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rainy crown

作者: 葛城 壱


--------------



ハロー、ハロー

世界のどこかにいる、誰かさん


誰か、教えてください






友達が、失恋しました。


優しくて、厳しい友達です。



二年付き合った彼氏は、見知らぬ女に寝とられたそうです。


ひどい言葉を別れに、彼氏は彼女を捨てていったそうです。



なんて、最低な羨ましい奴でしょう。





彼女は、泣いています。


いつかは癒える傷だろうと、今はまだ血を吹き出したまま。


恋した彼を、奪った彼女を呪いながら泣き続けます。




そんな、友達の側にいるのに。



私は、何もできないままです。




私には、わからないのです。

人をスキになるキモチなど。未だ、知らぬままなのです。


だから、裏切られる苦しみも、痛みも私にはお伽噺のように遠いもの。


だから、傷ついた彼女にかける言葉もわからないまま。





どうしましょう。

どうすれば、彼女は笑ってくれるのでしょうか。



ただ、優しい貴女の笑顔が見たい。





だから、私は外に飛び出したのです。






温い夏の雨を浴びて、


私が馬鹿をすれば、きっと彼女は呆れて笑ってくれるから。



降りしきる雨の中、私は泣き笑い。


雨に隠れて彼女に見えないように、私は泣き笑い。






突き刺す雨の中へ飛び出して、踊る私はPIERROT。


貴女に笑顔が戻るよう、精一杯おどけてみせましょう。











ハロー、ハロー


叶うなら、どこかの誰かさん



教えてはくれませんか?



この心のないPIERROTが、人の心を手にする方法を




この道化でも彼女の涙を止める方法を



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