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エピソード3 迷宮

フクロウさんに連れられてお店に来る、店内は静かで真っ暗だ、フクロウさんが少し待っててと言い、古びた鍵を持ち、また着いてきてくださいと間延びした口調で指示をする。


「なんか、暗い」

「どこまで続くんだ?」


僕とカケル君がそれぞれ暗い地下に続く階段を見て呟く。


「さぁ〜ど〜〜ぞ〜、取って〜来て〜〜ください」


フクロウさんがカケル君の背中を押し入り口の前に立たされる、フクロウさんは行く気が無いようでガンバレコールを送り面倒オーラをだしている。


「しゃーないか!ヒカリ、紅雫貸して」

「はい、さっさと帰ってきないよ」

「あの、カケル君僕も行くよ」


刀を受け取って階段の一歩を踏み出そうとしたカケルそして銀王に魔除針をセットしそれに続く僕。


「……嫌な予感がする」

「……同感だわ」


そんな二人を輝とヒカリはため息混じりに見送った。

「思った程……暗くねーな」

「うん……おっと」


二人して蜘蛛の巣を避けながら先に進む、石畳の長いトンネルは銀王の淡い銀色の閃光で照されている。

暫く行くと、明らかに罠であろうスイッチがある。


「あっ……」


カチャっと切り替わる音がし、転けた僕そしてそれに続くかのようにカケル君が何かのボタンを踏む。


『……嫌な予感がする……』


ブンが呟くと同時に大量の水が流れてくる!


「お、俺のセイか?!」

「うわぁぁ!僕カナズチ!」

『水は嫌なのだ?!』


僕達は圧倒的な質量の水に呑み込まれ、凄まじいスピードで流される。

まるで洗濯機にかけられる洗濯物の如く回転をし三半規管が狂う。


「デ、デメンション・クラック!(ぶくぶく泡がでる)」


カケル君が赤い刀身の刀を抜き、僕達の前に割れ目が出現し場所は分からないがまたトンネルに出た。


『うぅ……がく』

「死ぬかと思った」

「寒!」



やけに寒い空気に震えるがまたしても何かを押した音がする。


「………ねぇ」

「ダメだ!奏歌、振り向くな、走れ!」

『バカ者!早く走るのだ!』


まるでお約束の巨大な鉄球がバリバリと音をたてて迫ってくる。


「ちくしょー!なんなんだよ!」

「ブン!」

『う、うむ!』


死に物狂いで全力失踪をする、途中天井に道が見えたので磁力を発動し上に逃げ込む、直ぐにカケル君の腕を引き上げ磁力を提供し壁にくっつく。


『お前達……もう少し慎重に…待て!コゾウ!動くなよ……カケルもだ!頼むから!』

「え?」

「なんだよ?」


ポチ……ガシャ。


「………」

「…………」

『こんのぉ!バカ者がぁ!』

ブンの怒声と共に突風が吹き上に吸い寄せられる。


「うぉぉ?!」

「またかぁ?!」

『…………』


〜〜〜〜〜輝〜〜〜〜〜〜


二人が地下に入っていき15分、俺はフクロウさんの護衛をしつつ地下の様子が気になった。


「フクロウさん、地下から激しい物音がするんですが」

「ふふ〜〜罠に〜はまってま〜〜すね〜〜、まぁだいじょ〜〜〜ブデショ〜……あっ!ま〜〜いぃ〜かぁ〜」


パソコンをいじり、何時ものように間延びした声で返答してくる、ヒカリも何かぶつぶつ呟き自分の世界に入っているようだ。


「はぁ……俺も行けばよかったか」

奏歌は厄介な事に巻き込まれることに関しては右に出るものはいないらしい、そんな二人を心配しつつ気配が多数。

「ヒカリ!避けろ!」

「っ?!」


俺の忠告より速く反応したヒカリは踵落としを避けて距離を取る。


「失敗」

「お前は……なんど来ても倒す」

「しつこい!」



鬼謳撃を放ち距離を積める腹部に拳を叩き込み、ぶっ飛ぶ。


「アァー、壁に〜穴が〜〜」

「すいません、請求は本家に」


壁にめり込んだレノンバルトは口をニヤリと歪める、風を切る音と共にヒカリが吹っ飛び俺は急いで受け止めた。


「冗談じゃないわよ!」

「………」


ヒカリがうんざりするのも無理は無い、俺達の視界にはいるのはレノンバルトの大軍だ、フクロウさんは慌てて結界を張り待避した。

「削除!!」

「!!」

「来るなら来なさい!!」

ヒカリが突っ込んで行く、それを援護するため鬼謳撃で周りにいるレノンバルトを攻撃する、コピーか何かは知らないが賢者と言う種族だ一撃では倒れてくれない。


「……楽には行かないな」

「狩崎さん!!あたしは右の方を!」

「ああ!!豪閃撃!」




〜〜〜〜〜奏歌〜〜〜〜〜

「早く!」

「デメンション・クラック」


奇跡的な確率でトラップに引っ掛かる僕達、ブンはウンザリとし僕の頭の上で沈黙してしまった。

今も狭くなっていく壁から逃れるためカケルの能力で逃げ出した所だ。


「お!ビンゴか!次元玉が反応してる」

「やっとかぁ、長かった」『ぬぁ……疲れたのだ』



カケル君が走り出したので急いで追いかける、今度は慎重に行こうと思い走りだそうとすると圧倒的な威圧感が僕を襲う。


『?!コゾウ!逃げろ!格が違いすぎる!』

「ダメだ、カケル君を助けないと」


銀王を発動し全力で展開し壁を粉砕する、視界は紫の閃光で埋まり激しい爆発音と瓦礫の崩れる音がドーム場の空間にこだましている。


「あっぶね!」

「カケル君!」


必死に避けているカケル君を援護するため紫の球体に銀吹雪をぶつける。

すると閃光が収まり沈黙した、その隙に合流し臨戦体制で球体と向き合う。


「な!」

「そんな!」


球体が弾け、漆黒の翼と深紅の瞳を獰猛な光で輝かせ感情のない表情は光沢のある長い黒髪で隠されている白いスーツ姿のセイか漆黒の髪と翼が良く映えていた。


『防衛プログラム起動……十分の一、黒翼魔神(ブラック・セイバー)戦闘開始』

「おいおい……勝てんのか?リディアより威圧感あるぜ」

「……全力で行かないと……ブン頼む」

『仕方ないの……負け戦は嫌いだが契約主を守るのも鬼の努め、付き合うのだ』


勝つのが目的ではない、おそらく僕とカケル君が闘った所で勝てないのは目に見えている。


『コゾウ、カケルあれは一種の式神のようなものなのだ』

「じゃあ、核のお札を消せれば」

「勝てるんだな!」

『無理だの、せいぜい動きを一時的に停止させるくらいなのだ』

「それだけあれば充分!」

「神禁を確保し脱出だ!!」


僕とカケル君は武器を構え黒翼魔神(ブラック・セイバー)に向かっていった。

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