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AUPへようこそ  作者: 谷中シノン


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まえがき

まえがき


『アレックス・ユニバース・パーク(Alex Universe Park)』

 ──通称 AUPエー・ユー・ピー


 人によっては「エーアップ」と呼ぶ人もいる。

 ここは、西日本最大級を誇るテーマパークであり、七つの異なる世界観のエリアで構成されている。


 “アレックス”はフランス語の ALLEZ(行く)と、無数の答えを示す “X” を組み合わせた造語だ。

 「さまざまな場所へ行く」という意味が込められている。


 “ユニバース”はその名の通り「世界」を意味し、映画や物語でよく耳にするあの響きが採用された。


 つまり、この場所は──

『色々な世界を旅することができるテーマパーク』

 そのコンセプトのもと、七つの世界がパークの中心から枝分かれするように広がっている。

 中央のシンボルは大きな時計塔と噴水広場。

 そこから左回りに「恐竜」「戦国」「宇宙」「未来」「魔法」「アニメ」「ゲーム」のエリアが並ぶ。


 配置にも意味がある。

 恐竜時代から戦国へ、さらに文明が宇宙へと進み、未来の世界へ。やがて人類は魔法を手にし、次元を越えてアニメとゲームの世界へ旅立つ──そんな“進化の物語”を描いた順路だ。


 それぞれのエリアには、アトラクションやショップ、キャラクターが暮らす建物、飲食店、そしてフォトスポットが点在している。エリア同士も橋で繋がり、世界観に合わせたデザインが施されているため、日々SNS映えを狙う来園者で賑わっている。


 一つのエリアだけでも十分な広さがあるため、一日ですべてを遊び尽くすのはほぼ不可能。

 閑散期に効率よく回っても半分が限界だろう。だからこそ、遠方から訪れる初来園者は、一泊または二泊を前提に計画を立てることが多い。


 ──さて、「遊園地」や「テーマパーク」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろう。

 アトラクション、エンターテイナーの華やかなパフォーマンス、子ども時代の思い出、恋人や家族との記念日、気分転換のための年間パスポート──答えは人それぞれだ。


 AUPでは来園者を“フレンズ”と呼ぶ。もし10万人のフレンズがいれば、10万通りの楽しみ方と想いがある。ひとつとして同じものはない。

 それは、このパークで働く“ワールドスタッフ(略してワースタ)”も同じだ。


 胸に抱く理由や夢は違っても、ここで生き生きと働き、笑顔を届けている。


 日々の仕事は、表面上は同じことの繰り返しかもしれない。

 だが、同じ景色や同じ感動は二度と訪れない。出会いは毎回新しく、そのたびに新しい気持ちが生まれる。


 時には予測不能な出来事も起きる。いや、もしかしたらもう始まっているのかもしれない。


 未来は誰にもわからない──たとえ結果を知っていても、その過程を正しく辿れるとは限らないのだ。


 今日も、どんなフレンズが訪れるのだろう。

 どんな想いと笑顔に出会えるのだろう。


 ワースタたちは、元気な声を届けることから一日を始める。


 これは、僕たちがAUPを変えていく物語。


──ようこそ、

アレックス・ユニバース・パーク ─AUP─ へ!

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