雷刀
「付与魔法を覚えました。」
次にはなちゃんが覚えたのは付与魔法のようだ。
俺は火魔法を操作して武器に纏っているけど、付与魔法は武器とか体に自分の魔法を付与することができる専用の魔法だ。
つまり魔法のコントロールはそれほどいらない。はなちゃんだと刀に雷魔法を簡単に付与することができる。雷刀の完成である。
さらに体に雷を纏うこともできる。武器も体もどちらにも使うのはMPがまだ足りないだろうが、何にしろ羨ましい。結局刀術と雷魔法の組み合わせで一番羨ましかったのは雷刀を再現できるからだ。
「ぜひ見せてほしい。」
真剣な眼差しではなちゃんを見る。
「分かりました。 付与魔法 雷 刀」
刀に雷が纏わりつく。まだ初級だから少ししか見えないが、抑え気味の雷がまた雰囲気を醸し出す。
「では、戦ってみます。」
ゴブリン達に向かっていく。魔法のダメージと効果が付与されている刀がゴブリンに触れると雷が弾ける。すげー、ゲームのエフェクトみたいだ。
さっきより威力が上がった剣戟にゴブリン達は成す術もなく、一撃で葬り去られる。
「付与魔法 雷 身体」
はなちゃんの身体が雷に包まれる。と言ってもこちらは見た目ではパチパチする程度だ。
はなちゃんが動き出すと、その速度に驚く。元から動きが素早いはなちゃんに雷の力が加わって、さっきの1.5倍程度の速度で動き出す。
だが、制御は出来ていないようで動きに精細を欠く。ただ刀を振り回すだけで、やっとのようだ。2階層程度では無双できて、3階層まではなんとか通用して、4階層からは厳しくなってくるだろう。
そして、一瞬にしてMPが切れ、こちらに帰ってきた。もちろんゴブリンを引き連れて。
数十体いるので、ギリギリまで引き寄せて。
「フレイム」
燃やし尽くした。そして俺のMPも切れた。
俺は余裕があるが、はなちゃんに流石に疲れが見られたので探索はここらで止めておいた。
そして、受付まで戻り精算を待つ。
「初ダンジョンお疲れ様。初日なのによくあそこまで戦えるようになったな。」
「いやいや、たかしさんのおかげですよ。一人だと絶対最初の戦いでめげてました。それに思いっきり戦えましたからね。」
「そう言ってもらえると、ありがたい。はなちゃんはこれからどんどん強くなるだろうし、先行投資ってことで。」
「そうですよ。強くなって恩返しさせてもらいますから、覚悟しておいてください。」
「なんの覚悟だよ。じゃあ、とりあえず連絡先だけ教えてくれるか。」
「おう、意外と大胆。もちろんいいですよ。」
「危なっかしいからな。何かあったら連絡してきな。」
「まあ、そういうことですよね。歳も離れていますし。」
29と18だから11歳離れているのか。それでこんなに強いんだな。将来有望すぎる。
改めて歳の差に衝撃を受けている内に精算が終わったようだ。
「中田様、精算金額がこちらになります。全て精算でよろしいですか。」
明細を見てみる。
魔石 1万5000円
素材 2000円
道具 6000円
「ポーションが2つだけもらって、それ以外は精算で。」
1万7000円の買取をしてもらい、ポーションははなちゃんに渡す。
「いや、いいですって、自分で変えますから。」
「買ったら5000円だから、今受け取っておいた方がお得だから。」
押し問答の末、受け取ってくれたが買取金額に関しては半分ずつにすることを譲らなかった。
渡しすぎも良くないかと思い、素直に受け取る。
その後は、食堂でご飯を食べて19時くらいにはお開きにした。
高校生を連れ回す気にはなれんよな。そして明日の筋肉痛はキツいだろうなと彼女の身を案じた。
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