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第7話 染まる大地

 《北海道》

 真っ直ぐ伸びた道路、その周りは延々と広大な畑が広がる、のんびりとした風景

 だが、次の瞬間、そんな風景に

『ボンッ!』

 爆発と黒煙が立つ

『ボンボンボンボン…!』

 次々と砲弾の装填と砲撃を繰り返す無数の81㎜迫撃砲

 畑の至る所に着弾して、黒煙がのぼ

 しかし、次の瞬間であった

『ボンッ!!』

 迫撃砲を放っていた自衛隊員達に、何かしらの反撃の砲撃が降り注ぐ


 砲撃に巻き込まれて、倒れた自衛隊員達

 煙が晴れてくると、そこにあったのは、直径30㎝程の岩の塊であった

「撃つのを止めるな!!」

 自衛隊員の一人がそう叫ぶ

 だが

『ブシュッ!!』

 そう叫んだ自衛隊員の頭部が、飛んできた岩の塊を食らい、吹き飛ぶのだった

「ウオオオ!!」

 そして、戦場に遠吠えのような唸り声が響き渡る

 すると、地平線の向こうから、超生類ちょうせいるいの大群が攻めてくるのであった


 自動小銃を放ち、迎え撃つ自衛隊員達

 しかし、ヒグマの超生類ちょうせいるいは歩みを止める事は無く、自衛隊員の顔面を掴み、そのまま地面に叩き付けたり、引っ掻いて薙ぎ倒していき、迫り来るのだった

「撃て!

 撃て!!」

 自衛隊員はそう叫び、発砲を促す

 そして、銃口を向ける自衛隊員達

 しかし

『シャキン…!』

「!?」

 銃身が、何かで鋭利に切り落とされる

 更に次の瞬間

『プシュッ…!』

 自衛隊員達の身体も斬り付けられ、鮮血が吹き出るのだった


 倒れていく自衛隊員達を背に、そこには、日本刀を持ったキタキツネの超生類ちょうせいるいが立っていた

 キタキツネの超生類ちょうせいるいは、日本刀に付いた血を振って払う

 そして、北キタキツネの超生類ちょうせいるいは、他の自衛隊員達の方を睨み、そのまま勢いよく迫っていくのだった

『シャン!

 シャン!

 シャン!!』

 キタキツネの超生類ちょうせいるいは駆けながら、日本刀を右に左に振り切り、自衛隊員達の腹部を切り裂いていく


 《同時刻》

 後方の司令拠点

「前線が押されています…

 小銃小隊及び迫撃砲小隊、ほとんど小隊が後退しつつあります…!」

 自衛隊員の一人が報告する

「ッ…!」

 司令官らしき自衛隊員は、険しい表情を浮かべる

「こうなれば、戦車連隊や高射連隊を前線に出しましょう…!」

 と別の自衛隊員の一人は、提案する

 だが

「それはダメだ…!

 それらも遣られた場合、我々はこの大地さえも捨てなければならなくなる…!」

 と司令官らしき自衛隊員は、答えた

「では、どうしますか…?」

「防衛ラインを後退…

 そこで、部隊を再編成する…!

 それと、対戦車用重火器の配置も急げ…!」

「承知しました…!」


 《同時刻》

 再び、戦場の最前線

 自動小銃を連射する自衛隊員

 しかし

『グサッ!!』

 鋭い鉤爪によって、斬り付けられる

 膝から崩れ落ちる自衛隊員

「ハアハア…

 どこに居る、ララン、ラタ…」

 全身を返り血で染めたヒグマの超生類ちょうせいるいのドズは、呟く

 すると

「ドズ、一人で突っ込み過ぎだ…!」

 別のヒグマの超生類ちょうせいるいが言う

「だが…!」

「ドズ、お前の気持ちも分かる…!

 しかし…!

 これは俺達の戦争でもあるんだ…!!」

 と別のヒグマの超生類ちょうせいるいは言うのだった

 だが、そんな時であった

『ヒュン!

 ドゥンッ!!』

 突如、低軌道で飛んできた誘導弾が、ドズ達を襲う

 そして、それ皮切りに、次々と低軌道で飛んでくる誘導弾

『ドゥンッ!

 ドゥンッ!

 ドゥンッ!!』

 辺り一帯が黒煙に包まれる

 しかし、黒煙が晴れてくると、そこにあったのは、岩で出来た壁であった

 その岩の壁が、誘導弾の攻撃を防いでいた

『ズシン…』

 ゆっくりと崩れ落ちる岩の壁

 岩の壁の向こう側から姿を現したドズ達は、無傷であった

 そして、次の瞬間

「ウオオオ!!」

 ドズは雄叫びを上げながら、右足を一歩、踏み出した

 すると

『ドン!

 ドン!

 ドン!!』

 地面から岩の塊が、次々と至る所から突き出してきて、自衛隊員達に襲い掛かる

 自衛隊員達は岩の塊に吹き飛ばされたり、鋭利に尖った岩の塊に、身体を貫かれるのだった

「ふざけるなよ、人間共が…!!」

 とドズは、そう叫んだ


 《その日、北海道の大地は、真っ赤な血の色に染まるのだった…》


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