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クズの異世界転生  作者: 中二病
第5章
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第41話 ザジヴレーニイからの質問(2)

母上と父上のその言葉を聞いて姉上が真っ先に母上たちに事情を話し始めた。



「ザジヴレーニイがアレスになぜ反乱加担者の減刑を要求しなかったのか聞いたら、アレスが反乱加担者の減刑を要求しても無意味だし、それをするくらいなら反乱加担者の処刑の責任者になったほうが恩も返せるから自分は反乱者の減刑を求めなかったみたいなことを言っていたから私もアレスを怒ったんだよ?」



姉上のその話を聞いた母上と父上は困った顔をしながら顔を見合わせた。



「……ヴァイゼの話だけでは判断できないから、ザジヴレーニイにどういう質問をされてその質問に対してどのように答えたか教えてくれる?アレス?」



そう母上がさっきの話の詳細について僕にも聞いてきた。



「まずザジヴレーニイ殿から僕になぜ平民の反乱加担者の減刑を求められる立場にいたのに減刑を求めなかったのかと聞かれました、その質問に対して僕は平民の反乱加担者たちに関しては僕が減刑を嘆願したところで通るわけもないし、それならそんな通るわけもない無駄なことはせず、アテナを公的に裁かないでいてくれたお礼に僕が処刑の責任者になって泥を被ることによってアテナ殿を裁かないでいてくれたことに対する恩返しになるし、それにその恩返しをするとしないとでは、周囲の人間が受ける僕への印象とかも、全然違ってくるから僕は平民の反乱加担者達の処刑の責任者になりたいと言った、ということ、……それとまぁ……僕が平民の反乱加担者の処刑の責任者になったところで返せる恩なんて受けた恩に比べたらたかが知れてると言いました」



母上の質問に対して僕はそう答えた。



「アレスはそう言ってるけど皆?アレスが言ってることは本当?」



僕の言葉に対して母上が皆にそう聞いた。


それに対してポリーティカー殿はなんとも言えない表情をし、アテナやクーストーディアそしてザジヴレーニイもまた同じような表情をした。しかし姉上はその言葉に対して不服そうな表情をした。



「………皆、アレスの言葉に何か思うところがあるようだから、さっきのアレスの説明を聞いてどう思ったか一人ずつ……そうだな……最初にヴァイゼ次にポリーティカー殿その後はアテナ殿そしてクーストーディア殿そして最後にザジヴレーニイの順番で話してくれ……」



皆の表情を見て少し考えた後父上はそう言った。



「わかりました!アレスは自分が減刑を嘆願してもそれが通るわけがないし、それならそんな無駄なことはせずアテナさんを裁かないでいてくれたお礼として自分が処刑の責任者になり泥を被ることで恩を返したほうがいいと言ってました!、あとは、こんなことで返せる恩なんてたかが知れてる、っていうのと最後に、これをやるのとやらないのとでは違ってくる、と言っていたので、さっきのアレスの説明とザジヴレーニイの質問への回答とでは使ってる言葉の表現が全然違います!」



その姉上の言葉に対して父上は少し頭を抱えた後、気を取り直したように父上は真面目な表情をして姉上を見つめた。



「ヴァイゼ?アレスが何を言ったかはわかったがそれのどのあたりがさっきアレスが話した説明と違うんだ?」



姉上の発言を聞いた父上は姉上にそう優しく問いかけた。



「全部です!全体的にさっきの言葉とは表現が違いした!」



父上の問いかけに対して姉上が父上にそう訴えた。



「たしかに表現に違いがある……が、それは説明をわかりやすくしただけだろう?たしかにその二つでは多少印象はわかるがそれでも言っていることが全く違うわけでもましてや嘘をついているわけではないだろう?」



姉上の発言に対して、そう諭すように父上が姉上に言った。



「………たしかに……よくよく考えてみればいくつかの言葉の表現は違うけど表現が全く違うとか嘘をついてるとかそういうわけではない………ごめんね?アレス……まるでアレスが嘘をついてるみたいなことを言って……」



