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辿り着いたブルジァ邸

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辿り着いたブルジァ邸



登場人物:


グラウリー:大柄な斧戦士ウォーリアー

ラヴィ:女性鍛冶ブラックスミス

バニング:暗殺者アサシン

マチス:老練な短槍フェンサー使い

トッティ:若い鈍器メイサー使い

ボケボケマン:オークマスクの魔導師

エイジ:蒼の魔導師ブルーメイジ

トム:商人

ギマル:部族出身の斧戦士ウォーリアー

ベル・ブルジァ:リドルトの姪。



 白い霧はもう彼等の周りを完全に囲ってしまっていて、その外側は朝方の深い濃霧のように真っ白い。霧の先は一寸先も見えぬほどで、焚き火の周りほんの七、八メートルあまりが浮き島のように森の様相を保っていた。


(――これは…どういう事…)

 ベルは油断無く辺りをうかがいながら、ゆっくりとグラウリーの元に近づいた。

(ねえ、グラウリー…グラウリー。起きて…!)

(トッティ…トッティったら…)

ティルナノーグの戦士達の体を強く揺するが、何をどうしても彼等は起きようとしない。ベルは急に恐ろしさを感じて、体に震えが走った。

(嫌…!なんなのよこれは…!)

うずくまるベル。だがふと、霧の中に影が動いたのを感じた。

「だ…誰…!」


 だが影は、何も応えない。

ゆらゆらと森の中を揺れ動き、初め何の形の影かはっきりとわからなかったそれは、次第に鮮明に、ある形をなしていった――大きな人の形――。

「何!誰なのよーっ!」


(お前は本当に父親が助けられると思っているの?)

(誰一人信用していないお前が、誰かから信用されると思っているの?)

(小さな小さな、非力なお前が何かを成し遂げられるの?)

(気付いてない?お前の中にある黒いざわめき)

(全ての苦しみを捨ててその漆黒に身を委ねたら、どんなに楽になるの?)

(お前はひとりぼっち)

(お前はひとり)

(永劫の闇をさ迷い歩く闇の住人――)


 突然頭に声が響いた。それはリーンリーン…と頭の中で反響するがごとく、何度も何度も聞こえてくる。膨大な量の声が響き、頭に激痛を感じると共に、胸の中にもやもやと黒く沸き立つような何かを感じた――。

「いやっっっ…!やめて…やめてよ――――ッ!!」

 絶叫するベルをよそに、頭の中の声はケラケラケラ…という耳障りな笑い声に変わっていた。


                                *


「キャアアアアッッッ!!」

 ベルは跳ね起きた。すぐそばにグラウリーの顔があった。

「どうしたベル…。何か悪い夢でも見たのか?」

「え…、あ、あれも…夢…?」

 ベルは鼓動する胸を押さえ、頬をつねってみる。間違いなく…今度こそは現実。

「う、うん…思い出せないけど…すごく…嫌な夢…」

 森に差す僅かな明かりは既に白い。魔性の森にこの瞬間だけ一日の始まりの瑞々しい空気が広がる。夜を照らした焚き木は既に火勢を弱め、チロチロとした炎がその役目を終えるかのように揺らめいていた。


 ティルナノーグの戦士達の内まだ数人は眠りに着いている。夜はアンデットの襲来に見舞われ、朝は早くからその脚を進めなくてはならない。旅立つ定時までの僅かな時間を、冒険者達は少しでも多く体力を回復させようと必至に睡眠を取るのだ。


