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クズの異世界転生  作者: 中二病
第2章
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第17話 反乱の後処理

アテナ殿を主犯とする、城内で起きた一連の騒動は反乱側、領軍側双方に多少の死傷者は出たものの、領軍の軍隊機能を損なうほどの被害は出なかった。

たしかにこの事件は痛ましい事件ではあったが領主や領主の周辺の人間の有能さを領地の内外に知らしめる事件でもあった。


そして今回の騒動が終結した後、我が家は我が領内で起きた反乱に関して国に掛け合うための資料作りや、領内の有力者や傘下の貴族、他にも周囲の有力貴族たちに今回の事件の顛末を説明するための資料作りをしていたら事件から2日ほどたった。




最初の一日くらいは僕も事情聴取みたいなことをされるのかと思ったのだが……反乱終結から二日経って冷静に考えてみればもしかしたら僕は事情聴取されないかもしれない……。


そもそも、よくよく考えてみればたかだか三歳の子供に事情を聴取したところで大した話は出ないと思うのが普通だ。


もっと言うのなら、もし仮に三歳の子供が事件に関して情報を持っていると報告されたとしてその情報を真面目に信じるわけもないしましてや三歳の子供に対して事情聴取してその証言を元に犯罪を捜査するわけが無いからね?普通。

これはあくまでたとえばの話だが、元の世界の警察が本気で三歳の子供から有益な情報が出ると思って事情聴取した、なんて情報を聞いたら僕なら警察の一部が暴走したか、警察の上層部がトチ狂ったかと思うだろう。

「警察官はよっぽど大変なお仕事なんですね……」とでも煽りの文章をネットに書くと思う。僕なら……。


まー、とにかくたぶん僕が事情聴取されることは無いだろう。






コン コン コン コン コン







「アレス入るわよ?」



そう言って母上と……お祖父様が部屋に入って来た。


……なんだろうね……僕は面倒くさいことを想像した直後にその面倒くさいことがピンポイントに舞い込んでくるなんて想像した面倒くさいことがそのまま舞い込んでくるなんて呪いに呪われてるのかな?


………まぁいい……現実逃避したところで嫌な現実が無くなってくれるわけでもないし……とにかく腹くくって現実と向き合おう……。



「どうしたのですか?母上………とお祖父様?」



「やっぱりちゃんと二語文以上で話せるのね………?その年の子だったらもう少し……まぁいいわ!おじいちゃんがアレスにちょっと聞きたいことがあるみたいなの、いい?」



いや、今更年相応に話して何になるの?余計不審がられるだけでしょ?あの時演技してる余裕がなかった時点でもとよりこうなることは決まってたようなものだよね?……この話はまぁいい…この場合の同行要求は任意では無いだろうから事情聴取を拒否したところで通らないだろうし事情聴取受けますよ……仕方がないから。



「……はい!わかりました!!」



駄目だねあんまりにもだるかったから態度に出たかもしれない。


「……え、えぇ、おじいちゃんに反乱が起きた日のこととかアテナのこととか話してね?(……こんなに祖父と話すことを嬉しそうに……今まであまり祖父と話せなかったものね……捨て子だったとはいえこんな子供が寂しい思いをするのはかわいそに……でもアテナのためにもしっかり証言してもらわないと……この証言でもしかしたら減刑できるかもしれないし……久しぶりの祖父との会話を事情聴取なんかにさせてしまってごめんなさいね……)」


「アレス、お前の発言の真偽を確かめるため神殿から神具を借りてきた、神具がある場所はアテナ殿もいる場所だが証言が真実であればアテナ殿に聞かれても問題ないだろう?」


うわ〜すっげー疑われてる、当たり前といえば当たり前だがな……そもそもの話たかだか三歳の子供の証言をクソ真面目に信じる人間がどこにいる?

