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あんだってアンダンテ

ダムは高い


その高さに舞い上がって


目の前に舞い降りたその最弱星人があたしには王子に見えてしまって


何百回目かの恋

じゃない

ナニカ

はじめてのナニカ

そう

あたしは頼りない姿の正体を隠した最弱星人にはじめてのナニカをした


何かの鳥が飛んでいた

たぶんモズだ

はやにえだ


あたしははやにえにかけられたカエルみたいにそこに捕らえられて

木の枝に突き刺されて何かをされるのを待つみたみたいに退屈だった


恋は退屈じゃないけど

ナニカは退屈


でも気分は上に上がっていて

もう空から落ちる夢は見なくなっていた

ぼちぼち見るようになるはずだ

空に向かって落ちる夢



 そう思っていたのに



最弱星人はあたしに

遙か眼下に水の落下を見下ろしながら

水の底へ落ちていくようなプロポーズをしたのだ


「俺、結婚なんて一生したくない」というプロポーズだった


あたしは


 あんだって?



心の中で耳の遠いばあさんがそう言ったけど彼には聞こえるはずもなく


最弱星人はそしてあたしの貧乳をじっと見つめながら

「でもお前なら結婚してあげてもいいよ オールド・ミス」


 あんだって?


心の中の耳の遠いばあさんの耳に当てる手の立ち方の角度の直角はそれは凄まじく


 あんだって?

 オールド・ミスター

 アンダンテ

 歩くぐらいの速さで



ダムは高い

飛び降りたら死ねる

吊り橋効果満点のロケーションで

アンダンテ



歩くぐらいの

平凡な速さで

あたし達は結ばれた



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