十話
翌日。ヤノプの家に泊まらせてもらった俺は、貪るように睡眠をとった後、今ヤノプと遅い朝飯を食べている。
「いや~、長老が人間用の大きさの布団持ってて助かったよ。最悪座って寝ることも考えてたからなぁ」
「人間の商人がたまに泊まることもあるので、用意してあったんですよ。ドワーフ用のは三木さんには小さすぎますからね。良かったです」
周りにあるもの全てミニチュアみたいな感じだしな~と、チラっと周りを軽く見回してみる。
ランプも、食器も、家具類も全部俺が使うには一回り小さい。
「ところで、三木さんはこの後何かしたいこととかありますか?商人たちと連絡取れるまでは時間あるでしょうし」
「ん~そうだな。とりあえず、服が欲しいかも。皮の鎧とか着て誤魔化してるけど、服とかボロボロのしかないんだ。後は槍を新調できたらな、なんて考えてる」
人間らしい生活送るためには服は必需品だよね。槍はずっと使い続けているせいか、耐久力的に心配なんだよ。
「それだったら、任せてください。食べ終わったら知り合いに頼みに行ってみましょう」
その言葉を聞いて安心した俺は、キノコなどが中心の朝飯の残りを食べ始めた。
「しかし、悪いなぁ。何かめっちゃいっぱい生地使うみたいで高いんじゃないのか?」
「いいんですよ。この村にいる間はお金のことは気にしないで下さい」
先ほど、服職人であるドワーフのところに行ったのだが、お金をヤノプが払ってくれたのだ。
一応、あの家に置いてあった金貨は持ってきてるので多少は払えるんだけど…。
ここを出るときにこっそり置いていこうかな?
「次は、槍ですね。武器とか作っている人は多いんですけど、一番腕のいい人のところに行きましょうか。ほら、昨日三木さんも会ったあのバリスさんです」
「へぇ、あの人が」
意外、というほどでもないか。
筋肉凄かったし。
いや、筋肉はそんなに関係ないか。
「バリスさんは結構入り口に近いところに住んでいるので、ちょっと歩きますよ」
「りょ~かい」
あの髭ってやっぱり自分で整えてるんだろうか?とかそんなことを考えながらまた歩き始めた。
「バリスさーん。おはようございます。今日はちょっとお願いがあってきたんですけど」
ヤノプがそう呼びかけると、明らかに寝起きと思われるバリスさんが出てきた。
「おぉ、ヤノプか。どうした? 俺はまだ寝たりないんだが」
「すみません、起こしてしまったようで。実はこの三木さんが槍を新調したいとのことで、バリスさんにお願いしようかと思いまして」
それを聞いたバリスさんは幾分か仕事モードに入ったようで、
「槍か。ちょっとおまえさんが持っているやつを見せてみろ」
と俺に視線を遣してきたので、俺は槍をバリスさんに手渡した。
「ふむ、大分使い込まれてるな。古いものだし、確かに新調した方がいいかもしれん」
と職人の目をして槍を検分して言った。
「それで、どんな槍がいいとか何か希望はあるか?ヤノプの恩人だからな。出来る限り叶えてやるぞ」
俺はちょっと考えて、
「そうですね、出来る限り耐久力があるのがいいですね。後、出来る限り重くしてもらえると助かります」
武器がなくなると後は逃げるしかなくなるしなぁ。
後、力はこれから先どんどん付いていくだろうから、軽いと頼りないのだ。
「そうか。耐久力のほうは、秘蔵の鉱石を使ってやるとして、重さの方は…調節しないといけないな」
とバリスさんは俺の体格をチラと見て言った。
「ドワーフが武器用に使う重鋼石という鉱石があるんだが、これがかなり重くてな。ちょっと混ぜただけで見た目にそぐわぬ重さになる」
「これでも見た目よりは力はあるほうなので、是非それを使ってくれませんか?」
残りの振り分け可能ポイント全部使ってもいいし。
「うむ。まぁ、どれだけの量を混ぜるか決める為に力を測ってみるとするか。ちょっと待っておれい」
しばらくして、バリスさんは幾つかの大きさの違う黒光りする石を持ってきた。
「これが重鋼石だ。小さい方から持ち上げてみろ」
俺は、掌に納まる程度の石を持ってみた。この重さからいうと、50キロ位はありそうだ。
「よし、次」
次に握り拳大の石を持ってみる。100キロくらいかな?
「どうだ?まだいけそうか?槍にして振り回すことを考えて決めろよ」
「はい、もっと重い方が助かりますので次いってみます」
次は両手で収まるかどうかといった大きさだ。目測からいって200キロ以上はあるな。
100キロでも余裕はあったけど、一応ポイント振っておくか。
俺はポイントを力に全て振ると、石を持ち上げた。
「…まだ余裕があるみたいだな。ちょっと待っていろ。もうちょっと大きいやつを持ってくる」
そう言って家に入って戻ってきたバリスさんの手元には両手で抱えてもたないといけないくらいの大きさの石があった。
「全く。人間で並みのドワーフ以上の膂力があるやつがいるとはな。お前、ホントに人間か?」
俺は苦笑しながら、
「ちょっと力が強いだけのただの人間ですよ」
と答えた。
そして、バリスさんの持ってきてくれた石を持ってみる。
500キロくらいかな。
たぶんこれ位がちょうどいい気がする。
「バリスさん、この石位の重さがちょうどいいみたいです」
「はぁ、分かった。色々と言いたいことはあるが、ちゃんと作ってやる。急いでも半月はかかるが大丈夫か?」
半月もかかるのか。ヤノプに負担がかかるのが心苦しいがしょうがないか。
お金を長老に渡しておいてヤノプに渡してもらおう。
俺が直接渡しても貰ってくれないだろうし。
「ありがとうございます。それでお願いします」
と俺は頭を下げて頼むのだった。
レベル 6 経験値 368 次のレベルまで 82
力 88.3
防御力 22
速さ 75.1
体力 53.7
運の良さ 18.2
賢さ 54.4
言語理解 18.6
直感 110.7
弓技能 8.3
剣技能 14.2
槍技能 83.1
短剣技能 24.6
魔法 54.2
肉体操作 26.9
振り分け可能ポイント 0
装備 なし