そう言って姉上が僕に抱きついてきた。



「……はい…許します……」



僕はそう言って姉上を抱きしめ返した。


その後姉上は自分が僕を抱きしめていることを思い出したのがすごい勢いで離れた。



「ハハハハハ………それで他の皆はアレスの言動に嘘や偽りはあったと思いますか?それではポリーティカー殿、アテナ殿、クーストーディア殿、ザジヴレーニイ、順番に答えてください?」



そう父上が皆に聞いた。



「………アレス君のさっきの説明に嘘偽りもありませんでしたし、話していた内容もあんな感じでしたよ……?」



父上の言葉に対してポリーティカー殿はそう答えた。



「はいアレス君の今の説明で問題ないと思います」



父上の言葉に対してハキハキとそうアテナも答えた。



「私も…アレス様の今の説明で……問題なかったと思います……」



父上の言葉に対して、クーストーディアもそう答えた。



「はい……アレス様が私の質問に答えた内容は今のアレス様の説明と同じです……」



父上の言葉に対して、ザジヴレーニイはそう意気消沈したように答えた。


それを聞いて父上は母上に目配せしてそれに対して母上は頷いた後に僕の方を向いて口を開いた。



「それで?それをアレスが言った後、ザジヴレーニイはなんて言われたの?アレス?」



そう真面目な表情をしながら母上が僕に聞いてきた。


それを聞いて姉上は母上と僕を見ながら驚愕したような……少し青ざめたような表情をした。


そしてアテナもまた姉上と同じように母上と僕を見ながら驚愕したような……少し青ざめたような表情をしていた。


最後にザジヴレーニイは最初は姉上やアテナと同じように母上と僕を見ながら驚愕したような……少し青ざめたような表情をそしてザジヴレーニイだけはそれにプラスして少し苦虫を噛み潰したような表情をしていた。


次にポリーティカー殿はこの話を母上たちが始めた時点でこうなることがなんとなく予想できていたと言いたげな表情をしながら天井を見上げていた。


最後にクーストーディアもこの話を母上たちが始めた時点でなんとなくこうなることは予想できていたと言いたげな表情をしながら床に視線を落としていた。



「ザジヴレーニイに何を言われたか話す前に父上たちに先に言っておくけど、この件で僕はザジヴレーニイを攻めるつもりは無いからね?まず第一にこの話はザジヴレーニイじゃなくても政治にあまり関心のない人間が聞いてたらザジヴレーニイと同じような反応をするとわかった上で言ったからさ……まぁそういう意味で言えばクーストーディアが僕のあの発言聞いても姉上やザジヴレーニイと同じような反応を示さなかったのは驚いたけどね?まぁもしかしたらこの話を一度したからそこまで反応を示さなかったのかもしれないけど……まぁいい……話を戻すね?僕がさっきの話をした時、ザジヴレーニイがなんて言われたか?だったね?僕が反乱加担者の減刑を求めなかったばかりかその行動を無駄な行動といったことへの非難、それから恩を返す為に、反乱に加担したとはいえ元は配下だった人間の処刑をまるで政争の具のように使うとは恥を知れと言われました。その後姉上にも今の発言は何ですかまったくもってザジヴレーニイの言う通りです申し開きしなさい……とそう言われました」



僕は母上に聞かれたことをできうる限り正確に答えた。


そもそも正直な話ポリーティカー殿があの時、僕の意見にどちらかといえば賛成していたことを知れただけでも同士になり得る人間を見つけられたという意味でザジヴレーニイの言葉で不愉快な気持ちになったことを差し引いてもお釣りが来るくらいには収穫があったと言えるからザジヴレーニイに叱責しようとかは全く思わないからね?


そんなことよりも今はどうやったらポリーティカー殿を仲間にできるかの方が重要だからね……正直……。

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