「最近よく悪い夢を見るのか?」

横からボケボケマンが言った。

「う――…ん。見る…見ているような…気がする…」

「そうか…」

ボケボケマンは腰の秘薬袋から小さな瓶に入った丸薬を取り出した。

「これを飲んで眠ってみろ。よく眠れるはずだ」

「なあに、これ」

「睡眠薬の効果を弱めたものだ。安眠薬とでも言うか…まあ、ほどほどに使ってあまり飲み過ぎはしないようにな」

「そんなもん持ってんだボケさん」横からトッティが顔を覗かせた。

「トッティ…あんた意外に早起きなのね…」

「へへ。早起きは三文の得ってね」

「やぁーだあんた爺さんみたいよ。ひょっとして盆栽とか育ててるんじゃないの?」

「…って何でお嬢様その事知ってんの!?」

「え!まさか当たっちゃった?アハハ!爺くさいのよトッティは!」

「爺くさいとは何事かー!俺の丹精込めた盆栽君見たらたまげてひっくり返るぜ!」

「ギャハハ!もうやめてぇ~これ以上笑わせないでよ!」


「まあとにかく、ベルは旅に慣れてないんだから夜はよく寝て体力を回復しないとな。おっとベルじゃなくてお嬢様、だったか――?」

「ああ、いいのよ。グラウリー。もうお嬢様なんて呼ばなくて、名前でいいわ――そうね、最近は夜骸骨達も、あの恐ろしい怪物も現われないものね」

「………ああ」


 実は彼等は、未だリッチこそ現われないもののアンデット達が毎夜来襲してくる事をベルに伝えていない。何故ならベルは夜中になり一度眠りに着くと、うなされるかいくら起こしても起きないかして、絶対に朝まで眼を覚ます事はなかったからだ。トムも、ボケボケマンやエイジも何故ベルが起きないのか考え、調べたりしてみたのだがどうにも理由がわからなかった。ただ、苛酷な旅の中ではそれをベルに告げた所で何が解決できるわけでもなし、それを知りえたとしてベルによけいな不安を与えるだけだとわかりきっていたのだ。今は父親の元に水晶球を届けさせる事だけを考えてれば良い。戦士達はベルにその事を告げるのが何となくしてはならない事なのだ、という念に駆られていた。


「――ああトッティ、あんたは駄目だからね。お嬢様って呼びなさいよ」

「我が儘か!なんだそりゃー!お嬢様ってか我が儘お嬢様じゃんか!」

「あっアンタ何抜かしてんのよっ!バカトッティ!ギャハハ」


 先程の悪夢のうなされようはどこへ行ったのか、ベルは明るい笑顔でケタケタと笑いを立てる。


 この顔こそがこの娘の本当の顔なのだ――とグラウリーは思う。

 十六、七の少女が父親の生命を背負うという、重すぎる運命を持ちえた為にずっと気を張っていた。

そして良家の生まれ、と言う事もあってかその態度は人を寄せ付けぬ、ある意味突っ張った部分があった。それもだが戦士達と出会い互いに旅をし、言葉を交わす中で大分打ち解けたのだ。

 苦境に立たされたとしても逃げずに立ち向かおうとする気概がベルの中には、ある。それをグラウリーは旅でなお気丈に、屈託なく(そう見せているだけかもしれぬが)笑う事のできる笑顔の中に見るのだ。


「さあ、ベル。今日も旅を急ごう――早くこの森を抜けなきゃな」

「……――ウン!」

 ベルの肩に手をかけながらグラウリーは、皆を起こして回った。


                               *


「ベル、あそこなのか?」

 暗く険しかった森が開けた所のずっと向こうに、塀に囲まれた広大な敷地が見えた。その更に向こうには古びてはいるが立派な趣の屋敷がある。

ベルは黙って頷いた。その手には細々とした星が僅かな明滅を見せる水晶球が固く握られている。


 彼等はとうとうトールズの原始林を抜けた所だった。

変わらず毎夜アンデット軍団達はその脅威を見せ、ベルは妖精にでも魔法をかけられたかのように眠り込んでいた。リッチもあれ以来姿を現す事もせず、神経を張り詰めてはいるが単調な、けだるく体力と精神力のみを消耗してゆく道程を彼等は進んだのだ。

