第一章シーン1
○武蔵野学園・理事長室(夕)
比良坂、イラつきながら神戸の横を行ったり来たりする
神戸、来客用のソファでふんぞり返っている
比良坂「しかしですねぇ、ガキのお守りをさせられるこちらの身にもなって頂きたい」
神戸「(冷笑しながら)まあまあ、比良坂くんにはもってこいのポストじゃないか。
国内外から様々な理由で身寄りのない子供たちを集め教育を施し安価な兵士として育て上げる...」
比良坂、神戸に掴みかかる勢いで身を乗り出す
比良坂「(目を見開いて)手間の割に金がかかってるじゃないですか」
神戸、苦笑しながら首を横に振る
神戸「でも君だって似たようなことをずっとやってたんだろ?
ワイルドワンズだったか...とにかくそういう訳だからこの武蔵野学園の理事長に抜擢された」
比良坂「Wild Card'sだ、あんなクソガキどもと一緒にしないでもらいたい」
神戸「ああ、そういえば。最近脱走者が出たんだって?」
比良坂「未遂です、今うちのに事情聴取させているところです。」
神戸、目を細めながら顎を撫でる
神戸「学園のことが明るみに出たら世間様がうるさいだろうからね、抜かりなく処理してくれたまえよ」
比良坂、下唇を噛む
比良坂「ええ、分かっていますとも。」
神戸、立ち上がり比良坂に向き直る
神戸「とにかく!ここでのことは一切が君の責任だから、しっかり頼むよ『理事長先生』」
神戸、踵を返し早足でドアから退出する
比良坂、怒りで肩をふるわせる