表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

異変はドアの向こうから

ドン!ドン!


「なんだよ…朝っぱらから人の家の玄関叩きやがって…」


最初は無視していたが一向に止める気配が無い。

勘弁してくれよと思いつつも玄関へと向かう。


ドアの覗き穴から覗いてみると外では男がドアを叩いていた。ただ普通では無いのは一目見れば分かる。目が白濁色になっており、口の周りに血をベットリと付けて呻き声を上げている。


ちなみにお隣のおじさんだ。そのバーコード頭は間違えようがない。顔色だけはいつもと同じだな。会う時はいつも奥さんに絞られて死にそうだったから。


「はぁ、なんだよ。ただのゾンビじゃねえか。それじゃあ、うるさいのも仕方ねえな。ゾンビの再生能力でも毛根は復活ならずか。ハハッ」


冗談を言いながらまたベッドに戻り二度寝しようとする。


は!?!?!?


ベッドから飛び起きる。


ちょっと待て!ゾンビ!?おいおい、これ現実だよな?

明らかにいちゃ駄目な奴じゃねえか………。

ベタだが頬を抓ってみる。痛え!夢じゃねえ!


流石にやべえよ…。ゾンビがいるなんて…。最高じゃねえか!!


(この主人公、名は銀太。銀太は元々ゾンビが蔓延したようなクソッタレな世界に住んでみたいと本気で考えていた。なかなかにイカれた妄想をノートに書いているのを私は知っている。まぁ単に頭のネジが数本ぶっ飛んでいるのだが。そんなやつが今の状況で冷静でいられるわけなく、あいつはいつもの喜びの舞を踊って……あれ、あいつはどこ行った?

………っておい!あいつフライパン片手に飛び出してゾンビをボコボコにしてやがる。しかも必要以上にバーコード頭を殴っている。完全にオーバーキルだ。おかしいだろ。普通はゾンビに恐怖したり、殺すのに躊躇したりするだろ!ゾンビ化したとはいえお隣さんだぞ!? おっと失礼。口調が乱れてしまいました。ちなみに私はナレーターです。慈しみを持って「ナレさん」とお呼びください。以後お見知り置きを。)


「とりあえずは一体殲滅完了であります。ビシッ!」


あまりにも楽しくてこんな口調になってしまうのも仕方がない。効果音までつけてしまった。

しかし、一度冷静になって状況を考えよう。喜びの舞を踊った後に。南無阿弥陀仏、安らかに隣のおじさん。


… 5分後。


どうやら、本当にゾンビが蔓延しているらしい。ベランダから外を覗くとヤツらが徘徊しているのがよく見える。

とりあえず、必要なのは食糧の確保と武器の準備だな。


外へ出る準備しようとしていると、見慣れない黒い大きな箱がリビングの机の上にあった。

それを開けると、色々なものが入っているのが分かるが最初に目に飛び込んできたのは一振りの打刀である。これはUoAで使っていた『宵銀(やぎん)』だ。長年使ってきたから一目見れば分かる。


その他にはいつものUoAでの装備一式に、透明なボトルに入った銀の液体と、ピストル型の注射器がある。これはアレだな。完全に向こうの世界(UoA)の物だわ。だがなぜこの世界に?昨日使った引き継ぎチケットが関係しているのか?もしそうならこれが新章?さっぱり分からん。まぁいいか。使わせてもらおう。Thanks, my god.


「さて、この銀のやつ注射するか。」


(ま〜た、こいつの狂ってるところがでたよ。何が“さて”だよ。悟ったような顔しやがって!普通は銀の液体の正体を確認するまで注射なんかしないだろ!それに完全にこの状況を受け入れているし。少しぐらい混乱しろよ!おっと失礼。また口調が乱れてしまいました。では気を取り直して…ゴホン。

果たして彼はこれからどんな物語を…っておい!まだ注射打つなって!)


「あ〜、キク〜。」


何か聞こえた気がしたが無視して俺は速攻で銀の液体を腕に注射した。多少の痛みはあるがこの銀の液体、レインフォースだと思われるものが体を巡っていくのを感じる。最高にハイってやつだぁぁあ!思わずポーズまで決めてしまう。


すると予想通りに腕に時計型のデバイスが現れる。

それを起動すると、自分のステータスが現れる。



--------------- STATUS ----------------

名前: 宵綱 銀太

状態:健康

合計強化レベル:10(残り枠10)

身体強化レベル:5(Max)

速度強化レベル:0(Exp 0)

知力強化レベル:0(Exp 0)

技術強化レベル:0(Exp 0)

特質強化レベル:5(Max)


合計特質レベル:13(残り枠7)

スキル:「常在戦場3」

固有スキル:『超光速(タキオン)

固有スキル:『健体(ヘルス)


装備品

------------------------------------------


やっぱり昨日の引き継ぎチケットが関係しているっぽい。とはいえ、やべえな。いきなり強くなり過ぎだろ。


とりあえず、トイレに行って落ち着こう。

あっ、トイレのドアノブ掴んだらドアノブが潰れた。どうやら身体の感覚を少し調整しないといけないようだ。そりゃそうか、身体強化レベル最大なんてもはや人外レベルだしな。それに再生のおかげで多少の怪我は瞬間的に治るし。最高じゃねえか!


まず服をUoAの装備に着替えて、打刀の『宵銀(やぎん)』は左腰に、小太刀の『(いざない)』は左肩から抜けるように背中に装備する。最後に銃のマガジンを背後のベルトにある専用ホルダーへ、愛銃とガンホルダーを右の太腿につければ完璧!!


(はい。アウト。こいつは今の自分の格好が完全に銃刀法違反を無視していることを分かっていない。例えゾンビがいるとはいえこんな格好しているやつは他の生者からしたら恐怖でしかない。最悪の場合攻撃されるぞ?まぁこいつの場合は一回ぐらいヘッドショットでも食らった方がいいか。おっと失礼。ついつい口が。

果たして彼の頭はヘッドショットで治すことができるのだろうか?乞うご期待!)


「よし、出発進行!!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