第四話〜ムアラ〜
四人はアイルとエンナとムエカが昨日行った場所に行く事にした。
森は別に昨日と変わった事はない。
四人はどんどん歩いていった。
そして昨日の場所よりちょっと奥で取り始めた。
アイルは一人、昨日あの謎の生物を見た場所に黙って行った。
「なにもない…か」
アイルは昨日みんなでたてた動物の墓を見ながらほっとした。
そして、果実取りを始めた。
四人は何事もなく果実を取り、森へ帰る事にした。
四人が森を歩いてると、急に森がざわついた。木がしなり、風がなり、草がゆれ、鳥達が一斉に飛んでいき、動物達のおたけびが聞こえた。
アイル達は驚き立ち止まった。
「なんだ…!?」
すると、サムルが村のある方の上空を見て驚き、叫び走り出した。
「………早く…早く村に帰りましょう!!!」
アイル達はサムルが急に走り出したのを追い掛けるだけで、何が起こったかわからなかった。
エンナがサムルの言った言葉に聞いた。
「村が………何かあったんですか…!?」
走りながらとぎれとぎれに言葉をはっする。
アイルとムエカとエンナの三人はサムルの答えを待ちながら走った。
そして、サムルが前だけを見て走りながら口を開いた。
「…村が…燃えてる……!!」
アイル達はその言葉に絶望し、何か祈るように村へ向かった。
そして四人は村の入り口についた。
四人が見たのは、見たことのない…いやアイルは昨日見た事のある謎の生物の大群が村を襲っていたのである。
火を放ち、住人が所々に倒れている。
その生物の中に一人人間がいた。
アイルは見た事がある…いや…実際には見た事がない。
アイルは立ち尽くして口にこぼした。
「………カイン…」
ムエカが急に落ち着いた口調でアイルとエンナに言う。
「アイル、エンナ。逃げろ」
「ここは私たちに任せなさい」
ムエカとサムルは武器を取り戦う準備をした。
「逃げろって…俺も…戦う…」
アイルは恐怖に満ちた顔をしながら、震えた声で震えながら武器をにぎった。
エンナは目の前の光景があまりにも悲惨だったので顔を抑え泣き出した。
「…大丈夫ですよ。心配いらないです。」
アイルとエンナを見てサムルがやさしく微笑み言った。
「はっは。早く行けぇ。心配するなぁ!!」
エンナがいるがいつものように陽気にアイルに言う。
「アイル……行けぇ!!!!」
サムルが武器を構えて生物達のいる方へゆっくりと歩きながらアイルに叫ぶ。
「……ムエカ…サムル……わかった!!」
アイルは武器をしまい、涙をこらえて無理に笑顔になりながらエンナの腕をつかみ森へ逃げていった。
「サムル…お前も行っていいんだぞ〜?」
敵を前に武器を構えながら陽気なムエカ。
「緊張感のない人ですね…。ほら…来ましたよ」
陽気なムエカに呆れながら武器を構え、敵をにらむサムル。
「人間………クズめ!!!」