幕間 side サファ
私のお父さんは有名な武人で、お母さんも優秀な魔術師です。
普段なら屋敷でお留守番のはずだったのに、お父さんとお母さんが、後学のためにも特別に連れて行ってくれると言った時は、飛び上がる程に嬉しかった。
そして、実際にお父さん達が大きな熊さん、ブラッディーベアーと闘ってる姿を見て感動し、私もはやくあんな風に!って思っていた時に、それはやってきた。
倒れたはずのブラッディーベアーが、こっちに向かって突進してきたの。
馬車と一緒に落ちている時は、時間の流れがひどくゆっくりに感じた。落ちたら、痛いんだろうな。わたし、死んじゃうのかな。
怖くて、怖くて目を瞑ってその時を待つ。
だけど、その時はやってこなかった。
いつまでもこない衝撃と自分が抱えられてるような感触に、不思議に思って恐る恐る目を開けると、女の子‥いや、男の子の顔があった。
女の子に見えなくもない、金の瞳をした可愛いらしい顔つき。そして、白く輝く髪は、どこか神秘的な雰囲気を出している。
一瞬、天使様が迎えに来たのかと思ったけど、その子は「もう大丈夫だよ。」とどもりながらも言ってくれた。
そこでようやく、私は助かったんだと知った。
するとその子は、私を抱えたまま急に浮かび上がった。浮かぶ?え、ここ空中!?
咄嗟に男の子に抱きついてしまった。助けてもらっといてなんだけど、せめて動き出す時は教えて欲しかった‥。
そうして、元いた場所に戻った私は、お母さんに抱きしめられた瞬間、張り詰めていた糸が切れたかのように、散々に泣いた。
お父さん達と一緒に、助けてくれた男の子、フィウルスにお礼を言った。
改めて見ると、やっぱり天使みたい。微笑んで来た時なんて、何か眩しく感じるくらい。
でも、表情や仕草はすごく可愛らしいの。お父さんにお礼言われた時の、「ど、どうしよう!?」って感じに慌てているところとか。うん。やっぱり天使だ。
‥この子、普段どこにいるのかな?また会えるかな?
私がそう思っていると、お父さん達がフィウルスに色々と聞いていた。
そしたら、フィウルスは、ずっとこの山奥に一人で暮らしていたことがわかった。
私よりも小さい子が、こんな山奥に一人で‥‥。
そんなのダメ!私がフィウルスを守る!
助けてもらっといて、そんなことを考えだすわたし。
だって、そんなの寂しいじゃない!あんまりじゃない!
すると、お母さんがフィウルスに抱きついて、私達と一緒に来るように言ってる。
いいなー、私もフィウルスに抱き‥‥って、そうじゃないっ!はしたないっ!!
そうよ!フィウルスも私達と一緒についてきて、一緒に暮らせばいいのよ!
そうしたら、私はお姉ちゃんで、フィウルスは弟で‥‥いい。すごくいい。
フィウルスはお父さんからの問いに少し悩んだ様子で、‥‥その悩んでる姿も‥‥じゃなくてっ!
と、ともかく!最終的にフィウルスは、私達の家族になることを受け入れてくれた。
‥‥今日は、一生忘れられない記念日になりそう。




