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翌日。
結局謎は解けぬまま学校へ。
昨日の夕食がタイムリーに滅多にないステーキ(焼き加減も"レア"!)であったり、夢で同じシーンをもう一度見てトラウマが更に深く刻み込まれたりしたが、やはり咲に色々聞きたいこともあるので休みはしなかった。
ただ、寝覚めが悪く、いつもより準備をモタモタしていたため、いつもは合流しない勇気と木葉に合流した。
勇「おう、慎一! 珍しいな。」
慎「おす…。」
木「おはよう、慎一君。」
慎「うす……。」
木「何だか元気ないわね…?」
慎「ッ!!!」
木葉が心配して慎一の顔を覗き込んだとき、そのアングルであのシーンがまたフラッシュバックし、思わず押し飛ばしてしまいそうになった。
勇「さては昨日帰ってから南さんに告ってフラれたんだろ?」
木葉とは反対に、勇気は笑って茶化してきた。
慎「そんなんじゃねえよ…。」
勇「じゃあ昨日のドラマ見逃したとか?」
慎「だから違…えっ!? 昨日だったっけ!!?」
木「ええ。」
慎「どははあ~~~~~~~………」
もう1つ鬱要因が増えて本気の涙が溢れそうになった時、目の前の丁字路を咲が走って横切っていった。
木「あら、今の…?」
勇「南さんじゃん。学校と反対方向に走ってったぞ?」
慎一たちが何処に向かっているのかと疑問に思った時、今度は知らない男が走って横切っていった。
慎「! 今のヤツ、南さんを追いかけてなかったか!?」
木「え、ええ、多分…。何事かしら?」
勇「兄ちゃんとかじゃねえの?」
慎「見てくる!」
言うやいなや、慎一は走り出した。
勇「あ、おい!」
木「慎一君!!」
慎「先生には陣痛で休むって言っといて!」
勇「陣痛で!?」
慎「間違えた! 頭痛で!」
訂正する頃には、慎一は角を曲がっていた。