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ブルームショップ『アルバトロス』へようこそ  作者: タカセ
序章 アルバトロスの来訪
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空は鳥と魔法使いと人の物

書きたくなったから書きました。

それだけですw

 昔、空は鳥と魔法使いの世界だった。

 鳥は翼を持って、魔法使い達は箒を持って空を飛ぶ。

 普通の人間には見えないがこの世界に溢れているという魔素を、魔法使い達は己の体に取り込んで、この世の理を変える力不可思議な力、魔力へと変化させ空を飛んでいた。

 だがそれも昔の話。

 科学の発展に伴い、見えない魔素を可視化するレンズが発見され、魔素を魔力へと変換する道具が開発され、より効率的に魔力を運用する技術体系が日々進化を続けている。

 現代の空は、鳥と魔法使い、そして人の物となっていた。










 昔の話だ。

 魔力の元となる魔素が、月から降り注ぐ光とひとつまみの塩と水。それにちょっとしたコツで人工的に作れると判る前の時代。

 天然の魔素が発生する土地を巡って、大きな戦争が幾度も起きていた。

 今では昼食を一食分、我慢するだけで買える僅かな量の魔素が発生するちっぽけな土地を巡って、街がいくつも滅び、大勢の人間が土に帰るほどの激しい戦いを繰り広げたそうだ。

 現代の俺らからすれば、ばかばかしい事この上ないが、ご先祖達はよほど必死だったんだろう。

 そんな話は世界中に腐るほど転がっていて、特段珍しい物じゃない。

 ゴミ滓みてぇな魔素を巡ってそんな規模の戦いをしていたんだから、聖地やら魔導世界の中心と、ご大層な名前で呼ばれていた、世界最大量の魔素が採れた、絶海のちっぽけな島を巡る千年単位で続いた馬鹿馬鹿しい争いの激しさはご想像くださいってもんだ。

 沈んだ戦闘艦船が積み重なって出来た島やら、それぞれが小島サイズはある朽ち捨てられた工場船やら、研究艦が海底に無数に沈んでいるなんて序の口。

 要塞級やら浮遊島と呼ばれた戦略級移動都市さえも周囲の近海にいくつも転がっていたりする始末だ。

 だが最初に言ったが、それは昔の話。

 世界中で魔素が人工的に大量生成可能になったこのご時世。

 どの大陸からも遠く離れた南海の絶海まで遠出して、世界最大量(笑)のしけた量の魔素を汲みに来る物好きな国家なんぞいるわけも無し。

 下手に手を出して、過去のいざこざを掘り起こしたり、揉め事に巻き込まれちゃ適わんと、世界各国も様子見、放置状態。

 と、世界のお偉いさんは及び腰だが、島が寂れたわけじゃない。

 過去の遺物が漁り放題と、研究目当ての胡散臭い学者やら、お宝目当ての山師やらと、好きこのんで集まってくる物好き達や、国家権力が手を出しにくいからと、臑に傷ありな連中も集まって、何時の間にやら『ジャンクヤード群島』なんぞと呼ばれ、案外賑やかな日々が繰り広げられたりしている。

 興味があれば、ちょっとした観光気分で遊びに来てみれば良い。

 歴史あり、自然あり、非合法な遊びあり、スリルありと、金と体力があればそれなりに楽しめるだろう。

 ただし島の周囲には空賊、海賊なんて前時代な輩が徘徊していたり、大昔の戦闘艦にはまだ生きている奴らもごろごろいるんで、命が惜しいなら船は止めといた方が良いだろう。

 チャーターした旅客箒や、個人箒を強くお勧めする。

 もし行きの空旅で箒やら補助魔具が破壊されたり、逃げ回って魔力が切れてもご心配なく。

 本島にさえたどり着いてくれれば、当店をおたずねを。

 箒の製造、カスタムから、ちょいと小洒落たブースト魔具まで、マジックブルームショップ『アルバトロス』は年中無休、二十四時間、いつでもご相談をお待ちしております。

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