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初めての一人ダンジョン


日曜日の朝、目が覚めると荒木からメッセージが来ていた。


「すいません、二日酔いで死にそうです。今日行けそうにないです。」


昨日あれだけ飲めばそりゃそうか。


「おけ、一人で潜っとく。お大事にな。」


「ありがとうございます。お気をつけて。」


適当に筋肉芸人のスタンプで返信しておくと変なスタンプが返ってきた。

まあ、大丈夫だろう。


俺も結構飲んだが、体調は大丈夫そうだ。

完全にソロは一人だな。無理ない程度で潜るとしよう。


朝飯を食って、用意をする。今日は荒木がいないから、ドロップは全部自分で拾わなければいけない。

一応買ったがまだ使っていない採取用のリュックが火をふくぜ。


採取用のリュックは色んなところにポケットがある。そしてある程度動いても体にフィットする。実はこれ3万円もするんだよな。しかも、初心者用セールで買ってこれだ。ダンジョン産の素材が各所に仕様されているからなのだが、通常販売だと10万円もする。探索者用初回限定セールで安く買えた。ソシャゲーとかの初心者用セットみたいだなと思いながらもとりあえず買っておいてよかった。


今日は昨日よりゆっくりめでいいか。剣の練習もしたいから適当に動画で剣の心得は見ておく。

初心者向けの動画を投稿しているカトちゃんチャンネルで勉強をする。カトちゃんの動画は見やすいし、話も面白い。そして何よりこの人がオタクだからアニメとか漫画で例えてくれるから同類の俺としては非常に分かりやすい。ちなみにしっかりチャンネル登録をしている。


なんとなくわかった気になったので、そろそろ実際にダンジョンに行ってやってみるか。

電車で2駅ダンジョン前駅に到着し、昨日の戦いでジャージがボロボロになったので買い直す。


少し余裕が出来てきたので、ジャージのグレードを上げてみる。初心者ジャージは1万円だが、次のレベルになると5万円と一気に上がる。性能は初心者ジャージの倍の耐久性となるのか、更に通気性や速乾性、抗菌防臭までついている。ただ、防具は消耗品でもあるのでどうするのか悩みどころだ。


いや、ジャージは初心者用でインナーをダンジョン仕様にするという手もあるのか。インナーに衝撃吸収素材と速乾性、抗菌防臭がついているものもある。この先ジャージを使い続けるかはわからんが、インナーはどうせ使うだろう。今は通常のスポーツ用のインナーを着ていて支障はないが、この先どうせ買おうと思っていたから今買ってしまおう。


ちなみ上下セット2万円を2着で4万円、初心者ジャージ1万円で結局5万円使った。



寄り道も終わったのでダンジョンに潜っていく。

今日はそんなに無茶はしないが、慣れない剣で戦っていくので油断はしないようにしよう。


とりあえず、肩慣らしにゴブリンと戦ってみたが流石に余裕だった。

初級剣術のスキルがなんとなく剣の使い方を教えてくれる。あと、カトちゃんの動画をみて学んだ間合いが役立った。

槍とはどうしても距離感とか変わってくるからな。


肩慣らしはここくらいで、もっと奥まで進むかと思っていたら初心者っぽい女の子がゴブリンと対峙していた。


なぜ、初心者っぽいかというとあからさまにびびってる。剣を持つ手が震えている。


そして、珍しく二刀流だ。二刀流なんて難しすぎてスキルを持っていないと出来たもんじゃない。しかも、発現率はかなり低い。あの子はそれを引き当てたのか。


いや、見る限りまだ一回も戦った事なさそうだぞ?サポートもつけずに初戦闘とか普通ないぞ?


まずレベルが上がる事で初めて探索者として最低限のスキルが現れる。それのサポートは探索者協会から紹介も出来る。というか、強く推奨されている。


念の為少し近づき様子を伺う。


少女は覚悟を決めたのか、ゴブリンに向かって駆け出す。そのまま、剣を振るが、避けられる。しかも、剣の重さで体勢が崩れている。


うん、これはまずいな。ゴブリンが攻撃体勢に移った。

ダッシュで近づき少女に気をつけながら、ゴブリンを剣を一振り。

剣を持つ腕が武器ごと吹き飛ぶ。ゴブリンは痛みで怯んでいる。


「今だ、やっちまえ。」


ハッとした顔で少女はゴブリンに無我夢中で剣を突き立てる。容赦無く心臓と首に突き立てられた2本の剣により、ゴブリンは消えていった。


ここでしっかり急所狙ってる辺り逞しいというか末恐ろしいというか。なんとなく1人で来ているのもわかるな。


少女はへたり込みながらも喜んでいた。


「レベルアップだー!!」


いや、他にも言うこと色々あるだろ。


「コホン。」


咳払いをすると少女がこっちに気づき。


「助けていただきありがとうございました!!レベルアップだ。じゃないですよね。本当すいません!!何かお礼を。って言っても今何も出来ないので、今後の出世払いでお願いします。」


急にまくしたてるように話すから少し笑ってしまった。

というか、よかったーめちゃくちゃ変な人とかでは無くて。いや、ちょっとは変だけど。


「いや、別にいいよ。たまたま助けがいりそうだったから助けただけだし。」


「絶対に何かお返しします!命の恩人に何もしないなんて女がすたります。」


別にいいんだがな。本当に。まあ、それなら。


「それなら、今日一日一緒に探索するか?一緒に潜るはずのヤツが二日酔いで来れなくなって暇だから。」


あとシンプルに心配だから。


「逆にいいんですか?私めちゃくちゃ初心者ですよ。邪魔にならないですか?」


「俺も先週から潜ってるから、初心者だ。それに今日は剣の練習のつもりで来たしな。」


「動きが初心者じゃなかったような。いや、今後こんなチャンス訪れないと思うので、お願いします。でも、お礼は今度絶対させてくださいね。」


笑顔で答える少女だが、有無を言わせぬ圧力がそこにはあった。


「わかったよ、また何か今度礼をしてくれ。本当になんでもいいからな。」


「任せておいてください!」


ということで、今日の旅の道連れが決まった。


お疲れ様です。

読んでくださり、ありがとうございます。

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