日常に戻る2
走って会社に来たが、逆にいつもより早めについてしまった。足速くなってるな。あと、疲れにくいな。
「おはようございます。今日はいつもより早いですね。」
荒木があいさつをしてきた。
「おはよう、荒木。走ってきたら、思ったより早くついてしまったんだ。これならもうちょっと動画見れたな。」
「なんの動画見てたんですか?やらしいやつですか?アニメですか?」
「俺のイメージどうなってんだ?ユキっていう子がダンジョン探索してる動画だよ。」
朝の動画の説明をする。
「あー、ユキちゃんですか。すごいですよね。昔から強かったんですけど、最近の技のキレはさすがですね。流石は私のライバル。」
「そうか、ライバルなのか。荒木もすごいじゃないか。ユキさんとライバルか。ライバル?ライバル?!」
驚いて問いただしてしまう。
「中田さん、声大きいです。会社ではダンジョン一緒に潜ってるの内緒ですよ。めんどくさいことになるし。」
「ああ、わかった。そうだな、マジでめんどくさくなるから内緒にしておこう。今でさえ、めんどくさいのに。それにしても本当にライバルなのか?」
「そうですよ。ライバルですよ。ちょっと前までは私の方が上でしたけど、今はもう抜かれてますかね。最近私はダンジョン潜ってなかったので。」
「え?ユキさんてすごい探索者なんじゃないのか?映像見た感じすごかったぞ。というかお前の実力結局教えてくれなかったもんな。強いとは思ってたけど。確かに身のこなしとか只者ではなかったもんな。」
「そういえば、結局内緒とか言ってぼかしたままでしたもんね。忘れてました。まあ、別に言ってもよかったんですけど。ゆきちゃんとは最初の方は一緒にダンジョン潜ったりしてましたよ。ユキちゃんは槍使いで私は短剣使いでそこそこいいところまで言ってたんですけど、どうしても動画配信をしたかったらしくて私は抜けたんですよね。まあ、たまに動画外だと一緒に潜ったりもするんですけど。」
「意外とそういうところ固いんだな。もっと適当にノリで動画とか出ちゃうのかと思ってたわ。」
「いや、動画とか誰に見られるかわからないじゃないですか。それに私美少女だから人気とか出ちゃうとめんどくさいじゃないですか。」
「まあ、人気出そうな見た目だよな荒木は。中身は結構恐めだけど。ユキさんも戦ってる時の目はヤバかったし。」
「そうですよね。戦ってる時のユキちゃんの目やばいですよね。わかります。で、誰が怖いって言いました?」
「いえ、なんでもありません。よし、仕事だぞ。朝礼が始まる。」
いつもは嫌な朝礼だが、この荒木から逃げ出せるなら少しはいいな。
ああ、でもやっぱり仕事嫌だな。今日は先週に上司から押し付けられたミーティングからだ。できれば、出たくないな。自分の仕事をしたい。結局誰かが資料を読むのを見てるだけだから。であれば、提案書を作って他社へ売り込みに行っている方がマシだ。基本的に営業が嫌いな俺だったが、この会社に入ってからは会社の中にいるより他社の方が雰囲気がいいから好きになってきた。女性社員が固まって愚痴を言っているのが漏れ聞こえるのと、上司が誰かを叱責しているのが見える方が精神衛生上悪い。
というわけで俺の平日が始まった。
徐々にブックマークが増えているのが、嬉しいです。




