はなちゃんの実力
早速ゴブリンが出てきたので、1体になるまで蹴散らしてからはなちゃんに引き継ぐ。
はなちゃんが刀を抜いてゴブリンと対峙する。
さっきより余裕を持っている。
俺も最初は無我夢中で戦ったもんな。仕事辞めたすぎて。
前に進む原動力が無いとダンジョン探索は難しい。
はなちゃんも何かあるのだろう。あの若さでダンジョンに潜る人は少ない。お姉さんも潜っていると言っていたので、その関連かもしれないな。
はなちゃんが動き出した。動きも滑らかだ。
あれ?足捌きとか既に熟練者の域じゃないか?ゴブリンが動き出すより先に刀で首を飛ばした。
「やりましたよ!たかしさん!!」
凄い嬉しそうにしてる。だが、もはや俺が教える事はなくないか?さっきまでは、後輩が出来たと少し喜んでいたが、それどころではない。すぐに追い越されてしまう。
荒木といい、はなちゃんといいどうなってるんだ?
まあ、仕方ない。俺に出来る事は全力でしよう。前に進み続けないと共に進む事すら許されないだろう。
「すごいな、はなちゃん。初心者とはとても思えないぞ。」
そういうとはなちゃんは嬉しそうにはにかんだ。
「たかしさんがいると安心して力が出せました。」
「そう言ってくれるとこっちも嬉しい。大丈夫そうだから複数との戦いも練習するか。」
多分俺がいなくていも絶対いけるが、逆に戦い方を勉強させてもらおう。強い人の戦いを見れるチャンスだ。ちょうど、少し先に3体のゴブリンがいる。
「どうする、一体間引こうか?」
「大丈夫です。3体行ってみます。」
そう言いながらはなちゃんが駆け出した。とにかく、速いんだよな。敏捷値が高いのか、それとも元からの足の速さか。多分どちらも高いんだろう。
1体目は首が飛び、気づくと2体目の腕が飛んでいた。3体目が背後から近づくので注意しようとしたが、振り返り様に横一閃し体は真っ二つに。そのあと2体目に刀を突き刺ししっかりトドメを刺していた。
もう十分実力はあるので、レベルを2までは1階層で上げて2階層に上がることにした。その間、最初の戦闘から1時間。どうしても、細かい傷などでダメージを負うこともあったので1つポーションを使ったがそれくらいだ。刀術スキルが強いということもあるが、それ以上に元からの素養が大きい。刀術は防御よりも回避と攻撃に重きをおくので、その分戦闘速度は早い。
あとステータスも耐久などは低いんだろう。俺の初期の時より傷がつきやすい。俺の時は戦闘で直撃を食らわない限りそこまでの傷はつかなかった。対してはなちゃんは避けた時に少し当たったのにもダメージが溜まっている。その辺は人によって変わってくるんだと実感した。
はなちゃんが2レベルになり、見切りのスキルを覚えた。これで細かい傷すらつかなくなる可能性がある。別に教えなくてもいいと言ったのだが、一緒にダンジョンにいるのだからと無理矢理教えられた。なので、俺のスキルも槍と火魔法は伝えておいた。
そんなわけで2階層へと進む。
ここからはゴブリンが武器を持ち出す。特にリーチの長い敵には注意しなければならない。俺は槍だったから、そこまで気にしていなかったが、刀であれば違いが出てくるだろう。そして、俺も剣の扱いに慣れるために一緒に戦うことにした。
2階層の武器持ちに対して俺は慣れもあり、剣でも普通に戦えた。初級剣術のスキルがあるから、最低限の剣の扱いは分かるし、この辺のゴブリンは嫌というほど倒してきた。
はなちゃんもさっきほどは無双出来てはいないが、見切りスキルも身につけて避けながらゴブリンランサーにも対応出来ている。でも、まだ武器持ち数体が一気に来たら対応は難しそうだ。
剣道とかだと一対一を想定して戦うだろうからな。俺の時みたいに無茶をさせる勇気はない。何より出会ったばかりだ。どこまで着いて来れるかは、少しずつ見極めないといけない。
褒めて欲しそうな顔でこちらに向かってくる様子を見てると大丈夫そうに感じるが。
「どうでしたか?さっきの私の戦闘は!」
「最初にしては、よく戦えてたな。ただ、リスクを取り過ぎているように思う。早く強くなりたいとは思うが、ある程度長期的に強くなることを見越して行かないとへたるぞ。」
「ありがとうございます。でも、私早く強くなりたいんです。やっとダンジョンに潜れるようになったんだから。」
「俺もいるから別に焦らんでいいだろ。」
「え、また一緒に探索してくれるんですか?」
「一応固定でパーティはいるから、毎回とは言わんがたまに手を貸すくらいはするぞ。一番いいのははなちゃんでパーティをしっかり見つけることだけど。」
「わかりました。じゃあ、今日はたかしさんがいるので少し無茶しても大丈夫ですね。」
笑顔ではなちゃんはいう。
「え、今の話聞いてた?」
「聞いてますよ。でも、自分より実力が上の人と探索できる機会なんて今後そんなにないだろうから、今のうちに学べるところは学んでおこうと。たかしさんが固定で組んでくれるなら別ですけど。」
はなちゃん強いし、パーティ組んでもいいかなと俺は思うけど、荒木がなんというか。あと俺がじゃじゃ馬二人と探索していると気苦労が絶えなくなりそう。いや、でもこの先二人で探索し続けるのもな。中級とかに潜るなら数を増やしてもいいかなと俺が考え込んでいると。
「めちゃくちゃ考え込んでるじゃないですか。今後どうなるかなんて今わからないでしょ。ひとまず探索を続けましょう。貴重な時間なのでもったいないです。」
「それもそうだな。また、あとで連絡先だけ教えといてくれ。一緒に探索できる時とかは連絡するから。」
「はい、それでいいんです。さあ、行きますよ。」
意気揚々とゴブリンにはなちゃんは突っ込んでいった。
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