二話
こんな時間になにやってんだか、俺…
―――声がした。
透き通るような声。
自分に問いかける声に、俺は答えた。
「俺は―――」
目が覚めた。
辺りを見回してみる。
視界に入るのは、木、木、木。
うららかな陽の光に、その光を反射し風に揺れている木の葉たち。
おかしいな。俺の記憶が正しければ、さっきまでアスファルトの道路の上で信号待ちをしていたはずなんだけれども。
目の前を蝶々が飛んでるのを見て、俺は考えるのを止めた。
うん、これはいわゆる神隠しというやつなんだろう。だったら、俺にはどうしようもないよね。ってか、今頃大騒ぎになってるだろうなぁ…と友人の顔を思い浮かべる。
祐樹、事後処理頑張ってくれ。人が目の前でいなくなったとか、説明大変だろうなあ。
いやいや。祐樹のことを考えてる暇はないぞ。
今、現状で一番大変なのは俺なのだ。たぶん。
「とりあえず、朝飯食べるか…。腹が減っては何とやらって言うし」
そう言って俺はもそもそと朝買ったサンドイッチを食べ始めた。
「さて、とりあえず携帯は…圏外か。まあ、樹海っぽいもんなぁ」
朝飯を食べ終わって、一息ついた俺は携帯を見てた目線を上げ、周りを見渡してため息をついた。
「幸い食料はまだあるし、ちょっと歩き回ってみようかな」
そうと決まれば、とばかりに俺は立ち上がり歩き始めた。
日はまだ昇り始めたばかりだった。
しばらく歩き回ってみたが、何かさらに鬱蒼としてきた気がする。
やっぱ適当に歩いたら駄目か。
でも、直勘的にはこっちにいった方がいい気がするんだよなぁ。こういう危機的状況の時ほど、俺の勘は信用できるし。テストの時は、当たらないけど。危機感が足りないのか?
何てことを考えながらしばらく歩いていると、開けた場所にログハウス的な家が建っているのを見つけた。
「良かった。家があるってことは人が住んでるところみたいだ」
実は、人も住んでない田舎の山奥かとちょっと心配してたんだよ。
「すみませーん。誰かいませんかー?」
どんどんとドアを叩きながら、大声で呼びかけるが応える声はない。
「留守かな…」
辺りを見回してみても、それらしき人影は見えない。
ドアノブを回してみると、どうやら鍵はかかっていないようだ。
悪いとは思ったが、ちょっと朝の生理現象を催していた俺は、中に入らせてもらうことにした。
「失礼しまーす…。あのー、トイレを…っ」
骨だ。
そこには骨があった。
いや、骨じゃなくてこれは白骨死体というやつだろうか?
テーブルに突っ伏したぼろぼろの服を着た骨が、暗い眼窩をこちらに向けていた。
「うわぁ、人体模型じゃない…よね、これ。すみませーん、トイレ借りますよー」
とりあえず、トイレ(大)が限界に近かった俺は骨を放っておいてトイレを借りることにした。
「はぁ、すっきり。しかし、水が流しっぱなしのトイレなんて初めてみたよ。どういう仕組みなんだろ?いくらなんでもこの辺、水道通ってないだろうし」
紙の代わりに葉っぱが置いてあるし、とぶつぶつ言いながら戻ってくると骨の処遇について考えることにした。
「…どうしようか、これ。」
作者は中二病ですw