原始林に入って六日あまりの朝方――そしてついに、ブルジァ邸に辿り着いた――。


「………」

 ベルは手綱を取ると、緩やかな丘の下に見えるブルジァ邸を目指して馬を走らせた。


 原始林を抜けてブルジァ邸に着く頃には、あの多くの木々や植物が複雑に絡み合った静なる生物達の帝国のような地面はもう草原に変わっている。原始林は本当にその一帯だけが時のうつろいを止めた聖域であるかのように、太古の風景をかたくなに護り続けているのだ。

 紅い煉瓦の塀が連なった真ん中に大きな鉄門がそびえている。頑強そうなそれはだが片方の扉が半開きになっていて、かつて無用の侵入者達を固く拒んだであろう名残だけを感じさせていた。


「…草…ぼうぼうだ…」

トッティが扉の隙間から覗いて言った。

「…お父様の所へ――早く――」

 悲痛な顔のベルは門を通って屋敷に急ぐ。グラウリー達も伏せがちの眼を見合わせながらベルの後を追った。



「爺や――爺や――!」

 巨大なエントランスにベルの声が響き渡った。

だが、誰も応える者はいない。

 豪華で華麗な、広い部屋ほど人の気配のない時は逆にうら寂しいものだ。それぞれの調度品や床の絨毯、びろうどのカーテンは豪華だったが、それ等は落ち着いた均衡でまとめあげられ不快さを見せない。ただそのそれぞれには手入れが施されていない事も、最近人がここを通った形跡もない事を示

すように薄っすらと埃が積もっていた。


「じ――」

 ベルが痺れを切らして声を上げようとしながら二階――彼の父親の寝室のある――の階段の一段目に脚を掛けた時、とっ…とっ…、という遅い足取りで廊下を歩く音が聞こえたのだった。

 その音はゆっくりと、だが確かに彼等が登ろうとしている階段の上、登った先の右にある壁が死角になっている場所まで近づいてくる。

彼等は息を殺してその音に耳を立てた。そして、ついに壁に小さな手が掛かった――。


「お――お嬢様!」

「爺や!」

 僅かに震える顔を覗かせたそこには、ベルの老執事の姿があった。ベルは大声を上げて階段を駆け足で登った。

「おお――お嬢様…本物の…お嬢様――…」

「爺や!、爺や!」

 ベルは今にも泣き出さんばかりに鼻を紅くして、執事の両肩に手をかけた。


「わたし、わたし、手に入れたのよ!伯父さんが収集しようとしていた、バルティモナの秘宝!」

 窓から差し込む僅かな光を受けて、白く淡い光を輝かせる水晶球を執事に見せる。

「おお――…お嬢様…どれほど心配していましたか…お一人で…探しに行かれるとは…本当に――本当に無茶な――…ですが、リドルト様が…お貸し下さったのですね?」

「うん…伯父さんが――ここに辿り着くまでに色々――あったけど…爺や、お父様は、お父様はどうなの!?」

「………」

 すると、執事は目を伏せて手を顔に当て、みるみるうちに嗚咽の声を漏らすのだった。

「な、何?爺や、わからない!お父様のご容態はどうなのよ…黙ってちゃわからない!」

 涙声のベルの肩をグラウリーが叩く。ベルは一瞬グラウリーの方を見ハッとなると、執事の脇を通り抜けて父親の寝室に走っていった。


                                *


 その部屋は、ベルが知っていた部屋よりもずうっとずうっと暗い――。

玄関口と同じように整えられた調度品が置かれたはずの部屋は、その面影を微塵も残していない。価値ある古書が詰まった本棚からは何冊もの本が無造作に引き出され、床に乱暴に放り投げてあった。仕事に使う特注の机にはペンや紙などが乱雑に置かれて、横の引き出しからは引き出しが抜き落とされて中のものがひっくり返っていた。


