25年の中で1番幸せ
一輝のバックから飛び出していた本を勝手に読んでしまう。
しかし、そこには優しさが込められていた。
――でも、凄く感動しました。詩の世界に吸い込まれて…切ない恋をしているんですか?
こんな切ない恋の詩を読んだことなくて・・・――
私は本を抱えながら、自分の過去を思い出し涙が出そうになった。
一輝さんは私の横に座り、詩とかに興味はないの?と聞かれた。
自分はこんなに素敵なものをかける自信がない・・・
うまく言葉がでず・・・
あんまりテレビを見ないので・・・詳しく分からないんです。
海を眺めながら一輝さんは・・・
――じゃぁ・・ 俺の事しらないはずだね――
ん?
どうゆう意味?
テレビに出ている人なの?
そんな・・・ まさか一輝さんが・・・?
――本を出版しているんですか? 有名な詩人さん?――
すると考えこんでいるのが伝わったのか一輝さんの手が私の頭に乗った。
思わず驚いたけど、あんまりにも優しい眼差しだから
――深く考えないでいいよ・・・――
また一つ一輝さんの事をしれてドキドキした。
すると一輝さんはノートをバックに戻し時計を見ていた。
――もうこんな時間だ。そろそろ帰らなくて大丈夫?――
気づくと24時を回っていた。
――そろそろ帰らないといけないですね。明日も仕事です――
一輝さんは夕方からだよと笑う。私と一輝さんは車へ向かった。
その時、観覧車はイルミネーションを消して暗闇の中に姿を隠していた。
今日のお礼を言おうと思い、口を開いたら一輝さんが話し出した。
――今日はありがとう。楽しかったよ、また一緒に出かけてくれる?――
私はまた一輝さんに逢えると思い。
――私でよければ是非、誘ってください――
二人でニコニコして歩いた。
帰りの車の中でも楽しく話が出来て、とても幸せだった。
25年間生きてきて、一番うれしいイヴだった。
■それが一枚の写真によって、これから私たちに試練が訪れることもしらず■