階層移動
5階層からは階層移動の魔道具でダンジョン1階層の入り口まで移動できる。
エレベータみたいな感じで、扉が開いて中に入り、中のボタンで1を押すと1階層まで転移している。
魔力を動力としているので、ダンジョンの中にある限り特別に費用がかかるというわけではないが各階層に置くほどの予算がない。特に初級ダンジョンには必要がない。
上級ダンジョンになると各階層に用意していることもあるようだ。
一気に攻略を進めると全滅することもあるので各階層に設置していく予算も探索者協会の方から出してくれる。
その分今後のリターンが見込めるからだ。
そしてこの移動は特徴的な感覚があり、人によっては転移酔いが発生する。
俺のバディであるこの女も転移酔いの被害者だ。
「転移とか何回もしてるんじゃないのか?その度にこの有り様なん?」
「前までは毎日のように乗ってたので慣れてたんです。最近全然乗ってないからまた酔ったみたいです。くそー、油断してた。中田さんにこのような失態を見せるとは。」
荒木は真っ青な顔で答える。歩くのもままならないので肩を貸す。
「ほら、トイレだ。出すもん出してこい。」
「レディーに言っていい台詞じゃないですよ。うぷ。」
反論する余裕はあるので大丈夫だろう。スマホで適当にゲームをしながら待つことにしよう。
「お待たせしました。お見苦しいところをお見せして申し訳ないです。」
「そんな気にしてないから大丈夫だ。とりあえず鑑定行くか。」
なんだかんだ色々な奴と戦ってきたからかなりのドロップアイテムが出ていた。楽しみである。
「お待たせしました。中田様こちらにどうぞ。」
カウンターに呼ばれる。
「こちらが本日分の鑑定結果です。」
魔石 7万円
素材 3万円
アイテム類 5万円
武器 40万円
内訳はどうなっているのか。
アイテム類はポーションとか解毒剤とか変わったものは無かった。
武器はどうなっているのか。
コボルトソード改
リーダー仕様に改造を施されているコボルトソード。筋力と敏捷が上がる。
筋力 +10敏捷 +10
コボルトソード改で武器のうちの30万円を占めている。他は特にこれといったものはないようだ。
槍より安いのは剣は比較的ドロップしやすいからのようだ。能力としては優秀でもレア度が違えば流通量も違うもんな。
そもそもモンスターが剣を装備している可能性が高い。
剣も少しは使えるように頑張るかな。
「とりあえず剣とポーション2つ以外は換金でお願いします。」
「はい、ありがとうございました。では34万円冒険者証に振り込みいたします。あと、5階層突破されたので仮会員ではなく、本会員証の発行も出来ますが、本日されますか。」
「じゃあ、お願いします。ブレスレットタイプでお願いします。」
「はい、では5万円いただきますが、よろしいでしょうか。」
お、意外とするな。でもいちいち戦闘中とか冒険者証カードで確認とか出来ないし、やっておくか。先行投資だと思って。
「はい、お願いします。」
「冒険者証の金額から差し引きさせていただいてよろしいですか。」
「あ、大丈夫です。」
「でしたら、こちらが中田様の冒険者証となります。紛失などされますと、新たに作成に10万円かかりますのでお気をつけください。」
結構するのね、いや、スマホでも今時高いのなら20万とか当たり前だし、でもダンジョンに潜ってたら絶対壊すよな。
「はい、ありがとうございました。」
受付を離れ、荒木の元へと向かう。結構稼いだな。新しい武器も手に入ったし。
「でも、槍の方がかっこいいよな。」
「何ボソボソ言ってるんですか。よかったですね良い剣がドロップして。剣なら私でも教えられるし、あといろんな武器試しておいた方が対策を立てやすいですよ。この武器だとこういう動きをしてくるだろうと推測できます。まあ、人間ではありえない動きをしてくるモンスターもいますけどね。」
「例えばどんなのいるんだ?」
「人形系のモンスターなら関節が限界突破して動きますし。そもそも手の数が4本とか6本とかのモンスターもいます。そのレベルまでいったら、きた攻撃に対して対応していくしかないんですよね。あと耐久力を上げるとか。」
「耐久力にもステを振るべきなのか。」
「あとは普通にダンジョンの外での体力とか筋力とかを上げておくと、ダンジョンに入っても反映されます。ステータスはあくまで補正値ですからね。」
「最近はランニングとかもしているぞ。あと筋トレかー、元が貧弱だからな。」
先週ダンジョンに入るまでは、運動なんて学生時代以来したことはなかった。
余裕が出来てきたしジムでも行くかな。
「いいですねー。まあ、ダンジョン入ってから1週間ですけど、中田さん体つき既にちょっと変わってますもんね。」
確かに、よく食うようになったので太るかと思えば筋肉になっている。戦うための体に変わっていっているのが感覚的にわかる。ダンジョンに入った時から体が作り替えられたようだ。
「でも、不思議だよな。ダンジョンてやつは、人間が魔法を使えるようになったり、誰が何のためにやっているのやら。」
「ダンジョンが地球を滅ぼすとか、侵略者がくるから地球が滅びないように人間を鍛えるために出来たとか色んな説ありますしね。」
「まあ、何にせよ俺は既にダンジョンに救われているから感謝しかないけどな。いや、何度も死にかけてるからトントンくらいか。」
「じゃあ、ダンジョンに感謝しつつ飯に行きましょう。今日は中田さんの奢りなので思いっきり食べますよ。」
「付き添ってもらっているから別にいいぞ。」
ダンジョン併設の居酒屋で飲み明かしてこの日はダンジョンを後にした。ちなみにお会計は10万円だった。
どんだけ食うんだよ。
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気づけば6月になっていました。