 部屋が整然としているのを好んだ父親からは、部屋がこんなになっている事など信じられなかった。

しかし何よりも信じられなかったものは、部屋の奥中央辺り、大きいベッドの上にいるのが、病身の父親ではなく、細い細い糸のようなものが高密度に巻き上げられた、そう、それはまるで昆虫の繭のような物体であった為だった。



「い、いやあぁぁあああぁぁぁ――――ッッ!!」

 その繭はまるで光を嫌うかのごとく、腸詰肉のような繭から白い糸の繊維を伸ばし部屋の窓という窓を塞いでしまっていた。ベルは頭を抱えてその場に突っ伏した。

「お、お嬢様…」

ヨロヨロとおぼつかなげな足取りで執事が背後に現われた。

「何なの…爺や…これは何なの…?」

「おいたわしや――…こ、これは一週間程前からの事でございます…その時には既に旦那様は相当に具合がお悪くなっておいでで、時に非常に苦しみました…。苦しみが来ると暴れだし、壁を叩き、机をひっくり返し、カーテンを引き裂くというような事があったのでございます…。私は何とかおいさめしようとしていたのですが、一日に一度は旦那様はそういうような状態になられて…。屋敷に残っていた僅かな使用人達も、そんな旦那様の様子に肝を冷やして一人二人といなくなってしまいました。

私が、私だけは何があっても旦那様の傍に居なければならないと思っておりました…ですがある日の朝、いつものように朝旦那様のご様子を見に行こうと思ったら――いつの間にかこんな事に…。おお――なんという…なんという恐ろしい…本当に何か悪いものが旦那様にはとりついておられるのでしょうか!

その繭の中に旦那様が居る事は間違いないと思うのです…。ですが私にはどうしてもおおその繭を破る事ができなかったのです…トールズまで行きどんな医者を連れてきても、医者はこれを見て肝を潰して逃げ出してしまったのです…」

 老執事は涙を流し咽びながら言った。

「そんな…一体どうして…?これが、これがあの怪物の掛けた呪いだと言うの――!?」


「…ボケ…あれは…」

「ウム、禍々しい空気がある…」

エイジとボケボケマンは厳しい口調で交わした。


「…お父様…今わたしが――この…水晶球の力で助け出してあげるから――伝説の魔宮バルティモナに伝わりし癒しの力を持つという秘宝――!」

 ベルは涙を流すのをいとわず水晶球を掲げる。そして切実に念を込めて水晶に呼びかけた。

「水晶よ…お願い。力を発揮してちょうだい!その癒しの力で、お父様の呪いを、病気を治して――!」

 力と悲しみを込めたベルの声が部屋中に響く。だが、水晶球は静かにその光をたたえるのみで、何の変化も生じさせぬ。リッチを退散させたあの白い光ですら、今は出ないのだった。


「――どうして……?どうして何も起こらないの!?」


 ベルをの姿を見ながら戦士達はうつむいた。もしかしたら、という最悪の想像が現実になってしまった瞬間。リッチの予言が真実となってしまった瞬間。


(ベル……駄目なんだ…。その秘宝じゃ、駄目なんだ。あの黒衣のリッチは予言したんだ…奴の呪いはその水晶球じゃ治せないんだって…。だが、水晶球の力を信じて、苦難を乗り越えてここまで来たお前の姿を見て、俺達の誰もが止められなかった。リッチの言葉が嘘ならいいと思っていた…。

だが――……)

 グラウリーは己の無力さを感じながら、少女に重く辛い運命と呪いの枷をかけた黒衣の怪異に対するやるせない怒り、憤りを思う。しかし、彼の眼の前にあるのは、いつもよりもずっと小さく見える、一人の少女の打ちひしがれた背中なのだった――。


                               *


「泣き疲れたみたいですね…」

 テーブルに突っ伏したベルを見てトムが言う。

あの後、ベルは何度も何度も水晶の隠れた力を引き出そうと試みた。だが結局水晶は何の反応もしなかった。バルティモナで得たもう一つの秘宝、蒼い石も何らかの力があるかと考え掲げたり力を込めたりしてみたのだが、それも無駄であったのだ。

