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私は魔導図書館の司書です。  作者: 黒銘菓
魔導司書の督促は比喩無しに命がけ

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13/15

マープルさんと督促に行こう5

 魔導書は素晴らしいものだと思う。

 時に世界を豊かに、時に友人や家族に温もりを与え、時に人の命を救う。

 けれど時に悲劇を起こす恐ろしいものだ。


 何が起きているかすぐに解った、魔導書の暴走だ。

 魔導書を正しく扱わなかったり、破損した状態で使ったり、そもそも制御が出来ないと、魔導書が暴走する。

 その魔導書が持つ力が歪んだ形で発揮され、人や世界に害を成す。

 「普通の図書館と違って、魔導図書館の延滞の理由には『魔導書の暴走』というものがあるわ。

 私達魔導司書がこうして直に出向いて魔導書を返却してもらう理由の一つが、これね!」

 扉から飛び出した蛸の足が二本、三本、四本と増えていく。

 蛸の足と言っても、大人の胴体くらいの太さはある。もしあんなものに首を絞められたら命は無い。

 「ごめんなさいね、強引に迫られるのはあまり得意じゃないの。」

 マープルさんが魔導書を取り出した。

『紅蓮の吐息は真白に染まり 貴方を釘付けにする

 貴方の心は私のもの

 貴方の情熱は私のもの

 貴方の時計の針を止めて

 貴方を私のものにして』

 ページが風も無いのにパラパラとめくれて、魔導書の中から凍り付く嵐が現れる。

 蛸の足がそれに気付いたかのように一瞬だけ止まって、マープルさんに殺到した。

 でももう遅い。マープルさんは魔導司書だ。

 「今度はもっと、紳士的に口説いて頂戴ね。」

 扉から飛び出してきた足が真っ白に凍り付いていた。

 寒気がした。

 「寒かった?ごめんなさいね、この手の魔法はあまり得意じゃないの。」

 「だ、大丈夫です。」

 寒気がしたのは嵐がここまで来たからじゃない。

 私は一切動いていないし、冷たい風は私のところに全然来ていなかった。


 魔導書の使用は使い手の力を増幅する。

 でも、増幅方法は他にもある。それが詠唱だ。

 詠唱が無くても魔導書が無くても魔法は使える。けれど、それらが有るか無いかで精度も出力も全く違ってくる。


 マープルさんはすごい。


 蛸を冷凍するくらいなら、私にも出来る。

 けど、蛸の足だけを狙って凍らせるのは、今の私には出来ない。

 家も、庭の芝生も、霜一つ付いていない。キレイに、蛸の足だけが凍り付いていた。

 魔導書や詠唱は増幅するだけで、最後のコントロールは本人に委ねられる。

 これで『得意じゃない』なら、得意な魔法はどうなるんだろう?

 「ただでさえ魔導書が暴走しているのに、それに加えて私達が暴れて家を散らかしたら、後片付けがもっと大変になるわ。

 だから、私達は先の事を考えて、魔導書に向き合う必要があるのよ。」

 私の考えを見透かした様に、マープルさんは笑っていた。

 「さぁ、借りていた人を探して、返却をしてもらいましょう。

 ごめんくださーい、魔導図書館の者です。」

 そう言いながら軽々と凍った蛸の足を退けて家に入っていった。




 マープルさんの得意魔法は後でご紹介します。

 今回は真面目にキャラクターシートも作ったので、司書さん達のプロフィールも後程。

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