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転校生たち。  作者: HU-HU
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結構可愛い転校生【沙耶】

2話目です。1話目の沙耶視点です。

私は今、とても緊張しています・・・。

理由はとても簡単で。私は今日、転校生として新しい学校へと初登校中だからです。

もちろん緊張だけではなく、楽しみだという気持ちもあります・・・7:3くらいで。


そんな緊張と戦いながら、鞄から携帯を取り出しメールの受信ボックスをチェックすると(もちろん電車の中ですよ!歩きながら携帯を触ってるわけじゃないですよ!)今日が初登校だと知らせていた前の学校の友人達からのメールがきていました。




『初登校がんばれ(๑>◡<๑) 』×10




皆、優しいなー。なんて思っていると、マナーモードのブブブ〜というバイブ音で11通目が届きました。




『今日は初登校がんばれ!アドバイスとして一言…目があったやつにたいしては微笑むべし!』




謎のアドバイス!何なんでしょう、ありがたいのですが。何とも言えないアドバイスです。

それに、微笑みかける前に目を逸らされると思うのですが・・・。


そんな感じで、学校に一番近い駅で電車から降り。その駅から徒歩15分程で目的地の学校に着きました。

校門では、当たり前ですがいっぱいの生徒が登校していました。

校門前で少し立ち止まった後、気合いを入れて校舎へ入って行きます。正直、緊張を通り越して怖いです。


そういえば、今は高校1年生の夏休みの直前という微妙な時期なんですが。どうして転校することになったのかというと、親の急な転勤によってです。

初めて聞かされた時には「もー、冗談やめてよーw私は漫画の主人公かー!w」って突っ込んでみたんですが、本当でした・・・。


さて、サクサク行きましょう。


職員室前です。

職員室までの行き方は、廊下でウロウロしていると運良く先生に出会えたので何とかなりました。

先生の前に、男子生徒が一人通って行ったんですが、華麗にスルーされました。

結構ジロジロと見ていたんですが、目もあいませんでした、というより男子生徒には私が見えなかったようでした。不思議な事もあるんですね。




「えーと、君が転校生の西野沙耶にしの さや?」



「えっ?」




職員室に入ろうとした瞬間、後ろからした声にビックリして振り向くと、ガタイの良い大柄な男性がいたので二重ビックリです。




「はい、そーですけど・・・」



「話は聞いてるよ。俺が今日から君の担任になる清水だ、よろしくな」




どうやら先生で、しかも私の担任らしいです。

私の何を聞いのか、初見で何故わかったのか、いろいろ気になりますが追求しないことにします。

どうでも良いことですが、この先生は本当に凄い筋肉です。筋肉好きな人がファンクラブでも作っていそうです。




「じゃあ行くか」



「えっと・・・校長室とかですか?」



「なんで校長室に?」



「なんでと言われましても・・・。普通はそうじゃないんですか?」



「いや、普通に教室だろ。ほら、行くぞ」




どうやら転校初心者である私の《普通》は間違っているようです。

かなり恥ずかしいですがしょうがありません。だって初心者ですから。


なんだかんだで教室の前に着き、先生は「ここで待っていなさい」と言って、廊下に私を残したまま教室へ入って行きました。

先生が入って行った瞬間、おぉ!きたきたー!と男子生徒の聞こえてきましたが、そこまで男の先生が好きな男子生徒も珍しいです。それとも本当にファンクラブがあるんでしょうか。


そんな事はおいといて、先生が諸連絡をし始めたので、私は廊下で立ったまま聞くことになりました。

諸連絡の前に、私の紹介じゃないのでしょうか?

またしても私の普通は間違っていたようです。


そんな事を考えていると諸連絡が終わったようで。




「えー、今日はお前らに新しい仲間を紹介する」




いよいよだっ!と思ったのですが・・・。




「待ってましたー!」



「静かにしろバカ!」




どうやらまだのようです。

それにしても、雰囲気的に察してどうやら私が転校して来ることがバレているようです。

事前に話してあったのでしょうか?

それはそうと、私が転校して来ることが事前にわかっていたのなら、さっきの きたきたー! というのも納得がいきます。多分、私の事だったのでしょう。

さすがにファンクラブではなかったようです。


その後、さっき先生に一喝された生徒は、何故か私の事を楽しみにしてくれているようで。なんど怒鳴られても落ち着こうとしませんでした。

途中、「それ以上騒ぐと、単位がどうなっても知らんぞ」「お前ほどのバカでも、これがヤバイって事くらいはわかるだろう?」などと教師あるまじき脅迫の言葉が聞こえましたが、これがココでの普通なのでしょう。


騒いでいた男子生徒もさすがにヤバイと思ったのか、スッと大人しくなりました。




「遅くなってすまない。はいってきなさい」




ついに呼ばれました。

さっきまでとても緊張していたのですが、今までのやりとりでさすがに緊張もとれてしまいました。




「はい」




我ながら返事は完璧です。このまま挨拶までいけるかも!っと思ったのもつかの間でした。

私が黒板の前に立った瞬間、凄い歓声が湧いたんです。

自惚れじゃないですよ?本当です。

今度は脅迫されていた人だけではなく。クラスの男子全員です。

おかげで、さっきまで完全に解けていた緊張がまた戻ってきました。

そんな私の事は御構い無しで。




「じゃあ、自己紹介して」




今回は静めてくれないんですか!?

口には出しませんが強く思いました。

しかも、普通は黒板に名前とかを書いてくれるものじゃないんでしょうか!?何か前振りとかを!

・・・もう3回目です。


しょうがないので、自分で黒板に名前を書き。書いている途中で気持ちを静めながら、振り返って言いました。




西野沙耶にしの さやです。よろしくお願いします」




何も洒落たことは言えず。一向に落ち着く気配をみせない教室で、とても浮いている気分でした。


ただ、騒いでいる男子生徒達の中で、落ち着いて座っている男子生徒が一人だけいました。逆にとても目立っています。

自然に目が行ってしまい、その男子生徒の顔を見て驚きました。私が廊下をウロウロしている時に、私を華麗にスルーしていった・・・いえ、私の事が見えていない不思議な人だったんです。

しかも、私の事を何故かジッと見ています。目もあっています。

ということは私の事、見えてるじゃないですか!

少しだけムッときましたが、そこは堪えます。

もしかしたら、何か急いでいたのかもしれませんから。

そんな事を思いながら、目をあわせたままでいたのですが。中々目を逸らしてくれません。


んー、やることは無いだろうと思っていたのですが。状況ができてしまいましたし、せっかくしてもらった友達からのアドバイスです。ここは友達を信じて。


目があったまま逸らさない彼に、私は今日、一番落ち着いた顔で、そっと微笑みかけました。


その後はすぐに目を逸らされてしまい、上手く行ったのか、失敗したのかわからないまま、まだ静まろうとしない教室で思いました。


今日は、驚かされてばかりです。













ダメだしや、感想などを頂けると嬉しいです。



担任の名前は清水、マッチョです。


確認はしましたが、1話目との矛盾が無いことを祈ってます。

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