあった。

思わずクマさんだ!可愛い!と声をあげた喜んでしまった。





<部屋の外では一輝が私の声を聞いて笑って部屋に戻った>




一輝さんかな…?

クマ好きなの知っているのは一輝さんだけだし…

でも、さっきの事があるから恥ずかしくて部屋に行けないな。

お礼は明日にでも言えば良いかな…とベットに入る。




今日の出来事を思い返しながら布団に包まると、いつの間にか寝てしまった。

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