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*Twitter* 【#140字小説】

*Twitter*【#140字小説】No.141~150

作者: july❀

No.141【#知らない方が良いこともある】


「秋だねぇ~」窓の外から鳴る鈴虫の風鈴。「あきだねぇ~」あぐらに乗せた幼い娘が真似をする。「綺麗に響くね~」「ひびくね~」膝のタブレットを覗くと「ゴキブリ!?気持ち悪い!」鈴虫の画像を検索してた。ゴキブリじゃないし、5歳の子がタブレットを操作することに、パパは反対派になろうかな!



No.142【#肉食獣】


飢えている。飢えた野獣だ。俺は走った。標的に向けて走った。アドレナリンが放出された今の俺の牙は、赤く滴る血液にうずく。ガルルルー。じっくりと仕留めてやるからな。肉塊を掴む手が、高ぶりすぎて震えてやがる。健康診断が終わったんすよ。今夜は、待ちに待ちに待ちに待ったステーキだぁガルル!



No.143【#苦楽の中間】


ポタ…ポタ…ポタリ、雫が白に染み込む。「や、泣くくらいなら」「だって昨日勉強しようと思ったのに色んなことが気になって考え出したら疲れちゃって暗記する前に少し休もうと思って気づいたら寝ちゃって朝になってて全然答えわかんないし」そんな言い訳する時間で「とりあえず答案用紙埋めようか…」



No.144【#変化】


祖母は漬物を茶うけに緑茶をすする。「つなぎ着て、農作業でもするの?」「ママ、“つなぎ”って何?」母は和菓子を食べながら茶をすする。「あぁ、“オーバーオール”のことよ。」娘は菓子を頬張りながらグリーンティーを飲む。「あっ!“サロペット”ね!」次世代では何と呼ぶのか、と爺は緑茶割りを嗜む。



No.145【#パレイドリア現象】

https://youtu.be/BIKq7j-lQCs?si=C189OhQkxsZLNYGn


日曜日、窓からぼんやり見る青空には、雲がもくもく広がっている。あの雲はソフトクリームみたい。あれはフライドチキンかな。あれなんて、まるでプリンタルト。いかんダメよ!執着する食欲雲をかき消し、今日もヘルシー和食をいただこう。雲行きが怪しい。ザーザーと降る雨。パスタ…ラーメン。限界。



No.146【#シミュラクラ現象】

https://youtu.be/Y9i6d49EjV8?si=T7UI6mDDea-8KijJ


「俺、爺さんに何か怨まれてるのかな?」夫が壁に着目している。「お彼岸にお墓参り行ったのに?」「この壁のシミ…だんだん濃くなってないか?爺さんの顔に見えるんだ。」「そう?私には、猿にしか見えないけど?」「おい、爺さんに失礼だぞ。」「そう思ってるあんたの方が失礼だわ。」怨まれて当然。



No.147【#この国の働き方 #餅が焼ける】


憎たらしい。ピンクのキラキラマスクなんて、若い子でもあるまいし。バカみたい。「男性陣は随分ウブなのね」嫌みのひとつも言ってやりたい。嫉妬してるってわかってる。本当は私も可愛いマスクつけてチヤホヤされてみたい。だから上司に頼んでピンクのマスクをやめさせた。私のように地味でいなさい。



No.148【#この国の働き方 #世話が焼ける】


ピンクのマスクからキラキラ輝く瞳に吸い込まれる。君は太陽のように職場を明るく照らすよな…と思ってたら、不織布の上に並ぶ目つき。何があったか簡単に想像できる。そのマスクの中で、口をすぼませてふてくされてんだろうな。まったく、ヤキモチ焼く暇あったら世話を焼けってな。「白も似合うな!」



No.149【#この国の働き方 #言えなき子】


もう、うんざり。マスクにパンプスのヒール音の注意。そんなのを気にする殿方のせいで、買い換えなきゃいけない私のことなんて、誰もおかまいなし。「変えさせてやった」とご満悦で、さぞ気分がよろしいことでしょう。私は毎月カツカツでやってるっていうのに。べつにいいけど、嫉妬するなら買ってくれ。



No.150【#おまえが誰だよ】


「おまえ、誰だよ?」何この態度。僕は揉め事は苦手だ。でも…「や、そういう聞き方はどうかと」「あぁ!?」や、だって…「掛けてきたの、そちらですよね?」「あぁん?だから出前の注文だっつってんだろ!?」「だから間違い電話」「早く言えよ」プツップープー…はぁあ!?お詫びに牛丼出前しろや!

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