第34話 班分け
「それではこれより、遠征研修に伴う班分けを行います。6年生の1班から75班は順に並びなさい。」
広大な訓練場に大勢の生徒が集まり、教員が指示を出す。ここに集っているのは4年生〜6年生の面々である。
「オレ達は最後の75班だな。」
「みたいだね。」
フィウルスとカイルは75班であるため、一番端へと並ぶ。
「はい。それでは次に5年生は、ペア同士で決めた、希望する班のところへ行きなさい。」
この班分けは基本的には志望性である。高学年の面々を見て、低学年は一緒になる班を決めることがある。もちろん、人気な者や有名な人のところには志望が殺到し、その場合は話し合い若しくは抽選で決められることになる。
「‥‥俺たちのとこ誰か来てくれるのかな?」
「さぁな。誰が来ても一緒だ。」
一方は能力は高いが怖そうな顔つきで恐れられている生徒。そしてもう一方は、能力が低すぎる生徒。
低学年の子からすると、志望する班に入れず、最終的に行き着くハズレの班扱いなのは明白だと思われていたが‥‥
「あ、あの!」
「私達、75班に志望します!」
「「えっ?」」
予期していなかった志望者‥‥それも女生徒達に、二人は目を丸くする。
「え、えと、ダメですか?」
「い、いや。そんなことはないよ!逆に‥‥いいのかなって‥‥。」
「ほんとですか?ありがとうございます!私、5年3組のマイルです!よろしくお願いします!」
「わたしは5年4組のジャスミンです。よろしくお願いします。」
「お、おう。」
「こ、こちらこそよろしくお願いします。」
嫌がるどころか、どこか嬉しそうな反応に二人は戸惑う。
「‥‥上手くいったわね、No.47」
「ええ、No.43。これで後は4年生のあの子たちが‥‥」
戸惑うフィウルスとカイルを他所に、女生徒の二人は聞こえないように話す。
「そ、それにしてもフィウルス様をこんな間近で見れるどころか話まで出来るなんて‥‥ヤバイ。鼻血が‥‥」
「こ、堪えるのよ、No.43!あくまでも普通の女生徒を演じないと!」
フィウルスとカイルは知らない。この二人がフィウルス大好き隊の一員であることを。
「はい。これで5年生は決まりましたね。続いて4年生。同じように志望する班へ行きなさい。」
ぞろぞろと4年生は各自、志望する班へ移動する。
「す、すいません。75班を志望したいのですけど‥‥」
「き、君たちも?」
まさかの4年生までも志望者がいることに驚きであった。
「は、はい。私は4年4組の‥‥」
「あれ〜〜?意外と人気なんですねぇ、フィウルス先・輩♪」
しかし、そこで遮る声があった。
「あ、エルシィさん?」
「‥‥てめえ。」
「やっほー♪先輩方〜。」
声の主はエルシィであった。
「何してんだ、てめえ?さっさと志望する班のとこに行きやがれっ!」
「アハッ♪カイル先輩は怖いな〜。でもぉ、ちゃ〜んと志望する班に来てますよぉ?」
「なにっ!?」
「わたしは〜、75班を志望しますぅ〜♪」
「えっ!?」
予想外の展開に各々は驚く。
「ん〜っとぉ?確か、4組と5組の子たちだよね〜?」
ズイッと、エルシィはフィウルスの班に志望していた女生徒達に顔を寄せる。
「ひっ。」
「孤狼」と称される学年一位に詰め寄られ、女生徒達は小さく悲鳴をあげた。
「志望が被っちゃったみたいだけど〜、どうしよっか?」
相談をもちかけている言葉とは違いエルシィの目は、辞退しろと訴えていた。
「わ、私達は‥‥別の班にし、します!」
孤狼の機嫌を損ねるわけにもいかず、女生徒達は逃げるように他の班の方へと向かっていった。
「良かったぁ〜。無事にフィウルス先輩と班になれて〜♪」
悪戯な笑みを向けながらエルシィは言った。
「よろしくお願いしま〜す。フィウルス先・輩♪」




