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エルピス  作者: シャトル
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6話

コード・テイルズ国王陛下…アルトリス聖国を治める現国王…。歴代の国王陛下の中でも若く、人望に厚いとされている…そして…イケメン…。しかもアルトリス聖国に伝わる聖遺物である天より舞い降りた剣、星剣(せいけん)を巧みに扱い、実力も高い騎士としても知られてる。


容姿端麗、そして歴戦の猛者…そんな国王陛下に、今私は初めて謁見している。こんな特殊な事例がなければ直接お目にかかる事は無いかもしれない。周りには重厚な鎧を着ている兵士達がいる。嫌でも緊張してしまう。


そんな緊張してしまうような玉座の間に私、アンダルシアさん、そして今回の主役のレイは呼ばれた。


「国王陛下。アンダルシア・オクテスト、エルシア・ラグレイ、そして彼女…レイ・エルピス。3人、ここに推参仕りました」


私とアンダルシアさんは屈んで頭を垂れた。それを見て後からレイも屈んで頭を垂れた。


「ああ。ありがとう。そう固くならなくていいよ。特に君…レイ・エルピスさんだっけ。事前に聞いていたよ。敵意は無いらしいね。なら今の君は客人として扱おう。二人もそう固くならなくてもいいさ」


物腰柔らかい言い方で接してくれるコード陛下。私達はお言葉に甘えてそのまま立ち上がった。


「で、だ。簡単なことしか説明は聞いていないが、詳しく聞かせてはくれないか?何があって、何故ここに来たのか、これから君はどうしたいのかを…」


私達は陛下に地下牢で話をした事の全てを洗いざらい話した。異世界やらナノテクやら、私達が聞いたことの無い様々な用語を…。案の定その話を聞いていた兵士達もざわついていた。


「なるほど…とても興味深い内容だ…」

「えーっと…国王陛下様?私をどうします?やっぱりこのまま拘束しますか?」

「いや、それはしないさ。言っただろう、君は客人だ。囚人じゃないよ。君が元の世界に帰る方法をこちら側で模索してみるさ。その為に君の手助けをしようじゃないか。が、その前に少し君の力を見せて貰えないかな?」

「それで私の脅威評価をしようということですか?」

「……察しがいいね…。まぁそんなところかな。囚人として捕らえはしないが、その力がどれ程のものか見てこれからの君の扱い方を判断する必要があるからね。先遣隊とはいえ、君は僕の国の兵士達を圧倒してしまったからね」

「なるほど…まあ予測はしてましたけどね。で、誰と戦いましょうか?エルシアさんは…まぁ抜きにして…」


うっ…ちょっと傷ついた……あれは完全に不意打ちだったし、状況が状況だったし…


「アンダルシア」

「はっ、かしこまりました。陛下」


やっぱりここは現在騎士の中で最も強いアンダルシアさんが適任だ。


「では訓練所にて模擬戦を執り行おう。彼女を連れて行ってくれ。僕も後から行こう」

「かしこまりました。では行くぞ、二人共」

「はい」

「ええ。アンダルシアさんの実力がどれ程のものか、確かめさせてもらいますね」

「ふん。望むところだ」


私達三人は城の外にある訓練所へと向かっていった。レイの力をきちんと見れるのもいいけど、アンダルシアさんの戦う姿が見られるのも、結構嬉しいものだ。



―――――――――――――




三人と兵士達が訓練所へと向かっていったその後も、僕は玉座に座り続けていた。


「いつまで僕の背後にいるつもりかい?」


僕は振り向かず、()()()()()()()()()人物へと声をかけた。


「おや、気がついてましたか。いや〜…気配遮断には自信があったんですけどねぇ…」


玉座の後ろ、そこには白い服に蒼い刺青のような模様が描かれた黒いコートを来た男がいた。


「いつからお気づきで?」

「彼女達が経緯を話し始めていたあたりだ。これでも魔力感知はできる方だ。バレやすい気配遮断にしてたとはいえ、僕をあまり甘く見ないで欲しいな、シキ」

「へいへい…すみませんねぇ…」


シキ…カザシロノ・シキ…相変わらずの飄々とした男だ。


「で、要件は何かな?ルファの使者、と思っていいかな?僕は君の事はある程度信頼はしているが…」

「うちの社長からこう言われましてね。『三領主で会談を開きたい。日は明日。取り急ぎでな』との事ですよと」


やはりな…我が領土で起きた事だが…彼女…カルシファーの社長でもありルファを支配している領主…ソフィア・イルミティが動かない訳が無い。それに…


「三領主という事は…」

「ええ…()()女王様もある程度把握してますよ。元々の会談の提案はあの女王様からで。てかどうせこの城に密偵がいるんだし、早いとこ始末しとけばいいんじゃないですかねぇ?」

「前にもそれはやった事はあるが、()()()()()()()()()からな…正直半ば諦めかけてきてるよ…やれやれ全くだよ…」

「で、返事は?」


答えは決まっている。


「もちろん行くとも。明日の中立領域で」

「了解。じゃ、うちの社長に伝えますんで。どうせこの会話も聞かれてると思いますが、一応こっちからツキノメ帝国には伝えときますんでね」

「助かるよ。ただでさえ面倒だからな…あの国とは…」

「じゃ、また明日…」


そう言ってシキは消えた。やれやれ。こうも簡単に侵入されるとは…流石は最強の魔術師ソフィア…ここに人一人動かすぐらい造作もなしか…。


今日はアレだが、明日は面倒な事になりそうだ…

コード・テイルズ

容姿イメージ:プロトアーサー

イメージCV:櫻井孝宏


カザシロノ・シキ

容姿イメージ:燕青

イメージCV:岡本信彦

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