そうだ、メイド雇おう。
第一話
そうだ、メイド雇おう。
海洋国家「ベルベット」。
大きさは静岡県ほどという、小さな島国。
二日あれば、一周できるぐらいの小さな島。
そんな小さな島国で始まる、不思議で奇妙な物語。
いま、幕を開けます。
・・・・・
○○「あー・・・・だめだー・・見つからない・・・」
薄暗い部屋の中、声を上げる一人の青年。
そう、彼こそこの物語の主人公、「トキト・ファロウス」である。
しかし、主人公とは到底思えない格好をしていた。
伸びきった髭とぼさぽさな髪。薄汚れた白衣とシャツ。
ズボンに至っては、ところどころ穴まで空いていた。
○○「あー・・今度こそちゃんと整理しとこう・・・・」
どうやら、物をさがしているらしい。
よくみてみると、部屋の中はまさに腐界と化していた。
積み上げられた本はあわや天井まで届きそうで、その上、ぐらついていた。
また同じく論文と思わしき紙も、積み上げられて山脈となっていた。
床はほこりまみれのガラクタだらけ。
机の上はもはや机の役割を果たしておらず、本や紙逹の土台となっている。
こんな場所で物を探そうなんて無理な話である。
トキト「どうしよう・・・このままじゃ・・・」
どうやら、大切な物らしい。
トキトがどうしようかと悩んだが、すぐに答えはでた。
トキト「そうだ、メイド雇おう。」
と、トキトは言いのこして風の如く部屋を出ていった。
有限実行とはいうが、それなりに大きな買い物である。
即断で決めて良いものなのだろうか・・・・?
まぁ、そこまで切羽詰まっているのであろう。
トキトは、とある場所へと一目散にむかった・・・・・
次回へ。