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エピソード1 異世界からの訪問者

秋も半ばに入り、夜に成ると冷たい風が身を体にあたる。


「いってきま〜す」

「気を着けて行ってこい」

輝に見送られ、たまに増加する邪鬼の討伐をするために何時もの公園に向かう。

「うぅ〜寒い、眠い」

『うむ、早く済ませるのだ我輩も眠い』


小走りで体を暖めながら、公園に到着する。

相変わらず前の闘いでジャングルジムの会った場所だけがポッカリ穴が開いている。


『グォー、ギィ』

『ガァオォ』


公園にはザッと五十の邪鬼が『何か』を囲んでいる。

(なんだろ?何かあるのか?)


ブォーン!

中心で爆発が起こります、邪鬼が一体吹っ飛ぶ。


(!?だれ?鬼人?)


僕はゆっくりと茂みから身を出し、銀王を発動構える。


『グォ?!』

『グァ』


2体を倒し、銀王を投げて中心への道をあける。

すかさず、銀王の紐を巻き上げてブランコの上に立つ。中心を見ると、茶髪の少年の銀髪のバンダナをした少女がいる。


「あなた達は鬼人?か!」

僕は鬼神では無いことを祈りつつ、問いかる。

前の出来事がトラウマになり銀髪の少女を直視出来ない。



「鬼人?なんだそれは?俺はレジスタンスのカケル・マガリだ」



少年は邪鬼の攻撃を受け止めつつ押し返し、バンダナの少女と背中合わせに立つ。


「お前はこいつらの仲間か!」


様子を見ていて、取り合えず敵では無いと確認し援護に入る。


「ブン頼むよ!」

『うむ、任せておけ!』


銀王に磁力を追加し、二人の背後から迫る邪鬼をなぎはらう。


「一応、味方ってことで!」


二人は驚いて一瞬、手を止めるが直ぐに闘う姿勢になる。


「貴方達は下がってて!」

二人は状況の理解をしているらしく、交代する。


(理解があって助かる)

「いくぞー!」


磁力移動を駆使し、邪鬼を殲滅し例の二人に向かう。

(一応、警戒はしておこ)


銀王を発動したまま、一定の距離を取って向かい会う。


「えぇっと……カケル・マガリ君と」

「栗栖ヒカリ」

「は、何故こんな時間にここに……闘いなれてるし?それに」

『鬼の類いでは無いしな』


ブンを見た二人はブンに興味があるのか不思議そうに見ている。


『むぅ……コゾウ後は頼む』

「うん」


いつもどうり、リュックに入ったブンにカイロを渡し二人に向き合う。


「もう一度聞きます、貴方は敵ですか?」

「少なくとも、貴方と敵対する意思は無いわ」


銀髪の少女、ヒカリが一歩前に出る。もちろん僕は一歩下がる。


「目的はなんですか?」

「探してる人がいるの、この世界の何処かにいるらしいけど」


カケルはコクコク頷く。


「この世界?じゃ【黒の十字架】?!」

「なんだよ【黒の十字架】って?」


カケルが口を挟みヒカリがカケルを睨む。


「知らないのか……僕達の敵ですよ、それより探してる人って?」


ヒカリとカケルが後ろを向き話し合い、結論を出す。

「今は言えない……」

「わかりました、行きますよ二人とも」


二人はキョトンして、惚けている。


『コゾウの優しさに感謝するのだ、お前達の力では邪鬼に勝てない』


ブンが頭だけリュックから出して二人を手招きする。

「さっきからキョロキョロとしてるけど、やっぱり珍しい?」

「いやぁ、俺達の世界とそんな変わらないだ」


カケルは楽しそうにしてるが、ヒカリは難しい顔をしている。


「気楽に行こうぜ!」


ヒカリはガックリと肩を落とし吹っ切れたように同意した。


「ただいま〜」


二人に上がってもらいリビングに入る。

リビングではカナメさんがプロ野球選手になりたくなる大人気ゲームの第14昨目をしている。


「おかえり〜奏歌くん、そこの二人もいらっしゃい」

ヒカリは緊張しているのかカケルはテレビの画面を見ていた。


「えっと、この人は鬼飼要さんだよ」

「よろしくね」

「よろしくお願いします!いたっ?!」


何故かカケルが悲鳴を上げたがみんなスルーした。


「よろしく、私はヒカリでこっちはカケル」

「僕は緋口奏歌だよ」


自己紹介も済ませ、二人を客間に案内し泊まってもらう。

もちろん部屋は別々にしてある。


「ただいま」

「あっ!輝〜〜〜〜」


輝が狩崎の本家から帰ってきた。


「輝おかえり」

「ただいま、なんだ?この気配……鬼でもエミティでもない?」


輝はコートを脱ぎ、僕に聞く。


「なんか別の世界の人らしい人を二人保護したんだ」

「【黒の十字架】じゃないようだな、少なくとも敵対の意思は感じられない」

「それにカケルって子、特別な力があるみたいね」


ひとしきり情報の交換を終えて、お風呂に入ってくる。


「カケルくーん?」

「はい!」

「なに慌ててるの?」

「なんでも、無い」


特に気にする必要もないのでお風呂に誘う。


「ヒカリさん女湯は左手です」

「感謝するわ!」


ヒカリさんはさっさと女湯に入って行き、僕達も入り込んだ。戸をあければ広い露天風呂になっている。


「ほぉー、お前ん家の風呂広いな!」

「ありがと、寒っ早く入ろう」


髪と身体を洗い湯槽に入る、程好い温かさが身を包み疲れた身体を癒す。

お風呂に入った時の背筋のゾクゾクする感覚が好きだったり(なる人居るのかな?)。


「癒される〜」


カケルもリラックスしているので、情報を引き出すことにしてみる。


「カケルはなんでコッチの世界に来たの?」

「へぇ?人探しだ」

「ふぅ〜ん、さっきの折れた刀と関係あるの?」

「あ!……秘密だ………」

どうやら嘘をつくのが苦手なようだ。

口を押さえて分かりやすいリアクションをする。


「そっか……カケルの彼女かわいいね」

「か、か、か、彼女じゃ?!」


いつもからかわれる側だから、からかうのは新鮮な気分だ。


「そんなことより!此方にゲームがあるなんてビックリだ」

「そっちにも?」


その後はたわいの無いゲームの話しを持ち掛け、合間にカケルの情報を手に入れていく。


良く朝。


「世話になったは!」

「奏歌!またゲームについて語ろうな!」


朝の早い内に二人は探しに出ていってしまった。


「奏歌………どうだった?」

「うん……とりあえず大丈夫だと思うよ、行動予定もだいたい掴んだ」


手に入れた情報を整理し輝に伝える。


「黒翼魔神?そいつの持ってる何かを求めてるのか」

「何か想い当たるの?」


輝は少し考えこんだ後に、ケータイを取りだす。


「ああ、頼む」


通話が終わり、式神の雀蜂をだしカケル達の所え飛ばした。


「奏歌、今回は少しハードな任務になりそうだ」



次回は10月25日あたりです。

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