表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

青空

作者: 宮崎三樹

 君はギターを弾く

 窓の外は青空

 悲しいくらいの

 目が痛くなりそうな青空

 

 夢物語は嫌いさ、と君は言った

 お伽話は好き、と私は言った

 世界のすべてを知っているとでも言いたげな瞳で私を見て

 爆弾のような危なっかしい心を抱えて

 精一杯の強がりで君は生きるんだ

 私はそう思って、左手が和音を刻んだ


 私はピアノを弾く

 ただそれだけだ、と君は多分言う

 私はいつもの反論を試みて、一蹴される

 当たり前のように右手で弦を弾いて、君は私を馬鹿にする

 私は無言で指を動かして

 幸せを感じる

 君はきっとそれを、ただそれだけだ、と言う

 ただそれだけの幸せを私は噛み締める

 演奏の合間に見えた弥生の空は青くて

 ただそれだけのせいで、ピアノの鍵盤が濡れた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