「無理もない。ここまでずっと気を張っていたのだろうから――」

「………」

 老執事が運んできた紅茶をすする。そこへ、扉が開いてエイジとボケボケマンが現われた。


「どうだ」

「………」エイジはかぶりを振る。

「あの繭は確かに呪術によるものだ。という事は繭の表面と内面に伝う微弱な魔力の流れによってわかった。だがその呪いが進行していく為の魔力の源が、繭の中のジル氏の生命力と潜在魔力から還元されてゆく構造になっているようだ。一度術者の手を離れてしまえば、後は中の人間から吸い取る力で一人歩きしていく強力な呪い!俺達の魔法でもあれを解く事は――」

 エイジは腕を組んで頭を落とした。


「呪いを解く方法は無いの!?」

「――一つだけ。水晶の力が通じなかった今、唯一つだけ方法があるとすれば――」



「――リッチを殺す事!!」

魔道師連中の眼がぎらりと光った。

「あのリッチを…倒す…?」

「…そうだ。古今を通じて魔導やアイテムを使わずに呪いを解く為には、術者の息の根を止める事!俺達に残された手段はもう、これしかない」

 それが困難である事を彼等は知り得ていた。リドルト邸襲撃の折、そしてあやかしの森に現われた時、リッチは驚異的なプレッシャーと魔力でもって彼等に対峙してきたのだ。彼等の中に、リッチを本当に倒せると思える人間がいたのだろうか。それほどまでにリッチの力は彼等に比べて強大であった。


「ボケボケマン――それ、本当なの――?」

小さな声がした。それは突っ伏して眠っていたはずのベルから。

「ベル…起きていたのか」

「うん……。ねえ、ボケボケマン。リッチを、あのリッチを倒しさえすれば、お父様はまだ助けられる可能性はあるのね」

「ああ…そうだ…」

 ボケボケマンは頷いた。するとベルは、その時誰もが想像し得なかった行動を取ったのだった。


「お願い!みんなの力を貸してちょうだい!わたし一人の力じゃ、何もできなかった――バルティモナの水晶を手に入れる事も、水晶をここまで持ってくる事も――。短い旅の中で、わたしは知ったの。わたしは何の力も持たないんだって――だから、今わたしにはこうして頭を下げる事しかできないの!それでもお願いしたい。お父様をどうしても救いたい。あの黒衣の怪物を倒すのはとても大変な事だってわたしにもわかる。でも、でも――――…お願いします――」

 最後はかすれて声にならなかった。ベルは、生まれてこの方ここまで一生懸命に、必至に下げた事のなかっただろう頭を下げられるだけ下げた。涙がこぼれ、またこぼれてもとめどなく溢れてくる。



「顔をあげろ。ベル」

 グラウリーが肩に置いた手は、とても温かく、大きく見えた。

「わかっている。言わなくとも、わかっている――。だから、そう泣くな。辛くとも逃げずに立ち向かう強さをベルは持っている。無力なんかじゃない。それに、今は俺達がいる」

「そうそう。 『ティルナノーグ』 は依頼者を裏切らない――」

 エイジが壁に背を預けて言う。皆も頷いた。


「みんな……」

 鼻からは鼻水が出て、涙と混じって顔はぐしょぐしょだ。だが深い絶望感の中でそれはひどく温かい。

信頼できる人間達。子供の頃からずっと一人でいたベルには馴染みのなかった感覚。それだけでこんなにも頼もしく心が安らぐのだと言う事を、ベルは初めて知り得たのだった――。


「真っ向からぶつかるだけじゃ適わないかもしれない。探すんだ。奴に対抗しうるすべを」

グラウリーはベルの頭に手を置くと、みなを振り返った。


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