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『神殺し』の異世界転生    作者: ヤっちゃん
学園編 最弱の英雄
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第56話  黒鳥の手紙



人々が眠りについている静寂な夜。


星と月だけが光っている黒い空を、一匹の鳥が飛んでいた。

夜の色に紛れ込むように真っ黒な色をした鳥‥‥地球でいうカラスのような鳥は、方角を迷うこともなくただ真っ直ぐと飛んでいく。

その足に紙のようなものを巻きつけて。


やがて、目的地についたのだろうか。

ある建物に近づくと、黒鳥は高度を下げて速度を緩める。

そして部屋の窓枠に降り立った後、


コンコン、と。


嘴を器用に使ってノックをするように叩いた。


その音を聞きつけた部屋の主は、窓を開放して黒鳥に近づく。


「はるばるありがとうね。」


部屋の主は黒鳥に語りかけた。


鈴の音が転がるような、可愛らしい少女の声。

そして、部屋の主‥‥少女は黒鳥の足に巻き付けられていた紙を解いて開ける。


「しばらくしたらまた来て。」


まるで言葉が伝わっているかのように、それを聞き届けた黒鳥は再び羽ばたいて、夜の空へ消えていった。


それを見届けた少女は窓を閉めて、部屋の中の様子を確認する。


同居人(ルームメイト)を起こさないように、物音を立てず机に座り、黒鳥から受け取った髪に筆記具を走らせた。





アスタルシア国 王立アスタルシア学園潜入報告


ハーエン山脈での遠征研修に出くわした、怪物行進(モンスターパレード)、ジャバウォックの事件以来、大きな事件は起こらず。


生徒間の序列に大きな変動もないが、全生徒の意欲が高く、どれも高水準。


依然として要注意の人物は以下の通り。


10年1組


サファ・ハワード


危険度A

結界と剣術を織り交ぜた戦闘方は非常に危険。

自らを守るだけでなく、相手を閉じ込めたり、動きを阻害。空中に結界を張って足場にしたりと機動力にも利用している。また、魔力も高く基礎魔法は勿論、時空間魔法にも長けている。




10年1組


アルス・ヴァン・アスタルシア


危険度A

前述のサファ・ハワードと互角の戦闘力。

王族であるため「アスタルシアの加護」を授かっている。

剣術に関しては学園一。闘気、魔力も桁違いの量。

毎年のランキング戦では、サファに及ばず2位であるが、実際のところ二人の戦闘能力に差はないと見解する。




8年1組


シャルル・ヴァン・アスタルシア


危険度B

五星の世代。アルスと同じく王族であるため「アスタルシアの加護」持ち。

主な武器は槍であり、その槍術は学園で最も長けている。基礎魔法は全てLv10を修得。他の追随を許さない圧倒的な戦闘力。

現時点では上記の二人に及ばないが、将来的に最も危険な人物であると予想する。




8年1組


ヴェルム・ガルバントス


危険度B

五星の世代。並外れた闘気、魔力の持ち主。素の身体能力も非常に高い。気性が荒く、人格に大きな問題あり。その点では間違いなく危険人物。





8年1組


スース・テファイト


危険度B

五星の世代。「自動防御」によって展開される盾はかなり強硬。近接戦闘の者は盾に阻まれて近づけず、生半可な遠距離攻撃は罅すら入れれない。攻めあぐねている相手に対して、本来は時間のかかる詠唱魔法を用いて攻撃する。学園の生徒にしては珍しく意欲がない。




8年1組


キルス・グリントン


危険度B

五星の世代。加護の能力を使って、闘気を結晶へ変換させて戦う。結晶の硬度は高く、攻撃にも盾にも使え、それらを集めて作られた結晶の剣は非常に危険。

独自の美的感覚を持っており、気に入らないものには容赦しない。




8年1組


ティリア・アーチェ


危険度B

五星の世代。魔力を矢に変換させて射る。無限のように放たれる魔力矢はかなりの殲滅力を誇る。また、魔力矢に属性を持たせることも可能であることも要注意。





8年2組


カイル・バンディッド


危険度B

五星の内の者ではないが、それに追随する唯一の生徒。本来なら1組に在籍出来る能力だが、噂によると拒否したとのこと。瞬時に闘気を回復させる加護を持っており、大砲級の技を連発出来る。




6年1組


エルシィ・ガーデン


危険度C +

影を操る加護を有している。周りにある影を掌握し、攻撃、防御、束縛、移動と出来ることも多く汎用性が高い。魔力や闘気も高水準で隙が無い。






黒衣の仮面


危険度不明

ハーエン山脈での事件の際、突如現れた正体不明の人物。白い仮面に黒の縦模様、黒のマントを羽織っている。目で追えない速さで動き、何の武装もせずに魔物達を絶命させていった。目撃者からの証言でしか情報はないが、ジャバウォックを倒したとのこと。学園の生徒達を守っていたことから、人族の戦力として考えた方が良い。扱う力も不明であり、危険度に関しては予想が出来ないレベル。



――――――――――――――――――――――――




書き終えた少女はため息をついて、筆記具を机に置いた。

そして、次に黒鳥が来た時のために、見つからないよう引き出しの奥にしまった。





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