………僕なら真面目な話であればあるほどたかだか三歳の子供が言った証言なんて信じないだろう……そういう意味でいけば真偽を確かめる神具?だったかなはやりようによってはだるいが今回の場合いろいろとやりやすくて助かる。



「はい!わかりました!」



しかしあれだね……さっきから僕、はいわかりましたとしか言ってないな……ずっと……とはいえそれ以外に返答する言葉が思いつかないから仕方がないよね……



「わかった…ついてきなさい」



「はい!」












事情聴取をするから事情聴取の場所までついてこいと言われてから数分から十数分経ってやっと事情聴取する場所についたが……これは…また…なんとも…


事情聴取をする部屋というより尋問をするための部屋という感じがする。地下にあるからというのもあるだろうが事情聴取のために連れてこられた部屋はなんとも重苦しい部屋だった。


「……アテナ!大丈夫!!」


そう母上が叫びながら牢に入れられているアテナ殿に近づいた。

見た感じご飯もしっかり食べているし拷問されたあとがあるようにも見えない。もしかしたら僕が健康状態や拷問に関して無知なだけかもしれないが……。



「アテナ殿大丈夫ですか?」



「えぇ、大丈夫ですよ?アレス君は私はどうなると思いますか?」


そんなことたった三歳の子供に聞くか?まぁいい……。アテナ殿の質問に答えるか……。


「どの程度の罰を受けるかは分からない(この国の法律や憲法みたいなものなんて僕が知るわけないしね)ただ最大限減刑できるよう頑張ってみる……」


その話を聞いてから後ろにある水晶?を見て驚いた顔をしながらアテナ殿はこちらを見た。



「なぜ…私の減刑を求めるのですか?」



「ん〜、別に君に特段の恨みなんてないし確かに結果として裏切ったのは気に入らないが文官長が全部悪いしそれで君が厳罰に処されたら僕、母上や兄上、姉上に嫌われるでしょ?そんなの嫌だし……だから最大限頑張ってあくまで個人的に思う最大限の減刑をしてもらうために頑張るよ?」



「そう…ですか……ありがとうございます……よろしくおねがいします……」



「……?……あぁ」



「アレス……」



そんな感じてアテナ殿との話が終わった。

最後母上の言葉が入った気がするがまぁいい、気のせいだろうし母上の言葉が入ったって自分で言っておいてなんだがなにを言っているのか良く分からない。僕もしかしなくても疲れているのかもしれない、変な言動が多すぎる……。



「アレスそこの椅子に座ってくれ」



そう言ってお祖父様が椅子を指さした。



「…はい、わかりました……」



命令されるのはあまり好きではないが仕方がないからお祖父様の言葉に従う……。



「それで、先ほど文官長が全部悪いと行っていたがどういうことか話してくれるな?」



虚言を吐いたら許さないとでも言いたげにお祖父様はこちらを見てきた。



「はい、あれは1年ほど前の話です。プロディティオーとかいうよくわからん禿げ上がったおっさんが……」



「おい、文官長のプロディティオーは確かに禿げているしおっさんでもあるがそれを付け足す必要はあったか?」



お祖父様が渋面をしながらそう聞いてきた。なにを言っているんだ?あるに決まっているだろう?僕はあの禿げ上がったおっさんが嫌いだから禿げ上がったを付け足したんだよ……?



「ありますよ?あのハゲは反乱企てたし、そうじゃなくてもアテナ殿を脅して反乱に参加させたし、付け加えるならそのせいで僕もいろいろ苦労させられた……それに僕を侮辱した、ゆえにあのハゲにハゲといってなにが悪い?」



さっきから僕が話すたびにチラチラとお祖父様も水晶を見ていた。


たぶんこの水晶が神具なのだろう……。



「は〜……、アテナ殿を脅したとはどのような内容でだ、あとアレス、君を侮辱したとはどのような内容だ?」



心底めんどくさそうにお祖父様がそう聞いてきた。そういえば天使も僕と会話をしてる時そんな感じの雰囲気を出していたな?なぜだろ?不思議………?



