創建 4000万年 リュックとシャベルを持って行け
ヘンテコリン「明日から、散歩に行くときは、リュックを背負って、シャベルを持っていけ」
ジョー「なんでだよー。」
ヘンテコリン「きっと、良いことがあるのさ。」
ジョー「ほんとか。」
ヘンテコリン「ほんとうだ。この星の秘密がわかったのさあ。」
ジョー「何を言っているんだ。僕にだって、この星の秘密を知っているよ。昔は大繁栄をだったけど、いまじゃ、貧乏の星になってしまったというんでしょ。」
ヘンテコリン「まあ、そんなところだ。リュックとシャベルを忘れないように。」
ジョー「今日はどこへいくんです?」
ヘンテコリン「リュックとシャベルを持ったか?帰りは,重くなるぞ。」
ジョー「何をほるんです?」
ヘンテコリン「大根やジャガイモより、重いはずだあ。」
ヘンテコリン「ここだあ。ここを掘れ。石が出てくるはずだあ。傷つけないように丁寧に掘れ。」
ジョー「大きな石じゃないんだろうな。」
ヘンテコリン「まあ、今回は、そんなに大きくない。持って帰れる程度だ。」
ジョー「ほんとうなんだろうなあ。あ。なにか.出てきた。」
ヘンテコリン「それは、ZIZO だ。」
ジョー「ジゾ なんだそれは。」
ヘンテコリン「ありがたい神さまの像だ。古代に作られたものだ。」
ジョー「古代って、いつごろなのさあー。」
ヘンテコリン「そうだなあ。数百万年か、数千万年かな、それとも、数億年前かな。」
ジョー「結局、なにも、わかんないんですね。古い物というだけですね。」
ヘンテコリン「これは、国宝級のお宝だ。国宝級のな。」
ジョー「でも、今は、国家なんて存在していません。文明などない時代になってしまったんです。」
ヘンテコリン「そうだなあ。あの高度な文明が失われてしまうとは。それも、突然に。」
翌日は、ヘンテコリンとジョーは違う場所にいった。
ヘンテコリンが、掘れというので、掘ってみると、今度は、金貨が13枚出てきた。
ジョーは、それを、リュックに入れて、神社に戻ってきた。
次の日は、金の仏像、ペンダント、翡翠の像、銅の鏡、仮面などなど。
そうこうしているうちに、小さな神社は、いろんなもので、あふれ出してきた。
ヘンテコリンは、ジョーに、綺麗に並べろと、口うるさく言っていた。
ヘンテコリンは、その順番になにか、意味があるらしかった。
だいたい、これらのものは、その辺に落ちて、いや、埋まっていただけのものだ。ジョーとヘンテコリンが、毎日、散歩にいける距離など、たいした距離じゃない。しかも、都会からはなれた高度な文明などないはずだった。この村の歴史にそんな記録がなどない。何百年も,何千年も、文明があったはずがない。
なのに、ジョーとヘンテコリンが、その辺をあるいて、いろいろへんなものを見つけてきたのだ。
それは、村人や村人の子供、または、たまたま通りがかった旅人が、年百年、何千年、何万年の積み重ねの落とし物を拾っただけなのかもしれない。でも、こんなものが、なんの役に立つのだろうか。ゴミ、ゴミ、ゴミでしかない。なんで、こんなものを拾って、綺麗に並べる必要があるんだろう。
ヘンテコリン「さあ、出発するぞ。リュックとシャベルをもったか?」
ジョー「今日は、何を掘るんです?でも、どうして、変な物が埋まっているのが、分かるんです?」
ヘンテコリン「お前といっしょにいろんな所をあるいていると、土の中に何かあるのを感じるんだ。」
ジョー「あんたは、金属探知機か?。もしかすれば、失せ物探しますっての、できるんじゃないの。」
ヘンテコリン「そうか、失せ物を探すのもいいかもしれんなあ。明日から、この神社で、失せ物相談でもやるか? 村人も喜ぶぞ。それは、帰ってきたからだなあ。じゃあ、出発するぞ。」
ジョー「今日は、何掘るんですか?」
ヘンテコリン「掘ってみないと分からん。なにか、感じるだけだ。」
ジョー「みんなガラクタですよね。なんの価値もない。こんなものを拾い集めてどうするんです。」
ヘンテコリン「なぜ、こんな田舎の村に、いろんなものが落ちていると思うか?それは、この地には、文明が、高度な文明があったのだ。しかし、文明があったのは、ここだけではない。どこにも、高度な文明の痕跡はある。しかし、土の中に埋もれたものを見つけ出すのは、難しいことだ。このわしだって、難しいことなのだ。しかし、いろいろ歩き回れば、少しづつ、感じてくるのだ。なにか、ある、なにか、ある。そうして、もう少し、歩き回れば、古代遺跡さえみつかるかもしれない。古代の埋蔵金も探し当てられることもできるかもしれないぞ。」
ジョー「でも、それが、あるか、ないかは、わからないでしょ。しかも、この近所にそんなものがあるかどうか、わからないんでしょ。最初から、ありそうな場所は、ないんですか?」
ヘンテコリン「ないこともない。しかし、ほんとうにそうかは、十分しらべてみなければならない、ここだって、10年の月日をかけて調査したのだぞ。」
ジョー「え!ー、初めから、そんな計画だったんですか。ただの散歩じゃなかったんですか?」
ヘンテコリン「ただの散歩といえば、ただの散歩だ。しかし、ただの調査だといえば、ただの調査にもなる。この星には、たくさんに秘密がある。人間が忘れた文明、超古代文明、そして、それ以前の恐竜の時代もある。おもしろい化石も、地中にはかくれているぞ。それを人間が知ったら、びっくりするだろうなあ。でも、現代は、廃墟の時代だ。電気文明が失われてしまったのだ。その復興には、100年、200年かかるかもしれせん。それまで、我慢のときかもしれん。」