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ゲームのやりすぎでアウトドアな幼馴染に愛想を尽かされたインドアな俺、謝りに行ったはずがなぜか流れでプロポーズしてしまう。

作者: viru

「男子ってほんと最低だよねー」


 梨穂子(りほこ)が話しかけてくる。


 勝手に部屋へ上がり込んで、人のベッドでみかん食べてるのも幼馴染だろうと最低だと思う。


「今日クラスの祐美(ゆみ)ちゃんがさぁ……」


 梨穂子は話を続ける。

 ゲームに集中してるからあとにしてほしい。


「……で、そこで先生が来て、男子がみんな大慌て!」


 このゲームは今流行りのApex(エーペックス)。FPSバトルロワイヤルだ。

 最近これにハマっていて、夜遅くまで友達と通話しながらプレイしている。

 依存症といって差し支えない。


「……で、祐美ちゃんは泣き出しちゃうし……って、優希(ゆうき)、聞いてるの?」


「うん」


「でね、そこで私が言ってやったのよ。『あなたたち、高校生にもなってそんなことしてて恥ずかしくないの?』って。いくら悪気がなくたって、人の大切なものをばかにするのって最低よ! そう思わない?」


「うん」


「ねぇ、ほんとに聞いてる?」


「うん」


 頼む! 今いいところなんだ! 黙っててくれ!


「1+1は?」


「うん」


「…………って、聞いてないじゃないのーーーーー!!!!」


「あ!」


 梨穂子が大声を出すので手元が狂う。


 画面には「全滅」の文字。

 やられてしまった……。


「おい! お前のせいで負けちまっただろうが!」


 つい怒鳴り声を上げてしまう。しかし、梨穂子は毅然とした態度だ。


「高校生にもなってゲームなんてしちゃって!! ばっかじゃないの!」


 俺の部屋のドアをドンと音を立てるように閉め、そそくさと家から出て行ってしまった。


 人の大切なものをばかにしてるのはお前じゃないか!!



      *  *  *  *  *



 梨穂子はアウトドア女子だ。キャンプ、登山、BBQ、スポーツ、外で遊ぶのがとにかく好き。

 一方俺はインドア男子。漫画、アニメ、ラノベ、ゲーム、典型的なオタク趣味。

 

 小さい頃はよく一緒に外で遊んだものだ。しかし、女の子と遊ぶのが恥ずかしい年ごろになり、梨穂子と外で遊ぶことは少なくなっていった。

 そのころから俺のインドア趣味が加速していった。


 最初は本屋でなんとなく買った漫画だった。これがおもしろいおもしろい。

 2巻、3巻と買っていき、気が付けば全巻制覇。

 その後もとどまることなくほかの作品にも手を出していった。


 漫画も面白ければ、アニメ、ラノベも面白いんじゃないか? と思い、手を広げてみるとやはりおもしろい。

 そして今は友達の誘いからゲームにハマっている。


 梨穂子はオタク趣味に関して知識がなく、何をしているのかさっぱりという様子。


 最近ゲームばっかりで梨穂子の好きなことに付き合ってやれてなかったな。今日はカッとなってしまった俺が悪かった。


 明日謝って、サッカーにでも誘おう。



      *  *  *  *  *



「え!? いいの?」


 優希にサッカーに誘われて驚いた。

 

 最近よく分からない、あぺっくす、っていうゲームにハマってるからもう遊んでくれないと思ってた。


「昨日はごめん」


 頭を下げて謝ってくる優希。


「2人でいるんだから、ゲームしてないでちゃんと話聞けばよかった」


 そうよ! 優希のばか!!


「でも、ゲームをばかにするような言い方は良くないと思う。人の大切にしてるものをばかにしちゃだめって梨穂子も言ってたでしょ」


 優希は私の目をまっすぐ見てそう言う。


「そ、そうね。あの言い方はよくなかったわ。こっちもごめん」


 頭を下げて謝る。

 ……って、話聞いてるんじゃん!

 いじわるしたかっただけね……


「お互いの趣味を尊重しよう。そうすれば俺たち、上手くいくと思うからさ」


 う、上手くいく!?!?!?!


「上手くいくって、どういう意味?」


 つい聞き返す。


「ほら、俺たち……その……分かるだろ?」


「分からない!」


「そのさ……」


「歯切れ悪い!!!」


「結婚したあとも一緒に幸せに暮らせるだろって!!!!!!」


 え………???????


「け、結婚?」


「うん、結婚」


「わ、私たちまだ付き合ってもないのに?」


「あ、そうか……そっちが先か……」


 大丈夫かこいつ……?



      *  *  *  *  *



 勢いで告白をすっ飛ばしてプロポーズをしてしまったが、まあいいか。仲直りできたし。


 公園で2人サッカーして遊んだ帰り道。となりの梨穂子はルンルン気分だ。


「けっこんけっこんけっこんこん♪」


 その歌やめて。


「あ、そういえば今から優希んちいける?」


 梨穂子が唐突に聞いてくる。


「んー、今日親いないから大丈夫だけど」


「親いないの!?!?!?!?!?」


 すごい目が輝いてるけど大丈夫か。


「うん、いないけど何するつもり?」


 もしやとも思い、ドキドキしながら聞いてみる。


「仲直りもしたし、親も家にいない。することはひとつでしょ!!!!!!!」



      *  *  *  *  *



「おりゃああああああああああ」


「だ、だめ……初めてだから……そんな……あっ、強すぎるよ……」


「強すぎる? 俺はこんなもんじゃないぞ! 今夜は寝かせねえ!!! おらああああああ」


「あん! もう! そっちがその気なら! 楽しくなってきたわ! 私も本気でいくわよ!」






 お互いの趣味を理解して、朝まで仲良くゲームする2人でした。




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― 新着の感想 ―
[良い点] ふふふ、ストレスフリーなニマニマ小説ですね~。最高です。
[一言]  読ませていただきました。 インドア、アウトドアの2人の対比がいいですね。 イチャ、ドキッなお話もこそばゆい。 リア充死ね死ね団、垂涎、発狂モノのでございますよ~(笑)。  ありがとう…
[良い点] 面白かったです(^^) 短編ですが、オチとストーリーが練られていると思いました。
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