第5話 修行
「また攻撃されたなー。本っ当、びっくりしたー。」
そう言って、木の枝で身を潜めるフィウルス。
この山に捨てられてから約5年が経過し、順調に修行を積んでいるところだったのだ。
先ほどまでは川辺で、巨大な岩山を背に乗せた状態のまま腕立て伏せをしていたが、突然攻撃されたため、こっそりと逃げ出し隠れている。
(ま、そろそろ終わるとこだったからいいんだけど。よし、さっきの分を気に変換するか。)
そうして、木の枝で座禅を組み瞑想する。
地球の時に楓から教わった方法である。極限まで体を酷使した後に、瞑想して気を集中する。そして、本来ならトレーニングによって生まれるはずの筋肉を気へと変換させるのだ。
こうすることによって、無茶なトレーニングによって体が筋肉達磨にならずに、理想的なバランスを保ったまま力をつけることが出来る。さらに、筋肉はいずれ衰えるが、一度変換した気は衰えない。使った後も、しばらく経てば最大値まで回復するのである。
しかし、もちろんいいところだけではない。なにせ、これだけ過酷なトレーニングをしても、変換される気はかなり少ないのだ。
(これで‥よしっと!)
だからこそ、彼は毎日欠かさず続けている。常人であれば、1日も持たないであろう修行内容を。
(この5年でそこそこ鍛えられたな。山の中で危険な存在はもうないし。それに、わかったこともある。)
彼の持つ「神呪」
その内容は能力の制限・抑制。つまり、体力・魔力・闘気力や身体能力が抑えられてしまうことである。
例えば、魔力については一度に出せるのはせいぜいがファイアランスを一発分。
闘気術においても、気刃が一発分しかだせないのである。
この制限はこの世界で生き抜くには致命的な欠点になる。しかし、
(身体能力や体力は、制限・抑圧を受けない気でカバー出来る。魔法の代わりに開門の力も使える。それに‥‥)
地球の時に鍛え上げられたこの男には関係がなかった。だからといって、フィウルスは魔力や闘気力を鍛えなかった訳ではない。
(成長や最大値には制限・抑圧がないこともわかった。)
そう、彼の思う通り熟練度や最大値を伸ばすことには問題がなかったのである。
「ステータス!」
《ステータス》
名前 フィウルス
年齢 5歳
種族 人間
体力 50/50
気力 45000/45000
闘気力 50/50(17000)
魔力 50/50(15000)
スキル
・気術 L v10
・闘気術 Lv3
・体術 L v10
魔法
・水魔法 L v3
・火魔法 L v3
・土魔法 L v3
・風魔法 L v3
・雷魔法 L v3
・光魔法 L v3
・闇魔法 L v3
・回復魔法 L v1
・時空間魔法 L v1
加護
なし
???
・「開門の業」
「火の門」
「水の門」
「土の門」
「雷の門」
「風の門」
「光の門」
「闇の門」
・「神呪」
能力に制限・抑制される。
二つ名・称号
「闘神」
「神殺し」
「開門者」
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魔力、闘気力にある()内は制限・抑圧されていない場合の最大値である。
実際に使えるわけではないのだが‥‥
(この神呪を解除する方法を、必ず見つけ出してやるさ。)
彼に諦める気は毛頭ない。だからこそ、最大値を伸ばし続けているのであろう。
強くなるために、どんな力でも使いこなすために。もう二度と、志半ばで死ぬことがないように。




