「初対面の記憶」
ほのぼの系シリーズ新作です。ほのぼの系シリーズではないけれどほのぼの系シリーズです。言っている意味が分かる人は分かるでしょう。それでは、よしなに――――。
追記。条障疑序を読む前に最低限必ずお読みください。話が繋がる重要な部分ですのでよろしくお願いします。
とんでもお化けは人見知り N7869DG
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ほのぼの系シリーズ(一話二話) N2556DH
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人。人間。彼女は果たして人間なのだろうか。否、彼女こそ本当の人なのか。
そもそも人とは何かについて共に考えようではないか。
僕は存在していた。いや、存在と言うよりただそこに立っていた。そうそれは、僕が彼女に出会ったころの記憶だ。順を追って話していこう。
そう、僕は衰退した霊長類の象徴である彼ら人間に、襲われて―――はいなかった。
相手が抱いていたのは殺意か、敵意か、あるいは好奇心か――――。
だが少なくとも敵対者の行動と意欲は実行される前に粉々に粉砕及び消し飛ばされており、僕の外傷は尻餅をついたときの擦り傷だけで済んでいた。
それこそ、彼女のおかげだ。
ヒトと僕の間に割って入った人間。
容姿は汚く、ぼろぼろの衣服には所々血液が楕円形を成して付着している。年齢は十代後半と言ったところだろうか。
悲しくも虚ろな目をして、右手には血に濡れたステンレスの50cm定規を持ち、持ち手の部分には包帯が巻かれており、手を包み込むようにぐるぐると覆っていた。
それらの状況証拠を差し置いて、唯一目を引くところがあった。
彼女、いや、"少女"の口元は
―――――微かに笑みを浮かべていたのだ。
次話投稿は未定です。気分によって間隔があきます。長いものを書くのは苦手ですがいつもの感じなシリーズなので多少楽にはなるのかも。乞うご期待