第16話:彼を知る者
第16話:彼を知る者
───AUP内、ある場所──────────
窓からパーク全体を見下せる部屋に、一人の男性が立っていた。
「それで、間違いないのか」
側には背の低い女性が立ち、問いに答える。
「はい。あなた様が用意したトラブルも、すべてクリアしておりました」
男性は続けて確認する。
「何か、我々の求めるものと思しき発言はなかったか?」
「一つだけございます。少し呆然としましたが、間違いないかと」
「何と?」
「彼は一言、“勘は当たる”と」
「“勘”か……」
女性が提案する。
「何か探りを入れるべきでしょうか?」
男性は首を振った。
「いや、それならすでに手を回してある」
「かしこまりました」
男性はさらに指示を出す。
「君は引き続き、彼女の方だけ頼んだ。もうすぐ帰ってくるころだろう」
「かしこまりました。では私はこれにて失礼致します」
「あぁ……そうだ。黒服については調査しなくていい」
「何かわかったのですか?」
「あぁ。だがそれは君が知る必要はないことだ。下がって良い」
「はい。失礼しました」
女性は丁寧にお辞儀をし、部屋を後にした。
男性は一人、窓の外を見つめながら呟いた。
「“勘”……か。まさか理解していないとは……。まぁいいか。その力は我々が有意義に使ってみせるさ」
そして手元から1枚の写真を取り出し、じっと見つめる。
「その力は君の手には余る……七国遊人」




