表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/35

2:陰気同盟

 みなさま、こんにちは! 神様からもらった転生特典が強すぎでどうすればいいか困ってる日々の私!


 ふ、強すぎるのも難儀ね。

 しかぁぁーし! 私はそれでも鍛錬を惜しまない!


 ラストエンディングで私は魔王に攫われ、それはもう酷い目に合うと知っている! なので私は自室に隠れて電気もとい雷の操作を一瞬で使えるようにしているわ!


 一度試しと思い、空に雷を飛ばしたら大爆発が起こってとんでもないことになったのは……わ、私のせいじゃないはずよ。


 それからというもの、私はちっちゃな雷のコントロールを訓練をしている。


 ただ……私が両手の人差し指を「ほわぁ! あちゃー!」ってやって遊んでいたら、それを侍女のリヌに生暖かい目で見られてしまい、恥ずかしい目に遭ったけど……。


「ん?」


 ぽふんっと音を立てながら、私は尻もちをついた。


 誰かにぶつかってしまったようね?

 私は第六皇女よ! よくもぶつかりましたわね!


「おや、マリーじゃないか」


 だ、第二皇子でした。

 す、すみません、謝ります。変な語尾もやめるので処刑しないでください。


 私が半泣きになっていると頭を撫でられる。


「悪いね。僕が気づいていれば」


 や、優しい……。陰気臭い顔のくせに。



 処刑しないでくださいと懇願しといて、謝られたら罵倒するとかこいつはふざけてるんだろうか?



 第二皇子は半年前、十歳の記念誕生日パーティーをしてからよく会うようになったパトリックお兄様。普段から無口で陰気臭いところが、無性に前世の私と似ていたせいか親近感が湧き、よく部屋に邪魔して本を読んだりして居座ってるわ!

 ただ、部屋に行くとよく視線を感じるから、サッと見返してもこちらを見てないし……気のせいなのかしら?

 それとも自意識過剰?


 話を戻すけど、第二皇子はザ・ファンタジーって感じの髪色! 第二皇妃ニノン様の子たちで、弟のアルと同じ青色の瞳に青色の髪。

 ただ違うのはこっちは長髪で、すっごぉぉい陰気臭いところね!


 じっと見られていると心の内まで見透かされてる気分になるから、私がパトリックお兄様と同じ陰気同盟じゃなきゃ、みんな近寄りがたいのもわからなくもない!


 お話をするとじっと見てくるから頬っぺたを掴んでやめさせてるわ! 失礼だと思われるけど可愛い妹ですもの!

 きっと私の愛の鞭を受け入れてくれてるはずだわ! だってまだ一度も拒否も怒られてないもの!

 そ、そうですよね! お兄様?


 お、おにいさま? なんか不安になってきたわ……。





 第二皇子、パトリック・ド・パロメスの独白。


 うちの六番目の妹、マリーは変わっていると思う。

 十歳の誕生日記念会で僕と顔を合わせてから、侍女ですら僕に関わろうとしないのによく部屋に侵入してくる。


 そんな僕は、兄と父上、母上しか知らない精霊様を通して、人の魔力と心の機敏を見ることができる。


 マリーは第四皇妃マリヴォンヌ様と同じ黄金の魔力を有している。が、マリーは特に神様に祝福されているのかというほど魔力がすごく、周りには精霊がよく漂っていて、好かれているのがわかる。


 僕はよく妹が謎な行動をしているのを侍女のリヌと目撃している。他の兄弟たちはマリーを目に入れても可愛いのか気づいていないみたいだ。


 マリーがまだ幼い時に何度か見ていると、マリーは恥ずかしがっているのかそれとも無自覚のなのか、僕の顔をギュッと掴んできて頬が腫れてからは、こっそり見るようにしてる。

 たまにいたずらで堂々と心を覗き見すると、昔のように顔を力強く掴まなくなったが、代わりに僕の頬っぺたを軽く引っ張って、頬を膨らませて見つめてくる。その表情が可愛くて何度繰り返しても、やめられそうにない。

 昔はよくこの能力でいろんな人を無表情で見ていたせいで敬遠されたが、妹のおかげで今ではあまり怖がられなくなったようだ。


 ただ妹のアミラは相変わらず僕のことが苦手のようで、僕が近づくとウサギのように逃げ回る。


 僕もマリーの影響からか、アミラを追いかけ回し涙目にして楽しんでいるのは秘密だ。

皆様からの評価や感想がよりいっそう励みになりますので、どうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