「アテナ殿を脅す内容は反乱に協力しなければ領民を巻き込んで大量の死傷者が出る旨、並びに反乱に協力しなければ兄上や姉上を殺す旨、そして共和国の及び共和国の息がかかった者が近隣の有力貴族家にたくさんいる旨、そして自分、プロディティオーが共和国と内通している旨を話していた。最後に僕を侮辱した内容は……僕のことを餓鬼と呼び侮辱してきた。………………それと……もう一つ…僕は神の加護を受けているのだからこのくらいの要求は通ると確信していうがアテナ殿を僕に寄越せ」



僕の言葉に部屋にいる皆が水晶を凝視し、嘘や偽りがないとわかると僕の言葉にみんなこいつ頭おかしいんじゃね?と言いたげな目で僕を見た。


そしてお祖父様と母上が目配せした。



「儂は疲れた……、デメテル殿、この…アレスの言葉の真意とか諸々聞いてくれ……」



「はい…わかりました……御義父様……」



そう言って母上とお祖父様が交代した。



「あの……?アレス?まずアテナに対しての文官長の脅迫……反乱に協力しなければ領民から大量の死傷者が出るとアテナを脅迫した、これは本当?」



「本当です」



「アテナ間違いない?」



「はい、間違いありません」



「次に反乱に協力しなければタプファーやヴァイゼを殺すとプロディティオーがアテナを脅した。これも本当?」



「はい、本当です」



「アテナこの話も本当?」



「ま…まぁ、本当です……」



「ハー…、貴女が文官長に言われたことを正確に説明して?アテナ?」



「反乱に参加しなければ反乱時にタプファーとヴァイゼを殺すと言われました……」



母上とお祖父様が同時に水晶を見た。



「ハー…、アレスの証言に偽りなし、そして近隣の有力貴族家にたくさん共和国の内通者がいると証言していた、この話は正しい?」



「はい、正しいです」



「アテナこれはあってる?」



「正確には内通者は近隣の有力貴族家にもたくさんいるです。あくまでも可能性の話ですが小規模の貴族家にも内通者がいる可能性はあります……」



お祖父様と母上はまた水晶を確認した。



「ハー…アレスの証言に一応間違いはない、ただし過小表現の可能性あり、次に…プロディティオーが共和国と内通していると証言していたこれは本当?」



「はい、本当です!」



「は〜…アテナこの話も正しい?」



「はい、正しいです…」



「それで?アレス、あなたが文官長に侮辱されたと思っているのは餓鬼と言われたから?」



心底めんどくさそうに母上がそう聞いてきた。僕は母上になぜそんな表情を向けられているのだろう?



「はい!!あのハゲよくも僕を侮辱しやがって!!絶対に許さない!!」



「はぁ…アレス落ち着いて?本当に文官長がアレスを餓鬼呼ばわりしたの?アテナ?」



「はい……文官長はアレス君を餓鬼呼ばわりしてました……」



「そう…それでアテナを寄越せってのアテナを自分の従者にしろってこと?」



従者…そうか…まぁいい…



「まぁ…うん……そうですよ……アテナ殿を従者としてください」



「少し不満そうね……まぁいいはそれで最後に質問あなたが神の加護持ちだというのは本当?」



「うん、本当ですよ?神殿で確認しますか?あー…あと神の加護を持つ人間の従者に犯罪歴つけるのはあれなんで公的にアテナ殿を裁かないでください」



「………、わかりました、後日、神殿に行って神の加護を授かっているか確認してからアテナをどうするか決めます……」



「アレス、これで全部ですね?」



「うん、あ、あと文官長、領主の一族を皆殺しにするとか言ってました……」







ガタッ!







「それは先に言えアレス!今の話は本当かアテナ殿!」



僕の証言を聞いて水晶を見てから慌てたようにお祖父様がアテナにそう聞いた。



「はっ、はい、本当です!」



それからいろいろ問い詰められたりしたが事情聴取はそんな感じで恙無く終わった。

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