第103話 王都に到着(1)
「わ〜〜!壁がすごく大きい!」
やっと王都の壁が見えてきたという時にエヴィエニスが楽しそうにそう言った。
「……お祖父様……いくつかお聞きしたいことがあるのですがよろしいでしょうか?」
王都の門まで着いて、もう少しで王都に入れるという時に、王都に近づくにつれて徐々に膨らんでいく疑問がやっと確信を持って聞ける段階になったのでお祖父様にそう声をかけた。
「なにを聞きたいんだ?アレス?」
僕の言葉に対してお祖父様にこやかにそう返事をしてくれた。
「質問が分かりづらくて申し訳ありませんが王都にはどんな区画があるのですか?」
お祖父様から質問をしてよいと言われたので僕はお祖父様にそう質問をした。
「……どんな区画っか……なにを聞きたいのかよくわからないが……そうだな王都の都市構造は中央に王城があり壁を隔てて貴族や地位の高い官僚や王城で働いている軍人などが住んでいて、そこと壁を隔てて……主に平民が住む場所がありさらに壁を隔ててここの区画は……まぁ……うむ……この場合スラム……といえばいいのか?に住んでいる極度の貧民が住んでいる場所だ……まぁ……正確に言えばここは貴族も通行するという理由もあって極度の貧民はあの壁を隔てて極度の貧民が主に住む区画に住んでいるがな……まぁとにかく……ここは平民の中でも比較的貧しいものが住む場所だ……………と、王都の区画はこんな感じだ……こんな感じの答えでよかったのか?」
僕の質問に対してお祖父様は困惑しながらそう答えてくれた。
「はい……そんな感じのことを知りたかったので助かります。…その上で質問なのですが、……この場所……に限らずですが門の前や門の中……それから町の中もだいぶ兵士の数が多いですね?これはあくまで僕の予想でしかないのですが少なくともこの区画だけでも昔行った公爵領の公爵様が住んでいるお城の兵士や公爵領の貴族とかが住んでる区画の兵士の総数とたぶんですが同じくらいなだと思うんですよ……そしてその兵士たちは全てが……スラムの住民だろう人間をすごく警戒してるように思うんですよ……そしてたぶん兵士の中でも偉いだろう人間の中にスラムの人間を憎悪しているだろう視線を向けているように思うのですがあっていますか?もしあっている場合なぜそんなことになってるんですか?……あぁ、あとさっき言ったことと多少被るかも知れませんが王都ってなぜこんなに兵士が多いんですか?この場にいる兵士の数を考えたら王都にいる兵士の総数は公爵領の領都の兵士の総数より数十倍以上多いですよね?」
お祖父様の返事に対して続けて僕はそう質問した。
「……どう計算した結果その数字になったかよくわからないが、まぁとにかくこの場、まぁ主に極度の貧民が住んでいる区画が特別兵士が多いだけで警備範囲に対してここまで兵士の数が多いのは………たぶん……王城くらいで、まぁそんなわけで王都にいる兵士の総数はポルトゥス公爵領の領都にいる兵士の総数より約10倍前後多い程度だ………………それから…この場に兵士がこんなにピリピリしている理由だが……まぁ言ってしまえば我々……と言う言い方では少し誇張表現かも知れないが、我々貴族と王都にいる極度の貧民の間に………………まぁ多かれ少なかれ因縁があるから兵士たちはピリピリしているし、兵士たちの指揮官は憎悪の念を抱いていてそれが態度にも出ている……まぁそういう感じだ、そしてそんなことになった原因だが……正直な話大事な部分は分かっていないだよ……まぁこの話に関して分かっている事は………まぁ分かっていることと言っていいかは正直わからないが2つほど?あって一つに……我々貴族は我々貴族の子息や息女が襲撃を受けて……男性であれば殺されたり……女性であればまぁ……無理やり……まぁ………襲ったあと殺したり……わざと町中に放置したり……そういうことがあったと言っていて、……まぁ……スラム……の人間も我々と同じことを主張している……その上で双方ともこんなことを最初にしたのは相手側だと主張している……そしてわからない部分というのがさっき言った初めにそれをしたのがどちらか……と、言う話だ。まぁどちらが始めたにせよこんな憎しみ合いはあまり心地の良いことでもないがな……まぁこれがこの場にこれだけたくさんの兵士がいる理由であり、そして兵士達がこんな雰囲気をしている理由でもある……」




