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2.ハーブ

 グレースは自立した女性であった。寄宿舎に住んでいたから最低限のことはできる。


 グレースが特に好きだったのはハーブだ。学生時代からハーブを育てており、それをお茶にしている。


 グレースがあの料理長のマットのスープに文句を言わなかったけれど、ハーブを足していればもっとおいしいのにとこっそり思っていた。

 そしてグレースは兄のバージルがパンをかじっていた時は、ハーブ茶を優雅に飲んでいた。どうしても食べたくなったらハーブを練り込んだクッキーを料理長のマットの横で実はこっそりと作っていた。


 そんなグレースなので、最近多くなった料理長のマットが作るちょっと香辛料多めの食事は結構好きである。昨晩出た「ソルパ」という料理はハーブのディルが入っていて好みであった。


 ソフィーはグレースに朝からドレスを着せることから始まった。

 侍女のお仕事は基本的に、着替え、身支度のお手伝い、ドレスをなどの用意、外出のお供、そして重大なお仕事は話し相手である。


 グレースの侍女は専属は実はいなかった。侍女長のサーシャや母カミラの侍女たちが交代に手伝ってくれていた。寄宿舎時代は特に必要としなかったため、お城に戻ってもそのままだったのである。


 グレースにとって、一番難しかったのは身支度であったのだが・・・話し相手もいなかった。



 「ねえ、ソフィーあなたハーブに興味ある?」

 「ハーブでございますか、ソフィー様どのようなのがお好きですか?」

 「カモミールが好きだわ、あと我が国の特産ラベンダーも好きよ。それ以外も興味があってお城で育てているわ。」



 グレースは有名なハーブの名前を言ったが、この国ではハーブが薬代わりに使われており薬局もあるぐらいだ。商家の娘であるソフィーは当然ハーブを扱っていた。


 ソフィーはグレースと会話で、グレースが使っているハーブを教えてもらった。

 タイム、バーム、バジル、ハッカ、ローズマリー、セージなど・・・



 ソフィーは商家の娘であったのと、香辛料を使った料理を実家で食べているような家である。当然効能含めよく知っていた。


 料理やお茶に利用したり、薬代わりになるハーブね、グレース様はお詳しそうだわ。

 ソフィーは聞き上手を発揮し色々グレースから聞き出した。


 グレースは同じ年代の侍女が周囲にいなっため話し相手に飢えていた。ソフィーに自分の思い、ハーブに対する気持ちをどんどん話して言った。ソフィーははっきり話すタイプなのに自分の話をゆっくり聞いてくれた。年下の侍女なのになんて話やすいと思ったことか。


 ソフィーはグレースの話を聞いたあとに思った。

 あれは知っているかしら?先日商会で手に入れて話題になっていたのよね。


 「グレース様、インディゴをご存じですか?」





ソルパという料理はカザフスタンやウズベキスタンの料理から取りました。


インディゴは藍です。フランスの18世紀の生活を参考にしていますが創作物なので時代背景はご勘弁を。

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