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アイドルのご登校


文章がまとまっていないところがあると思いますが

そこはご了承ください。



僕は昔から自分の意見をはっきり言えなかった。

その上暗くて地味で・・・

そんな僕に友達が出来るわけもなく、今までずっと独りだったし、これからもそうだと思ってた。


なのにどうしてかな。


『し、式守君おはよう!!』


「ん?あぁ、おはよう。それで潮、今日の放課後は何処か寄るか?」


『利人君!朝練頑張ってね!』


「ありがとう!で潮!昨日のあの番組見たか!?」


『柊さん!今日も綺麗ですね~!』


「あ・・・ありがとう・・・。潮、今日もサンドイッチ作ってきてくれた?」


『夜狩君!切生君!今日もかっこいい~』


「「潮、俺等にもサンドイッチちょうだい」」


『早良君・・・クッキー作ってみたんだけど・・・』


「くれるの?ありがとう。潮、今日のお昼は何食べる?」




僕・・・篠原 潮は、只今通っている高校に向かって

学校一のモテ集団であるこの6人と肩を並べて歩いております。



高校に入って、ひょんなことからみんなと出会い、色々あって(それは本当に色々と・・・)今の関係に発展した。

詳しい話はまた後でするけど、ずっと友達がいなかった僕にとって、今の環境は奇跡的としか言えないけど凄く幸せで。


ただ・・・


みんなは凄く目立つ人気者。そんな輪の中に地味な僕がいることを周りが快く思うはずがない。

特別目立ったことをされたことはないが、地味な嫌がらせと陰口は毎日のお約束だ。みんなは知らないけど。


(まぁ慣れてるけどね・・・)


「潮!聞いているのか?」(式守)


ずっと黙っている僕を、式守 千里君が「どうかしたのか?」と顔を覗き込んできた。目の前に千里君の顔がある・・・


「!?んん、聞いてるよ。」(潮)


いくら同姓でも、そんな綺麗な顔で見つめられたらなんか照れちゃうよ・・・。


「ならいいんだが。で、どうするんだ?」(式守)


「今日の放課後は本屋に寄ろうかと思ってるんだ。新しい辞書が欲しくて」(潮)


「そうか。なら俺も付き合おう」(式守)


「いいの?ありがとう!」(潮)


「礼などいらないよ」(式守)


「俺も行くよぉ!ちょうどまんがの新巻発売日だし♪」(利人)


「お前は部活だろ?」(式守)


「おう!だから終わるの待ってて♪」(利人)


「誰が待つか」(式守)


「え!?いいじゃんちょっとくらい!ね~潮♪」(利人)


「ちょっとじゃないだろうが!潮も待つのは嫌だと言っている」(式守)


「言ってないし・・・本当に千里は待つ嫌いだよなー・・・」(利人)


ぬー・・・と、利人君は子供のように拗ねてしまった。


(僕は別にいいんだけどな・・・)


あはは・・・と笑う僕の横でまだ二人は言い合っている。

そんな二人の後ろで、二人のやりとりを見ている女子達が歓喜の声をあげている・・・。

二人のツーショット。ファンにはたまらない光景だろう。

それと同時進行でその二人の間にいる僕をにらみつける人が多々・・・。


そんな女子から必死に視線をそらしていると、

僕の努力を水の泡にするかのように後ろから柊 天音さんが自らの腕を僕の肩に乗せてきた。


「潮~サンドイッチは~?」(天音)


一瞬にして僕は全学年の男子を敵に回しました・・・。

でもそんなことより天音さんに抱きつかれたこと(ような感じ)が普通に嬉しかったしドキドキした。

だってこんな美少女に抱きつかれるんですよ?嬉しくない人が何処にいますか?

実は隠れ天音さんファンだし・・・。本人には絶対言わないけどね!!!!


「あ、ありますけど今食べますか?」(潮)


「ん~・・・教室まで我慢する!」(天音)


と、にこっと笑う天音さん。

僕の心の中の僕は暴れまわっておりますよ。天音さんの笑顔ほど

美しいものはないと僕は思います。


あ、気づきましたか?僕は今めちゃくちゃ周りからにらまれていますよ?


「「俺らのは?」」


これほど美しい双子は他にいるのだろうかと見とれてしまうほどの

仲良し双子君も僕の作るサンドイッチを好きでいてくれている。

趣味が料理である僕は自分のお弁当は勿論自分で作っている。

ある日、たまたま僕の作ったサンドイッチを食べた天音さんと双子君がとても気に入ってくれて、

それが嬉しくて最近はお弁当と別に作って持っていっている。まぁ飽きやすい双子君はそろそろ飽きる頃だと思うけど・・・


「勿論あるよ。それよりさっき女の子が話しかけてきてたのに二人とも無視したでしょ?」(潮)


僕の問いに、二人は同時に首をかしげた。


「え?話しかけてきたっけ?」(夜狩)


「・・・いたっけ?」(切生)


そこからですか!?他人に興味がないも限度超えてますって!!!

でも羨ましいよ。僕もそれだけ周りに関心がなければ、

このにらまれ地獄を気づくことはないのだろうか・・・。


「あーん」(早良)


「・・・!?」(潮)


いきなりのことに、言われるがまま反射的に口を開けてしまい、その隙に口の中へと侵入したものは

とても甘く・・・


「・・・どう?」(早良)


どうって・・・これってさっき貰ってたクッキーだよね?


「美味しいよ?」(潮)


流石に人の貰い物をもらっておいて「ちょっと甘すぎるかな」なんて文句みたいなこと言えない・・・。


僕の返事を聞くと、早良君は少しの間じっと手に持つクッキーを見つめ、


「潮の作ったやつが美味しい」


とクッキーを袋の中に戻した。

早良君の言ったことが普通に嬉して、思わず「ありがとう」とつぶやいた。

それに対して早良君は微笑んでくれた。


みんなといるととても楽しくていつも心が温まる。こんな温かさ、僕はずっと知らなかったんだ・・・

普通は当たり前のことかもしれないけど、僕は全部が初めてだから。




うーん・・・ただ背中が痛いね。凄く痛いね。

みんなの鋭い視線は見事に僕に的中してるね。そろそろ血が出るんじゃないかな?



そんなことを切実に考えながら学校の門をくぐった。







読んでいただいてありがとうございました。

よろしければコメントをお願いします。

思ったことをはっきり言っていただけると嬉しいです

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